表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/81

09 新たな戦い

アカネの攻撃で前ほどクレイゴーレムは変形しなくなった。

これで何とか凌げそうだ。

いや、アカネは何かを狙っている。

2度目の特訓を始めてそろそろ10分になる。

何か新技を狙っているのか?

そう考えていると、クレイゴーレムの胴体が突然吹き飛んだ。

アカネの渾身の正拳突きだ。

また倒れるのではないかと思い、クレイゴーレムを柔らかくしてアカネの下に滑り込ませた。


通常のフルパワー以上の力を出したのだろう。

残り時間と鍛錬増加分で考えて、大体2、3分分のフルパワーを一瞬で使い果たしたのだ。

今日の鍛錬で金属纏いに瞬間超強化を習得か。

俺のブラックジャックとは段違いの攻撃力だ。

接近戦特化とは言え、末恐ろしいな。

次は金属変形で「打」と「斬」の使い分けとか?

中距離攻撃も出来るようになるかもしれない。


アカネは今回は倒れなかったが、お互いに消耗しきっているためもう帰ることにした。

アカネは歩くのもキツそうだったので、ゴーレムに車輪を付けたものに乗ってアカネを家まで送った。

ゴーレムカー。これも新スキルだな。


アカネの送迎がてら、コトネとカネトと少し話して新情報を得た。

コトネはテレパシーを習得したようだ。

ミストに言葉を乗せて、対象に飛ばすとその相手はその言葉を理解する事が出来る。

色々と便利そうなので、今度一緒に練習しようと約束した。

カネトはミストに命令を与えないという約束を守り、体内でミストをただ循環させていた。

すると、全身が微妙に強化されることに気付いた。

俺の服のように慣れれば無意識で出来るようになるだろう。

何となく身体に良さそうだ。

不老長寿的な効果があるのではないかと思った。


さて、明日は久々に社会と繋がる月曜日。

そういえば、連休中殆ど世の中の情勢を気にしていなかった。

MミスティHホール」はどうなった?

宇宙人はその後また現れたりしていないか?

リュージみたいなヤツは他にも出ていないか?

気になりだしたら止まらない。


MミスティHホール」からは、その後動物が何体か出てきたようだ。

MミスティHホール」から出てきた生き物は謎の力を使うから危険ということで、即殺害で研究所行きが基本になっている。

ミストの能力の存在は、今のところ公にはなっていない。

水面下で能力者は今後も増え続けるだろうから、時間の問題か。


そして、「リュージみたいなヤツ」は多発しているようだ。

多くの学校、商店、企業に押し入り、暴れて逃走。

多くが逃げ切ったが、射殺された者、逮捕された者もいた。

恐らく情報規制が入っているのだろう。

能力の存在は不自然に隠されていた。

不自然と感じるのは俺が能力者だからだろうか?


会社に向かう途中、ニュースに出ていない、能力で破壊された感じの建物があった。

メロ高校、ニュースで出てた飲食店とコンビニ。

市内の最低でも4つの場所で能力者が暴れた。

これってかなり異常じゃないか?

これが全国平均なら、世の中はもう平常運転ではなくなっていると思う。

組織的、にしては子供っぽ過ぎる。

「リュージの共犯者」が関わっている可能性は高いな。


そして、会社に到着。

「不審者の押し入り事件怖いよね。」と皆で話していたが、通常通りの業務が始まった。

カネトの「循環」を試しつつ仕事をしていると、「押し入り犯」と思しき不審者が会社に現れた。

彼は得意先の会社の人で、普通に仕事で来たようだ。

何故、「押し入り犯」と思ったのだろう?

取り越し苦労かと思いつつも、念のため応接室に「ニョロ」を向かわせる。


ソイツの名前はオガワ、会社役員の50代男性。

普通に仕事の話をしていたら、突然俺の同僚二人を火で包んだ。

コトネの能力とは違う。

炎を纏う「ニョロ」って感じか。


俺のいる会社に押し入ったのが運の尽きだな。

そう思って俺は、上からオガワに不意打ちのブラックジャックを食らわせようと二階に上がった。

応接室の真上の部屋に入った瞬間、ヤリが2本飛んできた。

一応、警戒していたので「ニョロ」でガードしたが、ヤリはガードを貫いて少し腕を負傷した。


ミコト「サイトーくんがゴーレムの人?」

ミコトは会社の先輩、高校生の母親だった気がする。

まさかあの教室にいた子の親?

いや、あの中に俺に敵意を持っている子はいなかったと思う。

リュージの関係者であることは間違いないだろうけど、何で俺のことがバレているかは今のところ不明。


ジョージ「俺を殺したいんですか?」

ミコト「質問に質問で返すの?」

ジョージ「自分を殺そうとしているヤツの質問に答えるほどバカじゃないので。」

ミコト「あなたを殺したいかはあなたの目的次第かな。」

「正義の味方みたいなヤツは癪に障るの。あなたは何なの?」

俺は別に正義の味方を気取る気はない。

ただ、身近な人間を無意味に殺されるのは許せない。

誰だってそうだろ?


コイツがリュージの仲間で「押し入り犯」の一人なら俺の敵だ。

気が乗らないが、戦わない選択肢はないだろうな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ