64 呪術士ホウレン
各々が日中に集めた情報やお金を纏めて、宿屋でクーインの号令を待っていた。
クーイン【では、皆さんの準備が終わったみたいなので、各組2人ずつゲートを潜ってアルマに来てください。】
アルマ【まずは成果を各自発表してくれ。】
マイヤ【ウチらは現金2000万Rとブロンスカード5枚。】
【カード情報はザイク役所で編集できる。】
【国が依頼したミッションを規定数こなすとランクアップする。】
ジョージ【現金35万Rとシルバーカード1枚、ブロンズカード1枚。】
【アリサの解呪と引き換えに、シルバーカード11枚とその他色々手に入る確約がある。】
オーロト【流石、アニキたち。】
【早速ショークに行けるんすね。】
ロビンス【僕たちは10万Rとブロンズカード1枚を手に入れました。】
【朝一の情報以外は、特に有益な情報はありません。】
アルマ【ジョージ組に付いて行く感じで良さそうだな。】
【明日はジョージ組が泊まる宿に集合で良いか?】
アリサ【任せてー。じゃあ2丁目のブノールホテルに集合ね。】
マイヤ【まさか二日目に先に進めるとはね。】
【トントン拍子で怖いくらい。】
その後、レンソウたちの事情を説明し、打ち合わせは終わった。
ロビンスは複雑だっただろうな。
ザイクは宿もボロいし、飯も不味い。
酒だけは良いものが揃っていたが、長居したい場所ではない。
明日はショークに泊まれることを祈りつつ、早めに就寝した。
目が覚めてホテルでのんびり雑談し、仲間の合流を待つ。
アルマ【しかし、ココは本当に治安が悪いな。】
【道中何度もスリやひったくりにあったよ。】
オーロト【子供の物乞いも多いし、行き倒れも見た。】
ロビンス【レヴァンの悪政の犠牲なんでしょうね。】
メイヤ【上層部は贅沢三昧。典型的な悪政よね。】
昨日は任務に夢中であまり考えなかったが、かなり酷い状態のようだ。
アカネ【色々な能力があるんだから、こんな国出れば良いのに。】
ジョージ【外から見ればそうなんだろうけどね。】
【木こりのジレンマってヤツだろうな。】
レヴァン王を討つ士気を高めながら、俺たちは昨日の店に向かった。
店には見覚えのない一人中年男性がいた。
ホウレン【私が呪術士のホウレンです。】
【あなた方が解呪士御一行様ですね。】
ロビンス【ああそうだ。】
ホウレン【あなたは、農村の・・・。】
ロビンス【覚えているのか?】
ホウレン【はい。呪った人間は全員覚えています。】
【解呪の方法次第では、全員治して回るつもりです。】
【あなたはあの子の兄でしたか?あの子はどうしてますか?】
ロビンス【死んだよ。農村ごと滅ぼされた。】
ホウレン【そう・・・ですか。】
ジョージ【今回は別に恨み言を言いに来た訳じゃない。】
【今後の被害者を減らすためにも、ショークに進むためにも、さっさとあんたの兄を治しに行こうぜ。】
ホウレン【はい。よろしくお願いします。】
その後、14人組は目立つので、ホウレンと店員・ジョージ組の6人が最初に行き、時間を空けて残り2組が合流することになった。
ショークはザイクとは全く別世界だった。
綺麗な建物が多数並び、自動車の様な乗り物が行き来している。
地球より文明が進んでるんじゃないか?
これはちょっと、ゴリ押しで暗殺が出来そうな感じじゃないな。
ホウレン【揃いましたね。】
【では少し急ぎめに移動しますよ。】
ホウレンは早歩きで移動している。
鍛錬を重ねた俺たちは、普通に歩いて付いて行く。
そして、ホウレンの家に着いた。
ホウレン【兄さん。解呪の方法を見つけてきたよ。】
レンソウ【そうか。良かったな。】
何だか他人事のように言うレンソウを別室に移し、アリサが解呪を行う。
ホウレン【あなた達の目的は何ですか?出来得る限りの協力がしたいのです。】
オーロト【お前はレヴァン側の人間じゃないのか?】
ホウレン【レヴァン側の人間に、そんな言い方したらダメですよ。】
マイヤ【あんたがそうでないことは解るよ。】
【だが、もし王を殺すのが目的と言っても協力するかい?】
ホウレン【もし、それを本気で言っているなら、止めるしかないですな。】
空気が変わった。
アルマとシゲルが構えるが、マイヤと俺が制止する。
ジョージ【無駄死にさせる訳にはいかないって意味だろ?】
【やっぱり無理か?】
ホウレン【城に侵入したら、様々な仕掛けのせいでマトモに戦うことも出来ないでしょう。】
【純粋な戦闘力で劣り、地の利も無い。】
【無謀です。あなた達はかなりお強い。無駄死にして欲しくない。】
アルマ【無謀なら出直すつもりで来た。】
【ドラゴンの救出が第一目的。王の暗殺は今回は出来そうならトライって感じだ。】
ホウレン【それを聞いて安心しました。】
【ドラゴンなら、ココから北に10分ほど歩いた場所にある研究施設にいますよ。】
【ドラゴンの救出が目的なら一石二鳥ですな。】
【良い作戦がありますぞ。】
シゲル【お前ら、何で初対面同士なのにいきなり信頼しきった感じなんだ?】
アカネ【ホウレンさんも軌跡読みが出来るんでしょ。】
【軌跡読みが出来る同士だとウソとか敵意とかが解るから、腹の探り合いを大幅に短縮できるんだって。】




