7、準備をしましょう
お待たせいたしました。
7、準備をしましょう
ブライトの後についてやってきたのは多くの店が立ち並ぶ通りだった。
沢山の人で賑わっていてどの人も背が高い。
ちょっと威圧感がすごいです。
後退りしそうな私の様子にブライトは肩に手を置いて先へと促す。
「行こうまずは防具だ」
「うん」
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私の目の前にはいかにも人を殺しましたって感じの厳つい髭面のおじさん。
「おう!ブライト久しぶりだな今日はどうしたんだい」
「あぁファイス、今日はヒカルの防具を頼みたい」
ブライトは平然とおじさんと話してる。
「ん?ヒカル?」
「こいつだ、ほら」
ブライトの背後に隠れていた私はおじさんの前に出されてちょっと焦った。
「ぇ、あ、ヒカルです」
とりあえず名前だけは名乗っておいた。
「ずいぶんちっちぇ坊主だな。新人の傭兵か?お前が面倒みるなんて珍しいな」
おじさんがニッと笑って言う。
「まぁ、な」
へぇ、そうなんだ。そういえばブライトのこと何も知らないなぁ。
聞いたら教えてくれるかな?
「で、どんな防具を求めてるんだ?坊主は小さいから重装備ではないよな」
むぅん、戦うための道具ですか・・・前は戦いとは無縁の生活をしていたので、何も思い浮かばないです。
「ここに来たばかりでわからないです」
こんな世界で何が必要なのかも一つもわからない。
・・・何も、知らない。
「もしかして坊主狭間人か?」
おじさんが少し目を見開いて聞いた。
「はい、落ちてすぐにブライトに助けられました」
「ほう、それは良かったな。こいつはこんなナリだがいい奴だ。にしても災難だったなまだ小せえのによ」
いいかげん私でもカチンッときます。
「小さいって言いますけど、私は21です!」
きっと下から睨むとおじさんはびっくりしたように目を開いた。
「21!?・・・それはすまねぇな」
「分かってくれたならいいです」
申し訳なさそうにおじさんが頬をかいて謝ったあと、私に手を伸ばしてきた。
「詫びといっちゃなんだが、特別に俺が坊主の装備を選んでやるよ」
「それは良い、いい奴を頼む」
ブライトがうんうんと、頷いているが私はそれどころじゃないです。
な、なんでこっちに手を?!
おじさんが凶悪な笑顔で大きな手を目の前に出してくると怖い。
思わず逃げようとするが、すでに遅くガシッと頭を鷲掴みにされる。
「ひっ!」
「そうビビるなよ坊主、ちと調べるだけだ」
確かにただ掴まれているだけだったのでじっとしていることにしました。震えているのはご愛嬌てことで。
ありがとうございます。