72 ジュン再び
メイ組
ダブル・ホールの連中に破壊されたのは、この辺だとメロ市内だけのようだ。
しかし、メロ市を出ても社会は機能していないし、破壊されている建物は多い。
暫く歩くと誰かの視線を感じる。
ジョージ「誰かに尾行されてるな。」
メイ「やっぱり、何かそんな感じするよね。」
ハルマ「返り討ちにします?」
ジョージ「尾行だけで返り討ちにはしないよ。」
「あのスーパーのフードコートで休憩しようか。」
俺たちはスーパーで食べ物や飲み物を拝借する。
ハルカ「ちゃんと店の形してると罪悪感あるね。」
ジョージ「気持ちは解るけどさ、金を受け取る人間がいないし仕方ないよ。」
ハルマ「そうそう。もうお金に価値があるかどうかも解んないし。」
フードコートで団欒していると、性質の悪そうな連中が集まってくる。
人数は約20人。その殆どが循環。
チンピラ「なぁアンタら、誰に許可取って飯食ってんだ?」
ジョージ「無法地帯で許可を取る必要はないだろ?」
チンピラ「ココは龍撲鷹丸連合のシマなんだよ。」
「勝手なコトしてると潰すぞ。」
ハルマ「もう返り討ちで良いですよね?」
ジョージ「あっちが手を出すまでは大人しくしとこう。」
ハルカ「ちょっと声おっきいよ。」
チンピラは無言で俺たちに近付き、ハルマに殴りかかってきた。
ハルマは避けてボディーブローを決める。
ハルマ「遅っそ。」
ジョージ「循環20人程度、1人で十分だよな?」
ハルマ「当たり前。カルマの出番もねえぜ。」
ハルカ「殺さない程度にね。」
俺たちは引き続き食事をしながらハルマの戦いを観賞する。
負けはしないだろうけど、ハルマは注意力散漫だな。
前衛の攻撃は防いでいるが、遠距離攻撃は時々喰らっている。
ハルマは丁度良い強さだな。
俺が戦うと一方的な蹂躙になるから、多分畏怖の対象になる。
手の届きそうな強さの方がリスペクトされるだろう。
いよいよ残り2人ってとこで援軍が来た。
ジョージ【無理すんなよ。疲れたら交代するぜ。】
ハルマ【まだまだですよ。それに、疲れてきたらカルマと交代するんで。】
チンピラ「総長、お願いします。」
ジュン「おう、任せとけ。」
見覚えのあるジュンくん。
そう言えば族の総長って言ってたっけ。
ブラックに振り回されてチビったアイツだ。
コイツと再会しても何の感慨もないな。
しかし、アイツも飽和になったのか。
お手並み拝見といきますか。
目算だとハルマを100とすると80くらいの強さか。
カルマを召喚すれば楽勝だが、さあどうするハルマ。
ジュン「お前ら手を出すなよ。」
「タイマンで俺に勝ったら何でも言うこと聞いてやるぜ。」
「やるか?」
ハルマ「やっと骨のある相手が来たか。」
「勿論、相手になるぜ!」
攻撃力はジュンが上。
素早さはハルマが上。
案外良い勝負だな。
ハルマに倒された連中も回復して勝負の行方を見守る。
ジュンくん意外と気持ちの良いヤツなのかもしれない。
最初は五分だったが、流れを掴んだハルマが徐々に優勢に。
このまま負けても無茶な要求はしないであげよう。
と、思っていたのに。
ハルマの死角から妨害攻撃が始まった。
ロビンスが使っていた重力と斥力を発生させる能力だな。
レベルはかなり低いが、だからこそ気付きにくい。
俺もそれなりに修羅場を潜っている。
これが普通の戦いなら別に文句はない。
しかし、自らタイマンと言っといてコレかよ。
ジョージ【イカサマ発覚。ムカつくからカルマ出してボコれ。】
ハルマ【了解。】
俺はブラックを出して、重力斥力使いを持ち上げた。
次の瞬間、ジュンの顔が青ざめた。
そして、ハルマとカルマの連携攻撃でノックアウトされる。
俺は倒れたジュンの元に行き、襟首を掴み、
ジョージ「久しぶり。前半は楽しかったぜ。」
「で、何でもするって?」
ジュン「タイマンって言ったろ?二人じゃないか。」
ジョージ「カルマはハルマの能力だよ。」
「俺のブラックみたいにな。」
「この娘はお前の能力か?」
ブラックは軽く爪を立てる。
重力斥力使い「痛い痛い痛い痛い!!」
ジュン「おい、止めろよ!」
ジョージ「お前が代わるか?」
ジュンは激しく首を振る。
情けねーな。
ジョージ「で、この娘はお前の能力か?」
ジュン「彼女のミユキです。人間です。」
ミドリとは終わったのか。
俺はミユキを降ろした。
ジュンに言われただけのミユキを痛めつけても仕方ないからな。
ジョージ「俺たちは人探しをしてるんだ。」
「この近くにマトモな能力者はいないか?」
ジュン「この町を仕切ってるのが、俺とフドウさん。」
「他の連中は多分そんなに強くないと思います。」
ハルカ「フドウ・ジュウイチ?」
ジュン「そうです。」
ジョージ「知り合いか?」
ハルカ「昔、ジョージと戦った大男。」
ジョージ「ハルカの仲間だったヤツな。いたな、そんなヤツ。」
「まぁ良いや、お前らの仲間全員集合させれるか?」
ジュン「解りました。やってみます。」
ハルカ「・・・仲間、じゃないけど。」
フドウは操られた状態でしか会ってないんだよな。
アイツも族だったのか。




