第十四話 異常な目覚め
アシュラの手の指先がルミーの額に触れるか触れないかのところで
ルミーはぱっと目を開けた!!
「!?」
アシュラは思わず手を引っ込める。
ルミーはガバッと上半身を起こした。
「・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ」
上半身を起こしたルミーは息を乱していた。
顔は青ざめて汗もどっと噴き出していた。
「!!」
アシュラは突然のことで言葉を失った。
「っ・・!!」
ルミーは顔を歪め、手で目をおさえる。
おそらくめまいがしたんだろう。
アシュラはルミーの背中を支える。
「無理はーー」
「ここ・・・は・・??」
アシュラの声をさえぎりルミーが聞く。
っ・・!!このやろーっ!!
俺様がせっかくせっかく心配してやってんの二なんだその態度はッ!!
アシュラはそういいたいのをぐっとこらえ
「オ、オマエの部屋だっっ~~」
と、言う。
だが、声は怒りで震えていた。
「ほ、ほんとにつれてきたんだ・・・」
ルミーは心底信用なさげに言った。
ルミーがいつもどおりならそれに対して何か言うであろうが今回はスルーだった。
「~~--。」
今の言葉でアシュラの怒りは落ち込みに変わった。
・・まだ信用してはくれないのか・・・(しゅん・・とする)
アシュラはそう呟きそうになるのをこらえた。
「・・・」
「・・・」
何故か二人には気まずい雰囲気が・・。
アシュラはじーっとルミーを見つめる。
だが、ルミーはボォーっとしていて気づかない。
頬が赤い。
おそらく熱が出始めたのだろう。
ルミーの瞳も虚ろでしっかり見えているのか多少気になった。
「ねぇ・・」
「おまえ・・・」
二人の声が同時に響く。
「!!」
「!?」
そして二人同時に驚く。
「なっ、・・なんだ?」
アシュラは動揺を抑えながら聞く。・・抑えられてはいなかったが。
「そっち・・こそ・・なに?」
ルミーも負けじと言い返す。だが、表情は辛そうだ。
「オマエこそ・・・何か言いたいんじゃないのか?」
アシュラはききかえす。
こうなるとお互い意地の張り合いだ。
アシュラはプライドが高いから自分から折れない。
ルミーも人に譲りだすと最後まで引かない。
こうなるといっこうに話が進まないのは目に見えている。
「そっちからいいなよ・・」
「オマエからだ、早く言え」
と言うようなレベルの低い攻防が・・。
それが何度か続くとルミーのほうに限界が訪れた。
「くっっーー」
ルミーの顔は見る見る真っ青になり、体がふらついた。
「オイッ!」
慌ててアシュラは抱きとめる。
アシュラの手がルミーの体に触れたーー。
なっ・・!?・・あっ熱いっ・・!!
アシュラは目を見開いた。
「っーー。ハ・・ァ・・ハァ・・っ」
ルミーは息を乱し、何かをこらえるように身を固める。
「オマエーーー!?」
アシュラは言いかけようとして言葉を飲み込んだ。
ボヤー~~
と、ルミーの首筋から、腕から奇妙な光が溢れ出したのだ!!
すると、
「っーー!!?」
と、うめき、ルミーは耳を何故かふさいだ。
「!!?」
アシュラはわけが分からぬまま、ただルミーを見つめることしかできなかった。