世界が変わった日
この小説には、何番煎じだよって言う世界観及び展開があります
それでも、構わないよという方はどうか見ていただければ幸いでございます
「では、柊木さん教科書の3ページの頭から6ページの最後まで朗読してください」
担任の男性教師が適当な女生徒に朗読を頼み授業はとても平坦かつ退屈に進んでいく
冬だと言うのに真夏の様な直射日光が降り注いでいるためにクラス全員暑い暑いとぼやき外の日光が極力入らないようにカーテンを締め切っている
2012年12月21日、世間では『マヤの予言』だとか何だとかで今日が実は世界滅亡の日らしい、休み時間では時折男子生徒が地球の滅亡を冗談混じりにワハハと笑っている
だが、俺を含めて全員気付いている
『人類なんて滅びっこ無いって』
どうにも、マヤの予言がそこで途絶えた事からそう言われているらしいが
そんな事は無いだろう
マヤの人だって同じ人間である、大方そこまで計算しているうちに
「飽きた!」
とでも思ったのだろう
担任の男性教師はあいも変わらず退屈な授業を続けている
こうして人類は何の問題もなく2012年12月22日を迎える事だろう
と、窓に注意を向けると僅かだが確かに雨音が聞こえた
今日、家を出る時には今日の降水確率は0%だったはずだが珍しく天気予報は外れたらしい
40人程居るこのクラスも次第に強まる雨の音に大半が気付いたらしく窓の方を見やった
次第に強くなる雨足果ては季節はずれの雷すら鳴る始末だった
何人かの女子生徒がその音に驚いたらしく素っ頓狂な声を上げた
「(はぁ、傘なんて持ってきてねぇぞ、おい・・・)」
そう心の中で思いながらカーテンへと手を伸ばしゆっくりと開く
そこは、予想通りの大雨だった
地面には早くも水溜りができ、見上げれば大粒の雨が幾つも地面へと落下していた
これは、帰りが大変そうだな、と思えたのはただの一瞬だった
視界を覆い尽くすウロコ、真っ白でそこいらの乗用車程の大きさがある牙の様な巨岩、山の様な巨体、それを支える羽、そして――
彼方を見据える赤くギラつく双眸
僕らの日常はこの日を境に、唐突にそして、破滅的に変わり
そして、時代は現代から神話の世界にまで逆行した