78 代表メンバー決定
やはり、国ごとの傾向が結構顕著だった。
日本でも少なくないが、海外は身体強化系が過半数以上だ。
中国は幻術系、ヨーロッパは遠距離攻撃系が得意。
銃社会のアメリカはジョニーみたいなのが多いのかと思ったら、世界中で実戦レベルの「速射」使いはジョニーとシゲルだけだった。
海外勢で一番強いのは、中国の若き憲法娘ユートン。
前衛では、アカネを抜いて地球最強。
但し、主に幻術を用いた戦い方が得意で、幻術は格上にはあまり有効ではない。
また、耐性が高い人間にも通用しない。
そして、幻術耐性は、強化耐性でもある。
強化しやすい人は幻術も受けやすい。
つまり、ユートンは前衛キラーなんだな。
俺なら10回やって10回勝てる。
極めてピーキーな能力と言える。
幻術耐性と軌跡読みで幻術は看破出来る。
実は俺は幻術にかなり強いということが解った。
次点はドイツのアントン。
冷気と水分を操り、相手を凍結させて動きを邪魔するデバフ的な攻撃を繰り出す。
単純に氷を飛ばす攻撃も高威力。
そう言えば、ジョニーも海外勢か。
有力なのはこの三人で、他は誰かの下位互換的な性能だ。
約半月の修業を経て、とりあえずのパーティーが決まった。
Aチーム ジョージ・アカネ・ハルカ・アントン・コトネ
Bチーム ジョニー・シゲル・ユートン・アリサ・カネト
パーティーバトルを前提とした役割重視のAチームと、オールラウンダー中心のBチーム。
これで決まりと思って主に10人で鍛錬を続けた。
そして、決戦前日。
俺たちの前にハスハが現れた。
ハスハ「最後にウチにチャンスをください。」
ジョージ「ハスハにセンスがあるのはみんな知ってる。」
「でも、今遅れを取ってるのは仕方がないと思うよ。」
「これから幾らでも活躍の場はある。」
「無理、するなよ。」
ハスハ「無理くらいさせてよ。」
「半年間の鬱憤を晴らしたいの。」
「地球代表戦で晴らせたらサイコーじゃん。」
アカネ「そういうポジティブな理由なら良いよね。」
「わたしやろうか?」
シゲル「いや、アカネは止めとけ。」
「ジョージかアリサが相手した方が良いんじゃないか?」
ジョージ「解った、良いよ。」
「さぁ、かかってこい。」
今回のハスハ本体はその場に留まっている。
そして、指から骨を伸ばしての攻撃。
ブラックジャックの要領で、俺の盾に強烈な一撃を入れてくる。
悪くない攻撃だな。
俺の盾と同じで、足を生やして地面に固定することで安定感を増している。
続いて俺はブラックを出す。
手元から離れた骨だが、完璧に「見えて」いるようだ。
これは軌跡読みだけではないな。
この骨は「視覚」と「触覚」を得ている。
ブラックの攻撃を回避しつつ、ブラックジャックと突き攻撃が来る。
骨の強度はかなり高く、通常の衝撃波1発では砕けない。
収束衝撃波で何とか砕けるが、すぐさまヒモを出して再接続。
ブラックジャックと突きに慣れてきたところで、斬撃でブラックは両断された。
今度はホワイトが骨と戦いつつ、ブラックは本体を狙う。
本体は盾付き手甲を武器に戦うようだ。
ハスハの盾は俺の初期盾より少し強いくらいか。
ホワイトの攻撃力では、ハスハの骨を砕けない。
ブラックがハスハを攻めつつ、ホワイトは凌ぐって感じだ。
俺には届かないが、かなり強くなったと感心していると、
ジョージ「痛っ!」
骨の足の1本が地中を削って移動し、盾の内側に侵入したようだ。
そして、俺の足の裏から出てきて攻撃してきた。
その骨はすぐさま展開し、俺を攻撃してくる。
仕方なく俺は既存の盾を放棄し、新たな盾を生成。
咄嗟の行動で、かなりの霧を消費してしまった。
パーティーバトルでこれで仲間を攻撃されたらかなりヤバかった。
俺の盾スタイルの弱点を突く攻撃。
病み上がりだと思って、やはり何処かでナメてたな。
ハスハは身体強化がいけたから前衛やってたが、本来は物質生成タイプなんだよな。
攻撃力が高くて守備力が低く、身体強化があって我召喚がない俺。
細部は色々と違うが、やはり「同系統能力者」と言える。
相手に出来ることはお互いに自分の可能性でもある。
やっぱりハスハとの戦いは楽しい。
地中の軌跡は読めない。
シニカやマイは読めるのかもしれないが、少なくとも俺には無理だ。
度々地面から急に出てくる攻撃を処理しつつの戦いは中々難しい。
そして、そんな一進一退の攻防が1時間ほど続いたのち、
ハスハ「キャパオーバー。もう頭が限界・・・。」
感覚を増やすことに慣れていないハスハの精神力切れで決着。
病み上がりとは思えない大健闘。
ハスハはそのまま倒れて熟睡してしまう。
ジョージ「ハスハ、寝たきりのときも鍛錬してたな。」
アリサ「でしょうね。それで後衛スタイルに切り替えたんでしょうね。」
シゲル「ウソだろ?あの全身ボロボロな状態で?」
アリサ「ハスハはそういう子だよ。」
ジョージ「ハスハはそういうヤツだよ。」
コトネ「これはハスハちゃんメンバー入りで良いんじゃない?」
「私が抜ける感じで良いよね?」
最終的にAチームのコトネとハスハが入れ替えになり、当日のメンバーが決まった。




