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翠の光

オリーブは魔法を使うスーパーヒロインである。

つまり後方支援を得意とする。

それゆえ単独行動は厳しい。

だから“仲間”を、“味方”を、探していた。


***


「いわゆるチュートリアルってのを始めるよ!」

朝イチで言われた言葉はそれだった。

おはようでもよく寝た?でもなく、それ。

“自称”私を導く者…シルヴィ。

渡された杖を握ってみる。

杖と言っても老人の物ではなくキラキラとした幼女が好きそうなもの。

簡単に言うと日曜の朝にやってる女児向けアニメに出てきそうなものだ。プで始まってアで終わる、あの。

「で?」

眠くて自然に不機嫌になる。

「変身って言ってみてください」

恥ずかしいわよ。その言葉を飲み込み、従うことに決めた。

「変、身」

その瞬間辺りが光に包まれる。

体が自然に動く。来ていたパジャマは金の糸となり解け、するすると違う服になり身体にピッタリとはりつく。

髪がするんと伸び、頭にきゅっとリボンが結ばれた。

胸元のリボンも結ばれ終えた時、光がすっと消えた。

「初めまして」

シルヴィが微笑む。

「スーパーヒロインルピナス」


***


─廃工場─


バチンッ


「きゃあっ」

ドサッ…

白銀(しろがね)!あなた…」

オリーブの声を白銀が遮る。

「…目障りなのですよ、ヒロインオリーブ。」

銀髪を後ろでちょんとまとめている。

「あなたさえ。あなたさえ邪魔してくれなければ全てが上手くいく。」

男は薔薇のように赤い宝玉のついた古木から切り出した杖を握り直す。

「…っ、やめなさい白銀!」

オリーブは白銀に向かって手を伸ばす。

白銀はその手を振り払った。

「白銀ではありません!私はゼィルヴェルと名付けてもらったのです」

ゼィルヴェルはオリーブを睨む。

「もう、黙ってもらいましょうかね…」


***


「ルピナス!」

シルヴィが声を上げる。

「オリーブが危ないみたいなの!」

あやめがオリーブって?と聞くとシルヴィは付いてきたらわかるよ、と言った。

「助けに…行こう…!」

その場の全員が深く頷いた。


***


「さようならです、オリーブさん。」

ゼィルヴェルは杖をオリーブに向けた。

「それとも最後くらい人の名で読んだ方が良いですか?」

オリーブは顔を歪ませ笑った。

それはまるで悪魔のようだった。

「結構よ。何故なら…」

ゼィルヴェルがまゆをぴくりと動かす。

「最後じゃないから」

オリーブが言った時、廃工場の扉がバン、と開いた。

「スーパーヒロインルピナス参上!覚悟なさい!」

そういうルピナスの顔は真っ赤。

後ろからあやめとシルヴィがこっそり覗いている。

「遅いわよ、ルピナス」

「来ること、分かってたの?」

ルピナスが驚く。だがオリーブは腕につけた大きな水晶のブレスレットを見せるだけだった。そこにはゼィルヴェルの背中が写っていた。

「好きなところが見れるのよ」

ルピナスは便利ね、と微笑んだ。

「…さぁ」

オリーブがゼィルヴェルを睨みつける。

「銀の騎士の目を覚まさせましょう」

次回!オリーブとルピナス、初の共闘!

どうなるのか!?次回もお楽しみに!

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