目覚め
「目覚めよ」
返事が無い。
「おいおい起きろーーー」
何度も起こされて僕は起きた。
「あなた誰ですか?」
僕は神主のような服装をした男性に起こされた。
「お主は死んでこの世界の住人として生まれ変わった。ただしおぬしに両親は居ない」
「ええ??どういう意味ですか」
「ここ重要だから覚えておいて。私の仕事は命をつかさどるシステムの案内人と言った事になる。おぬしの命は別の世界にあったからそれを使って新しく住人にしたから転移じゃなくて転生者になる」
「その2つの違いって何か大きいのですか?」
「名前は?」
「田所祐一です」
「祐一の前世の記憶は多分あんまりはっきりしてないだろう。それでも自分が前の人間と別人だと分かると思う」
そういって鏡に僕の姿を神主さんは写した。
「ああ、誰これ?しかも若い」
「だろだろ?」
「でも僕が若返ったんじゃないのですか?」
「わしゃしらんが祐一若い頃そんな顔だったのか?」
「いえ違います」
「だから転生なんだよ」
(気になるわ、所々このおっさん現代風と古風な話方が混じるよな…)
「飲み込めないかもしれないが、祐一が転生したのはある程度意味がある。前世で人生に未練があると言う人間を連れてくることが多い。それは分かりやすく言うと祐一は転生したかったと言えるんだよ。そう考えると納得できるんじゃないか?」
「そう言われると」
(肯定は出来ないが、否定も出来ないな…)
「そこでだ、すぐにでも妖怪退治をして欲しい。何故僕がそんな事をするの?と考えただろ?」
「ええまあ」
「だから私の様な存在が必要となる。私もそうだったから。私も転生者だったんだよ。あのね経験者としてこの最初の話し合いって正直無駄なんだよね…。経験して無い人間にとっては無駄じゃないんだよ。これが難しい私はこのやり取り面倒…。随分前の記憶を元に私も最初の頃こんなんだったなと言う感じで祐一を見てる。前の転生者が次の転生者が同時に居る理由ってのは転生者の引継ぎにある。驚かないでね。実はもう私死んでるんだよ。私幻なんだよ。霊?あれにすごく近い。君への引き継ぎ終えたらそのうち消える。そうしないと上手く回っていかないから。このシステムの根幹は私がどうこうしてるわけじゃない。私はあくまで次の転生者への引継ぎをするだけの役割だから」
(矢継ぎ早に詰め込まないデーと思いつつも、とりあえず聞いてからにするかとそれを素直に言えずに居た)
「やりたく無いと言う拒否権は無いわけですか?」
「じゃ折角生まれたのに死ぬ?ちなみにそうなったら君が次の転生者が来たら案内人だよ」
「何も分からないのに無理ですよ」
「いやー私もねこれが欠陥だと思ってるんだよ。でもさそういうの誰に文句言えば言いと思う?前任者の人もう消えてしまったんだよ。これ改善したほうがいいんじゃない?とは私も思ってるよ。私がね君の命どうこうは出来ない。ただ命をどうするか?がこのシステムの根幹にあるから多分君死んだことにして引き継ぎ強引に進めると思う。これ私も不思議になって前任者の人に聞いたことだから実際どうなるか?知らないよ。歴代の転生者でそういう問題発生したのかな?それは分からない。発生してるかもしれないね。その時苦い経験をこうやって今に伝えてくれてるのかもね。でどうする?とりあえずやってみようよ。面白いから」
「例えばそれで死んだらどうなるんですか?」
「まさにそれはもう知ってるんだよね。歴代の中で皆無だけど、居るのよ。速攻引継ぎの霊になって次の転生者が来るまで待機。町のシステムは良く分からないけど私らと関係なく動くから問題ない。自分の役目って引きつきだけでただの霊だもん。私が先代とずっと話してから良く分かってるから。だからどうせ死ぬならやってみようよ?って話しなんだよ。どうワクワクしてきたでしょ?」
「いやーそれは無いですが、とりあえずって気持はわいて来ました」
「良いね君日本人状況に流されやすい」
「褒めて無いでしょそれ」