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第十二話 頭の回転の速さ=冷静さ?

アシュラは異空間を渡ってルミーのいた城の門へと降り立った。


腕の中にいるルミーと門を交互に見つめてアシュラは立ちすくむ。


・・んー、どうしたものか・・・


アシュラは考える。


ここで誰かを呼ぶのはおそらく簡単だが

俺を見れば大抵の奴らが逃げるか攻撃するかのどちらかなのは目に見えている。


それにどの臣下もルミーは信用してなさそうだしな・・・


アシュラは悩んでいた。


そこへアシュラの神気に気づいてか、すぐさま門に駆けつけてきた人物がいた。


「あいつは・・・」


アシュラは駆けてくる人物の姿を見て思い出す。


・・剣を鞘ごともっていった奴だな・・


と、思い出し、相手が来るまで待った。


「神気に気づいてきてみれば・・・封印されていたはずのアシュラが・・・なぜ・・」


相手はアシュラの名を口にする。


その相手とはゼンだった。


ゼンはルミーに頼まれ剣を持ち出した人物であった。


「ほぉぉ。貴様は俺様が分かるのか。

確かに封印されていたがな。

いや、それより、こいつのほうをーー」


「ルミー!?何故気が半減しているっ!?

いや、それよりも治療が先決だ!!」


「ーー!!」


アシュラはゼンの言葉に圧倒された。


俺様の言葉をさえぎりやがって・・・


そういう怒りもあったが何より、

ゼンの頭の回転の速さにアシュラは驚き怒りは収まった。



「アシュラ、悪いがルミーを運んでくれないか?

ルミーがアシュラの腕の中にいるって事はルミーはアシュラを信用したんだろ?

俺は医者を呼ぶから・・ルミーの部屋は分かるよな?」


ゼンは早口にそう言う。


ルミーは俺様を信用したわけではないが・・・まぁいい。


ゼンは心の中で戸惑い、だがそれも一瞬のこと、すぐに


「あぁ」


と、アシュラはゼンの言葉に頷いた。


「じゃあ、頼む。」


ゼンはそう言って足早く去っていった。


アシュラはすぐに浮上しルミーの寝室へと移動した。


ヒュッ


魔族の力があればすぐに光と同じ速さで行くことは可能、すぐに着いた。


アシュラは魔力で寝室の扉を開ける。


寝室の中は大きなベットとクローゼットが一つずつあるだけのシンプルな部屋だった。


アシュラはルミーをベットに横たわらせた。


そして寝苦しくないようにマントを取り外す。


アシュラはルミーの荷物をベットの傍に置いた。


「・・・・」


アシュラはゼンと医者が来るまでの間ルミーを見つめていた。


寝顔は無防備で可愛らしいが顔色が悪い。


傷が進行してきているのが分かる。


ガタン!!


扉の開ける大きな音がした。


アシュラは振り向く。


医者はアシュラを見て目を見開いた。


そんな医者を見てゼンは


「ハル、アシュラのことは後だ!ルミーを早く!」


と、叫ぶ。


「は、はい!」


医者・・ハルと呼ばれた者はすぐさまルミーの元へ駆け寄った。


アシュラは一歩身を引いた。


ハルはルミーの診察をし始めた。


「ハルは女の医術師だ。

ハルなら問題はないはずだ。

男の医術師も惨敗だからな。だが・・・」


ゼンはそう誇らしげに言うが、最後は自信なさげなくぐもった声をだした。


「・・・」


アシュラはそれに対してゼンの言いたいことを察した。


それを察しアシュラは何も言わなかった。


「ルミー様は吸血鬼に噛まれましたね、上級の。

これは非常に危ないっ。

すぐに治療いたしますが、噛まれた箇所は二箇所あります。

ルミー様自身治療は可能なはずですが・・。

いや、それよりも後々熱が出ると思います。

私の力をもってしても最小限に食い止めるのが限度です。

魔法薬をおつくりしなければ・・。

とりあえず治療をします」


ハルは早口で要約して述べる。


すると、アシュラやゼンの言葉を待たずして呪文を唱え始めた。


それに圧倒されてアシュラとゼンはただ黙って見守るしかできなかった。


ハルの手がルミーの首筋にかざされる。


すると淡い白い光が溢れ始める。


しばらくその状態が続いた。


そしてしばらくするとハルの呼吸が荒くなった。


ゼンが


「大丈夫か?」


と、ハルに聞く。


「は・・はい。

・・もう少し頑張りますので・・・」


ハルは肩で呼吸をしながら言う。


アシュラは眉をひそめた。


ここは力で支配された国だ。信頼されて築いた王と民ではないはずだ。


なのに・・どうして治療することを諦めない?


嫌々従っている者が重症だったらいいように手を抜いて次期王を待てばいいのに・・。


アシュラは思う。


この者はルミーを少なからず敬っているのだろうか?


ルミーはけして人を頼ろうとはしないのに。


心を開こうとはしないのに。


と。


ハルはその後腕の傷も治療した。


だが、どちらも完治まではいかない。


その証拠にルミーの顔色はますます悪くなり呼吸は浅くなりつつある。


「っ・・。

ルミーさま・・は、熱で・・意識がありません。

薬を渡すので・・水に溶かして・・飲ませてください。

氷とタオ・・ルを・・用意・・して・・く・・ださい。」


ハルは途切れ途切れに言い、薬をゼンに渡した。


「あぁ、わかった。ありがとう、ハル。」


ゼンはそれを受け取りハルに手をかざした。


するとハルは魔力で一瞬包み込まれた。


「あ・・ありがとうございますっ、ゼン様。

おかげで回復いたしました。

あ、ルミー様の傷・・吸血鬼の牙のことですが私も詳しくは知りません。

ただ、私のような医術師ではどうにもならないことが・・。」


ハルは最後、戸惑うような声で言った。


「・・。それは?」


ゼンは眉をひそめて聞く。


アシュラも眉をひそめて聞き入る。




途中になりました。

すみません。

あ、誤字脱字あったら報告ください。


あと、感想、評価お待ちしてます!!

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