61 アルマでの修行
アルマ【あなた達は、レヴァンの幹部に会ったことがありますか?】
オーロト【俺の故郷を滅ぼしたのは、二回ともキラーヌっていう幹部だよ。】
マイヤ【我々が把握してる幹部は、ジャリュウとグルア。】
【今の戦力だと、幹部1人倒すのも難しい。】
【最初の頃は、躍起になって修行してたけど、いつの間にか、ね。】
【目標が遠すぎたの。】
ロビンス【異世界の技術と我々の技術を合わせれば、飛躍的に強くなれると思います。】
【1対1で幹部に勝つのは難しいでしょうけど、4人チームなら可能性はあると思います。】
それから、アルマで修行の日々を送った。
オーロトとセインダットはその後かなり仲良くなり、俺の召喚で死んでも良い訓練を毎日朝から晩まで続けている。
アカネはその様子をずっと眺めており、時々何かを掴んで殴り込みをしている。
俺はイシノシとパーティーを守る為のスキルを教え合い、また、マイヤから軌跡読みを学んだ。
アリサは剣術について素人だったので、4人目のアルマのパーティー・メイヤから剣術を教わっている。
メイヤは実際の剣と霧の剣の二刀流なので、アリサのルブルムテイルを模倣しようと頑張っている。
マイヤとメイヤは姉妹。
似た名前の二人を思い出して、地球が恋しくなる。
シゲルとロビンスは、日中は二人で毎日アルマとの戦闘訓練だ。
アルマのパーティーは全員強いが、アルマは頭一つ抜けている。
アルマはとにかく動きが速く、伸縮自在の剣で戦う。
2対1でも互角な感じだが、そんなアルマでも幹部には遠く及ばない。
夜はシゲルは一人で色々と能力について研究していて、ロビンスはマイヤと遠距離攻撃について語り合っている。
リアマは我召喚を覚えた。
雪女の様な姿で、名付けを頼まれたので「ユキ」にした。
ブラックとホワイトと一緒に訓練している。
俺とリアマは本体が知識を蓄え、我召喚生物が実戦訓練をしている感じだ。
我召喚が勝手に訓練して、術者に経験値が入るのは役得だな。
レヴァン襲撃まで、基本的に4人チーム単位で行動することになった。
アルマ組・アルマ・イシノシ・マイヤ・メイヤ
ジョージ組・ジョージ・アカネ・アリサ・シゲル
オーロト組・オーロト・ロビンス・リアマ・セインダット
半月経つ頃、半分は毎週パーティーバトルの模擬戦をすることになった。
やはり、アルマ組が一番強い。
最初はアルマ組の全勝だったが、3回目でオーロト組、5回目でオーロト組が白星を取った。
その後は勝ったり負けたりって感じだ。
一月経つ頃、支部への襲撃も始めた。
最初に侵入した研究施設は、オーロト組のみで正面から叩き潰した。
ルブルムテイル以外では壊せなかった施設の壁を、軽く刻めるようになっていた。
剣士連中は勿論、ロビンスやユキの氷の剣でも破壊できた。
思いっきりレヴァンに喧嘩を売っているので、暫くするとレヴァンの襲撃が増えてきた。
丁度、都市ごと移動できるミスト・アイテムがあったので、無人島に引っ越すことになった。
色々と不便だが、イシノシと門番のクーインがゲートを使えるので、そこまでではない。
クーインのゲートの性能はかなり高く、「オーロトの近く」みたいな場所を指定しないゲートも出せる。
これで、クーインは全てのパーティーの様子を常に把握し、離れたパーティーとの情報交換や、都市への一時帰還や合流を容易にする。
イシノシはゲートに関しては凡庸なので、雑事用って感じ。
四月経つ頃、ミスト・アイテムも潤沢になり、いよいよ準備は整った。
明日が最後の模擬戦、全勝して勢いをつけてやろう。
と思ったが、アルマが【もう止めよう。】と言い出した。
手の内を知り尽くした同士なので、最近は長々とした泥仕合ばかりだったからだ。
俺は泥仕合でも楽しいのだが、まぁ嫌がる気持ちも解る。
最後の1日はゆっくり過ごすことになった。
この戦いが終われば、オーロト達とはお別れか。
完全な今生の別れ。
最初から期間限定と解っていたのに、寂しさが込み上げてくる。
予想通り、今回もアリサが酒盛りの提案をしている。
今の仲間たちとの最後の酒盛り。
今晩は思いっきり飲もう。
暫く楽しく飲んでいたが、別れが寂しくて途中でオーロトが号泣し出した。
多くがもらい泣きし、抱き合い、何だかすぐにお別れするような空気になった。
何だか、アルマ組が呆れているように見える。
この世界じゃ今生の別れなんて、さほど珍しくないのかもしれない。
しかし、この世界で最初にオーロト達に会えて本当に良かった。
最高の異世界体験だったと思う。
もう本当にこの世界に永住しても良いような気持になる。
でも、ハスハを死なせたくないし、シニカを裏切りたくもない。
と、何だかもう帰るみたいな気持ちになっているが、今日は決戦前夜だ。
気を取り直して、酒の席の下らない話を幾つかして寝ることにした。
部屋に入ると、すぐにオーロトが訪ねてきた。
最後の夜に一緒に寝たいようだ。
俺は快諾し、二人で並んで寝た。
男と手を握って寝る日が来るとはな。
俺にそういう気はないが、悪くない。




