51 最初の目的地
アカネ「誰かの攻撃?」
ジョージ「いや、落とし物だろ。」
「M・Hの向こうからだし。」
アリサ「それにしても立派な剣だねー。」
アリサがその剣を掴もうとしたら、その瞬間霧散した。
シゲル「霧の剣だったのか?」
ジョージ「恐らく、そうだろうね。残念。」
「じゃあ、お互いに今の能力を説明していこうか。」
サイトー・ジョージ(30)男性
自在に動く盾で本体と仲間を守る防御型。
主な攻撃手段は、我召喚のブラック&ホワイト。
また、霧の物質を人型にして操る「ゴーレム」でも戦う。
半径1kmの軌跡読みで周囲の危険や敵意などを察知できる。
フワ・アカネ(17)女性
身体強化と金属状の霧を操る。
身体強化はスピード重視だが、攻守は金属でカバー。
武器に変身する我召喚のタマを持って戦う。
ムラモト・シゲル(33)男性
霧を弾丸のように飛ばすのが主たる攻撃方法。
通常弾は拳銃の威力と同程度で、2秒に1発撃てる。
より多くの霧を消費することで、「強化弾」と「連射弾」も使える。
身体強化はそこそこだが、手刀と弾丸を織り交ぜたトリッキーな戦い方も可能。
ムラサキ・アリサ(25)
召喚回復に加え、強化回復を習得。
そこそこ広範囲の軌跡読みが出来るが、精度が低め。
霧の鈍器や盾と身体強化で戦う。
半径5kmの軌跡読みが出来るが、読みが大雑把。
解呪の練習中。基礎は覚えたから、最悪の場合はやってみる。
アカネのモーニングスターは我召喚だったのか。
シゲルも以前よりかなり強くなってそうだ。
アリサはヒーラー方向に進んでいるのか。
俺とアリサの軌跡読みを駆使すれば、知らない世界でも比較的安全に旅が出来そうだ。
ジョージ「ホワイトが帰ってきた。あ、死んだってことね。」
「大きな工場とかがある文明国っぽい場所に着いて、何か撃たれて即死。」
「ブラックは小さな農村みたいなのを見つけたみたい。」
「最初の目的地は、ブラックが見つけた農村が良いと思うんだけど、どう?」
シゲル「良いんじゃないか。」
アリサ「賛成。」
アカネ「任せるけど。やっぱり文明国は危険な感じ?」
ジョージ「今の俺たちはこの世界のことを何も知らないし、多分それほど強くもない。」
「攻撃的な文明国に行くのはまだ危険。」
「農村より情報は集まるかもしれないけど、最初の目的地には向いてない。」
アカネ「なるほどねー。」
こうして、俺たちは農村を目指すことにした。
考えてみれば、異世界の冒険の始まりか。
童心がくすぐられる。
多分、シゲルも同様なのだろう。
凄く楽しそうだ。
アリサとアカネは真面目な感じ。
まぁ、それが正しいんだろうさ。
道中、魔物との戦闘もあった。
いや、戦闘と言えるものでもないか。
魔物は軌跡読みで遠くからでもすぐ解った。
なんと言うか、攻撃的なオーラを放っていた。
ただ、俺らはレベル1の冒険者じゃない。
殆どシゲルの弾丸やブラックの衝撃波で一撃。
避けたり耐えたりしてきても、アカネが瞬殺。
魔物は虫タイプが多く、小動物もいた。
大型の動物はあまり魔物にならないのだろうか。
熊の魔物とかがいたら、脅威かもしれない。
薄暗くなる頃、ブラックが見つけた洞窟で休むことにした。
俺はベッドや歯ブラシ、水や石鹸も霧で出せるから、野宿楽勝だ。
しかし、俺以外はこういうのは出来ないようだ。
一通り教えたら、アリサは大体習得した。
とりあえず、俺が出したものをシゲルが。
アリサが出したものをアカネが使って、異世界最初の夜を過ごすことにした。
アリサ「農村はまだまだ先なの?」
ジョージ「まだ近くはないけど、明日中には着くと思うよ。」
シゲル「しかし、ジョージの能力は本当に便利だな。」
アカネ「わたしたちも早く歯ブラシとか習得しないとね。」
シゲル「アリサもかなり器用だよな。」
アリサ「うーん。器用貧乏な感じもするけど。」
「戦闘面だとかなり地味だし。」
ジョージ「アリサはヒーラーだから、攻撃控えめでも良いんじゃない?」
「別に特別弱いって訳じゃないし。」
シゲル「こういうお喋りも楽しいが、そろそろ寝ないか?」
「歩きっぱなしで結構眠いぞ。」
アカネ「それもそうだね。」
「夜間の襲撃とかあるかもしれないし、寝れるウチに寝ましょう。」
翌朝、外には大きな足跡が幾つもあった。
寝てる間は軌跡読み出来ないのだろうな。
足跡に集中すると、恐竜みたいなのが通ったみたいだ。
コイツは魔物ではないな。
洞窟に住む恐竜だったら襲われてたかもしれない。
ジョージ「今回は何事もなかったが、全員で寝るのは危険かもしれないな。」
アリサ「軌跡読みが出来るあたしとジョージが交互に見張りをやる感じかな?」
シゲル「ジョージとアカネ、俺とアリサで交互で良いだろ。」
「話し相手がいないとキツいだろ?」
アカネ「そーだね。大したことない魔物の襲撃でも一人は危険かも。」
ジョージ「まぁ、今晩は農村で休めると良いな。」
「農村でなら全員で休めるだろ。」
アリサ「いきなり異世界の村人を信頼出来る?」
「念のため、初日は全員寝ない方が良いかもよ。」
シゲル「どうだろうな。ま、着いてから考えようや。」
アリサ「あれー、ヤバいね。魔物の集団が近づいてくる。」
「これはちょっと厄介じゃないかなー。」




