町と娯楽
今僕はあまり譲渡された妖術を使ってない。随分妖術を使うのが上手くなっていたのでイメージによる妖術操作の訓練をしていた。それでも僕は十分強かった。なるほど僕がこれに関しては桁違いだと言うのが良く分かった。僕はまだひよっこだと譲渡された妖術と較べて分かるから。番屋は僕が見習いになった時世代交代の時期らしくて洋介も以前より強くなっていた。元々剣術は強かった。今は妖術が伸びている。これは僕も分かる。これは伸び方が体を使ったものと違う。果てが無い。ただ馬鹿みたいな威力のアル妖術とかじゃない。そういったものは基本譲渡したものでしか使えない。例えば火の玉を作って、これを分散させて散弾銃のようにも出来た。こういったものも上達がかぎになる。最初は皆そのままぶつけることしか出来ないし、分散させるような大きな玉を作れない。徐々にこの凄さが分かってきたが、僕らは基本武器は刀になる。しかし妖術は極めていけば銃に近くなる。これは戦闘においてすごく大きい。僕は最初から爆弾を銃で飛ばすようなことをしてたので有難さが分かってなかったようだ。間の段階が出来るとこれはすごいじゃないか?と分かってきた。最初から僕は刀による戦闘は話しにならないほど譲渡された妖術に較べて差があるものだった。妖術と刀の攻撃に対する本質的違いが分かってきた。これによって僕は以前は欲しかった浮く妖術の譲渡が出来た。
「神主さん聞こうと思ったのですが、譲渡されると神主さんからは消えるのですか?」
「いや消えないよ不便でしょ」
「じゃそれ複製じゃないですか」
「最終的に僕が丸ごと消えるから譲渡なんだよ。それにさ治水って私ここで何をするの?」
大規模な治水工事が無いので基本土木術の専門家に任せて参加してなかった。以前ちょっと試してみたけど僕の場合はそういうものじゃない。もっと何か大雑把なものだった。基本的な事は任せておいてよかった。確かに神主さん残っても術によっては使えないな。
「ついに浮く術譲渡できたんだね」
「消えて無いのに分かるのですか?」
「なんとなくね感覚的だよ。今話し出て、多分あれか?と思ったから」
「譲渡前からもう出来てました。訓練にならないから戦闘でも術でも使って無いです。譲渡の目的ってこれイメージのための手本ですね」
「もちろん一番には即戦力のためだよ。祐一が術の強化に出遅れたから邪魔をする部分ばかり意識してるからだよ。ただ優れた妖術の手本の意味はあるね。でどうなの?」
「闘技場ですか。闘技場はいつか作るつもりですが、その前にやる事があると思います。僕はね町の人が娯楽を楽しむ。これを土台にして娯楽の町にしたいんですよ。闘技場はその点外から来た人のための施設です。外貨獲得の最初に出たアイデアですからね。本屋はスケールダウンしただけです。でも違ったんですよ。町の人がまず楽しむ娯楽が土台になってるんですよ。質の違いに気が付いて先にやるならそれだろ?って思ったから方針転換しました」
「面白いよ。祐一に一端外貨獲得ブレーキかけるとき気を使ったんだよ。萎縮するんじゃないかな?と思ってね。全く違う方向で祐一らしさ失ってない。普通の人とか言ってしまったけど、祐一結構凄いかも。歴代の人とは違うって意味だったけど、それでも想定内だったんだよ。今良い意味で予想外すぎる」
「藍は青より青しですか」
「これ繰り返したらね。祐一は平気で暴走脱線みたいな事するからね」
「そうですか」
「ご褒美ってことでさ、改の人達からさ祐一の種をもらえないか?なんて話し出てる」
「なんですかそれ」
「やっぱ驚くよね。結婚とかじゃない。うちの娘を妊娠させてくれときてる」
「親から?」
「そういう無理矢理じゃなくて娘からも同意得ているらしい」
「なんで結婚じゃないのですか?」
「複数来てるから…」
「ちょっとこれ神主さんの意見ください」
「何嫌なの?女の子嫌い?」
「好きですよ。でも」
「じゃ事情話してあげるよ」
「やっぱり特殊な事情があるんじゃ無いですか」
「だってご褒美で話したらどう反応するか?で祐一の性格のチェックもかねて。即答だったら私ちょっと困ったかな…」
「先に言ってくださいよ」
「実際はこれ難しい話なんだ。改の人達って親戚どおしが多いって分かるよね?町の人と子供作らないようにしてるから」
「結婚じゃないなら良いじゃないですか」
「そう?自分の子供結婚せずに要るんだよ?次に結婚したら奥さん嫌じゃない?」
「それ何故僕なら良いんですか?」
「君生まれが余所者だからね。なおかつ私が大事にしてると皆が分かってるからね。今ははっきり言って無いけど、いずれは私の後継者だと宣言しなくても分かると思う。今回それを気が付いてじゃない。そうじゃなくても余所者に私が目をかけてるってのが重要なんだよ。改の人達が町の人達に対して差別的にならないようにとしててまあそれは無い。でもさやっぱ改の一族自身が線を引いてる部分がある。その線の君って内側なんだよ。近親相姦よりはマシだと理解してよ」
「重いですね」
「私や祐一より彼らの方がこの町とすごしてきた歴史が長いからね。だから軽い気持と重い気持両方でやってきなよ」
「人事だと思って」
「そう思ってる?」
「どういう事ですか?」
「私の子供改の一族にいるんだよね…」
「すごい衝撃受けてます」
「だから軽い気持も持ちなよ。思春期の男の子でしょ?」
「そうですけど…」




