50 初めての異世界
シニカ「まず、基本的なことを整理するね。」
①はぐれ防止のために行くメンバーは4人まで
②ドラゴン探しは、ソロ・ホールで
③ドラゴンに会う前に交渉材料を手に入れて
④ソロ・ホールにも、魔人化した動物「魔物」がいるから気を付けて
⑤次元ペアリング持ってると知られると狙われるから気を付けて
シニカ「何か質問ある?」
ジョージ「その世界がソロ・ホールかどうかってすぐ解るもの?」
シニカ「M・H付近に警備とかが無かったら大体ソロ・ホールだよ。」
ムラサキ「交渉材料ってどういうのがあるの?」
シニカ「特殊技能か特殊アイテムかな。」
「ソロ・ホールで1月も修行すれば、多分何とかなると思う。」
ジョージ「魔物ってどういう感じ?」
シニカ「超好戦的な動物。1つだけ能力を使う。」
「その殆どが人間より弱い。極稀にヤバいのがいるけど。」
「ソロ・ホールに出るヤツなら、4人いれば倒すか逃げるかは出来ると思う。」
コトネ「現地の人に目的を聞かれたら何て答えたら良いでしょう?」
シニカ「元の世界に帰る手掛かりを得るためにドラゴンを探してる。」
ジョージ「ドラゴンがいれば、元の世界に戻れるのか?」
シニカ「無理だと思う。でも、無茶な目的を果たすためにダメ元でドラゴンを探す人は珍しくない。」
アカネ「そういえば、地球のM・Hは警備されてるよね。」
シニカ「あたしらとか、皆が倒した連中も全員アソコから来てるんだよ。」
「霧の仕組みも知らない連中の警備なんて、大した意味ないよー。」
ジョージ「行くメンバーはどうしようか?」
「俺とムラサキさんは決まりだろ?」
アカネ「わたしは行く。絶対行く。」
ジョージ「心強いが、大丈夫か?」
コトネ「親には私が上手く言っておく。」
「その代わり、絶対帰ってきてね。」
ジョージ「最善を尽くします。」
ムラモト「ハスハがこうなったのは、俺のせいだ。」
「俺が行くべきだと思う。」
ハルカがソワソワしている。
行きたいのだろうか?
シニカ「異世界は、飽和じゃない人にはキツい。」
「循環の人は、行かない方が良いと思うよ。」
ハルカ「・・・はい。」
ムラサキ「隊長達は残った方が良いでしょうし、ではこの4人で決まりですかね。」
シニカ「じゃあ、今日はゆっくり休んで、明日の朝に出発しようか。」
「9時にまたココに集合ねー。」
俺たちは、最後かもしれない日本での最後の夜を過ごした。
そして、約束の時間。
ジョージ「そういれば、俺たち4人も抜けたら、宇宙人と戦うのキツくないか?」
シニカ「大丈夫。仕方ないから、みんなが帰ってくるまであたしが戦ってあげるから。」
「戦いホント嫌いなんだからね。早く帰ってきてよ。」
ジョージ「ありがとう。よろしく頼む。」
シニカ「じゃあ、ペアリングはジョージくんに渡すね。」
「3、2、1でココにゲートが出るから、4人で手を繋いで飛び込んでね。」
「じゃあ、3、2、1!」
結構な長旅になると思うのに、何だかアッサリだな。
まぁ、「今生の別れじゃないと信じてる」ってトコだろ。
着いた先は、全く人の手が加わっていない、原生林って感じの森の中だ。
アカネ「キレイ。」
ジョージ「本当に綺麗だ、何だか神秘的だなー。」
ムラサキ「人の気配も動物の気配もない。」
ムラモト「ここはソロ・ホールで間違いなさそうだな。」
軌跡読みで周囲を探索すると、この辺には小動物や虫しかいないことが解る。
多分、「魔物」は軌跡読みで解るだろう。
とりあえず、この辺に危険はないな。
ムラサキ「何も解んないから、とりあえずあっちに向かって歩こうか?」
ジョージ「ムラサキさんワイルドですね。」
「ブラックとホワイトが空から下見してくるんで、それから移動した方が良いと思いますよ。」
アカネ「そういえば、いつの間に我召喚増えたの?」
ジョージ「昨日の戦闘中に。」
「だから、俺もまだホワイトの性能はよく解らない。」
普段なら色々実験してたところだが、異世界に行くことで頭が一杯で忘れてた。
そういえば、アカネのモーニングスターが何なのかも気になる。
他の2人も以前とは違う能力を身に付けている可能性が高い。
ジョージ「ブラックとホワイトの探索中に改めて自己紹介をしませんか?」
「皆さん以前より色々と身に付けてますよね?」
「運命共同体として、お互いのことをもっと把握しましょう。」
ムラサキ「そういうことなら、敬語も止めませんか?」
「呼び方も、名前呼びの呼び捨てにしません?」
ムラモト「俺はそれで構わない。」
ジョージ「そうだね。良いと思うよ。」
アカネ「お二人の名前って何でしたっけ?、あ、何だっけ?」
ムラモト「シゲル。」
ムラサキ「アリサだよ。」
アカネ「シゲルは、レイジのホテルのときと随分感じが違うね。」
ジョージ「あのときは、接客モードみたいなもんだったんだよ。」
「今のが素のシゲルだよ。」
シゲル「何だか腹立つな。」
アリサ「フフフ。」
次の瞬間、M・Hから真っ赤な剣が飛んできた。
その剣は、アリサの脇を掠め、地面に突き刺さった。




