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ギルドの一悶着

ギルドに入ると視線が突き刺さる。

主に、マント姿な俺に。

得体の知れない奴の方が気になるよな。


「いらっしゃいませ。ギルドカードの提示をお願いします」

ギルドカードと言う名のタグを引き出すと職員が固まる。

理由は俺のタグの色。

冒険者ギルドのタグはランクによって色が変わる。


駆け出しは黄色(F)

次は黄緑(E)

試験に受かれば緑(D)

青(C)になれば一人前

紫(B)そこそこ強いよな

赤(A)ならまあ威張れるだろ

銀(AA)名前に二つ名とかつけられる

白(AAA)羨望の眼差しで見られ名が知られる。

そして一騎当千な化け物的強さな為に全力で距離を取られる。黒(SS)


もちろん俺のは黒である。フフン!

カウンターを指先でトントン叩いて職員の意識を戻す。

「さっさと買い取りしてくんねー?」

「!!は、はい!!」

「んなデケー声ださなくていーし。コレ、入ってんの全部だから見積もり出して。あと、コイツの冒険者登録。」


戦利品入れ様のマジックバッグを買い取り係に渡して、窓口係にヴォルフの登録を頼む。情報登録して終わりだからな。黄色いタグを不思議そうに見つめるヴォルフを伴い食堂になってるスペースに向かう。

どーせ待たされるから食事するか。

「主」

ヴォルフが奥の椅子を引く。

宿屋の食堂で見た真似か。

っかこいつ、あの発言といい俺に対してなんかしたい、欲求強くね?あの下品なヤツには言われなきゃなんもやらねー感半端なかったし元々そうじゃないよな。

飯の恩か?

反対側に座ると申し訳程度に置いてあるメニューを差し出してくる。

奴隷っうより従僕みてーだな、格好イカツイけど。

せっかく渡してくれたからメニューにサッと目を通す。

目ぼしい物なし。

定食にする。

運ばれて来たのはスープにパンに焼いた肉。

食べ始めるとヴォルフだけじゃなく周りの視線が刺さる。

いつも思うがなんなんだ?

「主は、食べるのも、綺麗」

ぽつりともたらされた返答に、ああ、と納得する。

全てを一口サイズで口に運ぶ俺と齧り付く周りの違いだ。

今も俺はスープには持参のスプーンを、肉には持参のナイフとフォークを使ってる。普通はスープは直飲み、肉は熱いから付属の爪楊枝みたいなの、冷めてるなら手掴みで食べる訳だ。しかも、食べた指先を舐める。

汚い!洗えよ!

絶対握手したくない。

ヴォルフにもカトラリー用意しよ。

かぶりつくの似合ってるけどさ。

食事を終えたから、お茶を飲む。

湯のみみたいなカップは飲みにくいから持参のティーカップだ。

「あーん?おいおい?いつからここは茶店になったんだあ?」

周りに聞かすようなうるさいダミ声が近づいてくる。

「のんきに茶ぁ飲みたきゃ他所行けよ!ああん?」

面倒くさいなぁ見積もりまだかなぁと思いカウンターを見るがまだらしい。

カウンターを見たのを見て男は鼻を鳴らす。助けを求めたとでも思ったか。

ヴォルフが睨むと「ああ?んだぁニーチャン?俺様が赤のアルメキ様だってわかって言ってんのか!?」と凄む。

「赤程度で威張るとか、雑魚ぇ」

ボソリとため息まじりに呟いたら「んだと、ゴラァ!俺様をバカにしやがって!!」と拳を向けて来た。

避けて頭を掴んで床に叩き伏せる。

気絶させたからこれで静かになるな。

「ヴォルフ。悪いけど表に捨てて来て?」ヴォルフは嬉々として男の足を掴んで引きずり、ドアを開けてポイと放り捨てた。

戻って来たヴォルフに褒める意味で微笑めば、尻尾が振られてそうな位嬉しそうな雰囲気を醸し出した。

うん、イイ子イイ子。



「おい!あの赤のアルメキが一瞬だぞ!」

「ザマァ!」

「なあ。動いたの見えたか?」

「いや、気付いたら床に叩き伏せてた」

「にしても、あの人、やけに食べ方綺麗だよな」

「貴族じゃねー?」

「ばーか。貴族が冒険者に成れる訳ねーよ!」

「でも、あの横のヤツ従僕みてーじゃん」

「奴隷じゃねーの?首輪してね?」

「ありゃ、首輪じゃなくて飾りだろ」

「石んとこに魔法文字刻まれてる。ありゃ魔法のアイテムだ!」

「マジか!?なあ、お前鑑定持ちだろ?見てくれよ」

「ああ…。…ぅげぇっ!?」

「!?どーした!」

「おいおいおい!アレ、あの、レギンレオムの!レギンレオムの巌窟のボス討伐アイテムだ!!」

「は?レギンレオムって…未だ50階層までしか到達者のいない、難攻不落と言われた、あのレギンレオムか!?」

「ちょっ!レギンレオム攻略されたなんて聞いてねーぞ」


バタン!

「た、たたた、大変だあ!レギンレオムがついに攻略されたぞー!!しかもソロにだ!」

「なにぃー!?」


「…マジかよ」

「ソロ?あれ?あのにーちゃんは?」

「従僕ポイから待機してたんじゃね?」

「マントさんすげーんだなぁ」

「どんな人なんだろな」

「小柄だよな」

「聞いてみる!」

「ハ?ちょ、アン!」



「ねえ?あなたに、聞きたいことがあるの!」

見積もりを待ってたら子どもっぽい声がした。

顔を向けたら

「連れの人の首の、レギンレオムのだよね?」

8歳位の栗毛の少女がいた

「お前、鑑定持ちか」

「ちがう。でも仲間にいる」

「ふぅん。んー、暇だしいっか。レギンレオムについて聞きてーヤツー!」

一気に周りがざわついてテーブル周りに人が集まる。

「ん、で?何聞きてーの?」

「ボス、どんなやつ?」

「アー、真っ白なアラクネ。皮膚がすんげー硬くて普通の剣だとすぐ折れやがった」

「攻撃方法は?」

・・・


「後は?」

「あなたの、お顔がみたい」

少女の発言に周りの空気が固まる

「あ、アン!失礼だろ」

慌てる戦士は仲間かな

「や、別にいーけど?」

ぱさりとフードを外して少女を向く

少女の目が限界まで広がり、キラキラと輝きだした。

「すごく、キレイ」

周りの奴らも釘付けである。


まあ、俺の容姿は異質だからな。


周りの反応無視してカウンターを見る。

職員も顔真っ赤にして口をパクパク。

金魚みてー。

「終わった?」

「!あっ、は、はい!」

内容を確認。

ドロップアイテムは三割増しか、なら文句ないな。

「ン、これでイー」

「!か、畏まりました!振り込ませていただきます!…はい、終了致しました。またのご利用をお待ちしております」

「ン、ヴォルフ!行くぞ。」

「ハイ!主!!」


さて、やることやったし旅支度するか。

「ヴォルフ?獲物何がいー?剣?アックス?槍?」

希望があるなら相応しいのを買ってやろう。

「…分からない」

「ん?なんも経験ネーの?」

「ない。いつも、手」

「ふーん。なら色々試してみるか」

いくつかの武器を買って、ヴォルフ用の旅装を整えて食料を確保してさっさと旅立つ。




街から大分離れたからフードを外す。

風が気持ちいな。

「主はキレイだから、大変。」

「ン?」

「いろんな奴、くる。」

「ああ、そーだな。」

「…オレ、いて、いい?」

「?お前はオレのもんだろ?」

「!ハイ!!」

「…嬉しそーに返事してんなよ。ハァ…」

「主?疲れた?運ぶ?」

「いらねーよ!お前に抱えらたらマジ人形じゃねーか!」

「人形?」

「ああ、俺の渾名。人形姫なんだよ。

見た目が人形みたいてのと、魔法生物操るのとでな。」

「主は人形ちがう。綺麗だけど、キラキラ。」

「…。あー、お前さぁ、俺に欲情する質?」

「よく?」

「ヤリたい犯したい「!?し、しない!主、大事!」…んー?じゃあそーゆー命令したら?」

「…。命令、されたら、頑張る。けど、大事しないのはダメ!」

「…ン。お前なら連れてってやるよ」

「!ホント!?」

「ああ。ちゃあんと、言う事聞くんだぞ?」

「ハイ!!」

「じゃ、とりあえずお前の戦闘訓練だな。」



ヴォルフは身体もデカイし、力があるから肉弾戦向きだった。肉体強化を一通りレクチャーしたら、パンチでゴブリンを勢い余って四散させやがった。

「スゲー怪力だな、筋痛めてねぇか?」

「言われた通りにした、すごい、楽!」

めちゃくちゃ目キラキラさせてる。楽しいらしい。なら、いいか。

一応ナイフも使わせた。

いい感じのを二本渡してどっちが良いか、と使わせたが、両手で上手く扱う。まるで牙みてぇだ。

「一応ダンジョン品だからな、気をつけろよ」

腰のベルトに吊るしてやりながら言えば

盗まれないように守る!と返されて、呆れてしまった。

「そんだけ使いこなせてんだから、大丈夫だろうが…俺が気にしてんのはナイフがお前を魅入る事だ。取り憑かれるなよ?」

「?俺は全部主のだから、他のにならない。」

げっ!ナイフまで光って同意してやがる!

「…あー、うん、なら、いいや。」

なんか、疲れた。



主。

綺麗で優しくて強くて賢い。

大好きで大事。

頑張って強くなって、賢くなって、役に立つ!

ずっと主の傍に居られるように!

主に貰った剣たちも、主の為に頑張るって言ってる。

ああ、こんなに胸が熱くなるのは初めてだ。

主は知らない物をたくさんくれる。



(素晴らしき主に尽くす

    それが『我ら』の幸福である)



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