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妖術と妖怪

 数日後。

「あれどうだった?」

「いずれ分かるので親と話してください。それは幾らなんでも下世話です」

「うんやめとくよ。先代に弄られてついね」

「悪趣味だ…」


 何かこの町の突っ込んだ部分に入ってしまった気がする。もうどのみち帰る場所なんて無いけど引き返せないんだなと。


「僕はもう結婚できないんですかね?」

「それとこれとは別だよ。相手が改の人の娘さんならちょっと難しいだろうね。結婚は全く別。それは逆に町の皆のためにはしたほうが良い。ただねそれでも改の一族は不味いと思うよ。だって私家庭持ってたから。たまたま祐一とはちあわせしないだけでしょっちゅう今でも来てるけど…」

「それ何かややこしくないですか?」

「全く逆、こじらせて結婚しない方が問題。それ逆に改の人達に怒られるから。ただ後継者と宣言するまでは無いだろうね、なるべく辞めてね…」

「例えばの話です」


 僕は妖怪退治をはりきっていた。心象良くしようとしてるなって自分で思えてくる。だが気持ちの問題だと思ってたら実際これが役にたった、あれ見た事が無い妖怪が現れてないか?そしてそれが微妙に強い。最近は楽勝になってたけど、この異変はちょっと怖かった。おかげで改の一族と妖怪退治をする事にもやもやした気持ちを持っていたのが吹っ飛んだ。


「神主さん」

「何張り切っちゃった?」

「なんで分かるんですか?」

「私もね若い頃ね。種馬から馬車馬かー」

「やめてくださいよたちが悪い下ネタです。で違うんですよ」

「何?」

「もう数ヶ月出てなかった新しい妖怪が出たんですよ。異変だから神主さんにすぐに知らせようと」

「ついに来たか」

「??知ってたみたいじゃないですか」

「いつか?は分からないけどそうなるね予想してた」

「教えてください」

「段階を踏む必要がある。1段階目はそれは祐一の妖術のレベルが上がったから浮く術の譲渡があっただろ?あれで予想してた」

「じゃ僕が原因ですか?」

「悪い風に受け止めなくて良いと思うよ。知ってて薦めたのは私なんだから。転生者の妖術のレベルアップと妖怪のレベルアップはセットになってて、もう一つ転生者が譲渡を超える妖術が使えるようになり、それを元にした町の発展もセットという事なんだよ」

「じゃ町の発展を諦めれば妖怪のレベルは低いままなんですね?」

「そうなる」

「諦めたほうが良いんじゃ無いですか?」

「それは町の人間が望まない。ただそれは全てを知ってない」

「じゃ伝えれば良いんじゃ無いですか?」

「どのみち妖怪は出るんだよ。些細な差なんだよ。多分妖怪が一切出なければ祐一の言ってる事は正論だ。出るなら些細な差を犠牲にしても発展すべきだと私の経験から言ってる」

「今経験の少ない僕が言うべきじゃないかもしれませんね」

「じゃ2段目にいくよ。妖怪は過去出なかったんだよ。だから初代がすべての原因なんだよ」


「なんですかそれ」

「初代の擁護させて欲しい。昔はモンスターに妖術を使っていたんだよ。妖怪が現れたからモンスターがこの辺りでは減ったのがそれが今では分からない理由になる。初代別に悪くないだろ?」

「そうかもしれませんね。それでもマスマス、モンスターと妖怪は似た存在じゃないのか?の話しに関わってますね」

「根本的に転生者の仕組みや魔法モンスターなどの仕組みって全く分からない。だから考えるのをやめてしまった部分がある。そして魔法の世界に転生者は居ない」

「いやいやその発想おかしいですよ。初代の頃ってまさに魔法の世界に転生者がいるじゃないですか?今でもそうですが、この町って魔法の世界の町のひとつでしょ?」

「確かに点在してるね。魔法の世界に転生者が居ないのは当たり前か。私達がまさにそれなのか。その発想は無かった」

「以前から外の世界を調査しててあまりに似てるからおかしいとは思っていました。言葉には出来ませんが、何か魔法世界と転生者の町は密接に繋がってるんでしょうね」

「後ね私しか知らない過去の事だけど、改の一族を生き返らせたから妖怪が出た可能性がある。妖術のレベルが上がったというのがややこしい。この業を使ったからレベルが合ったのかもしれない。そのあたり言葉を濁してる。代々引き継ぎでこれを伝えてきたから初代が言葉を濁した可能性がある。彼ら上の人は知ってるのかもしれない。私はそれを聞けないんだよ」

「町の人達に対する償いって事ですか?」

「あるかもしれないね。聞かないけどね。祐一も聞けないでしょ?」

「どんどん彼らと深い繋がりになってますからね」

「私もその時期だったな。そっちじゃない?」

「だからそれやめましょうって」

「だから軽く受け止めないと駄目だって言ってるんだよ。それが彼らを気軽にするんだから。ちなみに私が妖術のレベルアップしたらその時また妖怪のレベル上がったよ」

「じゃ分かってるじゃないですか」

「空気軽くしようと思ってね…」


 気軽にと言いつつ、彼らは僕を求めた。別に他の町の人でも良いじゃないか?と思う。どこかで妖怪退治のメンバーでグループを作ってる。内なのに外。僕はかなり都合が良いんだろうな。血を薄くするだけなら良いのだが、実際は何か違うんだよな。血は薄くなるが結束は濃くなる。矛盾の解消として僕は都合が良いんだろうな。親の言いつけに無理矢理従わされてるなら僕だって断った。それが違うんだよな。どこか進んで運命を受け入れてる。多分町から出られないことだと思う。女の子も退治に参加してる。それは男女の差なんて不死身の戦士の前には小さな差だから。神主さんは本当に気軽なんだろうな。多分それは改の人達も同じだと思う。町に対する一心同体の親和性が僕とはちょっとずれるんだよな。もう後戻りするつもりは無い。でもモチベーションが下がってしまった。これをモチベーションに出来た神主さんの若い頃と僕はまだ違うようだ。少し行き詰まりを感じていた。


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