2、まずは寝ましょう
短いです。
すみません
2、まずは寝ましょう
「つ、着いたぁ」
あれから4時間後、月が昇りきる前になんとか街の入り口まで辿り着いた私は頑張ったと思う。
運動はしていてもあんな長距離を歩いたことなんて無い。
足が棒のようになるとはこのことかとわかってしまった。
何よりもブライトの早足は凄く早い。前半歩き出したブライトを駆け足で追いかけていると、途中で気付いたブライトが私に合わせてくれたから助かった。フルマラソン完走するかと思った。…足の長さなんて関係ない…私は断じて短足なんかじゃない!
疲れてゼーハーしてる私を見兼ねてブライトがおんぶしようかと聞いてきたが、断った。
だって初対面から一日も経ってないのにくっつくとか…ねぇ?
それもすぐに後悔したけどね、甘えとけば良かったわー
「大丈夫か?」
へたり込んでいる私を心配そうに見下ろしてくるブライトに一切疲れている様子は見えない。
う、羨ましいぞこのぉー
「…もう動けないー」
ほんとに無理です足痛い。
宿に行かないといけないのは分かるけど、立とうとしても一度気を抜いてしまった足が震えてヤバイ。力が入らない。
「…はぁ、仕方ない」
上から溜息が聞こえたと思ったら、いきなり体が浮いた。
「うわっな、なに?!」
そのままブライトの肩に担がれて、歩きだす。
「動けないのだろう」
「そ、そうだけど」
「なら、大人しくしてろ運んでやる」
「…お願いします」
動けないのは事実なので、私は借りてきた猫のように大人しくしているしかなかった。
ブライトは宿に着くと受付をしているときも私を担いだままで、周りからの生暖かい視線が痛かった。み、見ないでぇー
下ろして欲しいと言ってもまた担ぐのが面倒くさいの一言で運んでもらっている側としては引き下がるしかない。
部屋の空きが一つしかなくブライトと同じ部屋になったが、文句はない。だってお金は全部出してもらっているのだから。
部屋にはお風呂も付いていて、だいぶ高い部屋らしい。
部屋の内装や受付で払っていた前払いの金貨の数からしてもわかる。
「飯は?風呂には入るか?」
ご飯も食べてないし、お風呂にも入ってなかったけど正直言って今はまず寝たい。
部屋に入ってベッドに降ろされた途端に眠気が襲ってきてそろそろ瞼が完全に閉じようとしている。
「いいー明日はいるー…ごめ、も、ねむ、い」
「そうか、ならもう寝ろ」
ブライトに促されて布団に入るともうダメだった。
急速に意識が遠のいていき、頭を撫でる手が暖かいなぁと思った。
「ーーーーよ」
ブライトが何か言っているなぁと聞きかえそうと口を開くが音はひとつも出なかった。
ありがとうございました。
ではでは