43 宇宙人ミモナト
ミモナトは4人パーティーで魔物を狩ったり、貴重品を収集、それを売買したりして生計を立てていた。
良く言えば冒険者、悪く言えば盗賊。
コミュ障のミモナトは、パーティー内で孤立気味だった。
そんなある日、突然変異の強力な魔物に遭遇したとき、捨て駒にされた。
普通に戦闘中だったなら、仲間の為に捨て身の特攻をしたかもしれない。
しかし、自分のことを捨て駒にしたパーティーの役に立つのは死んでも嫌だった。
ミモナトはパーティー内で断トツで最速。
「お前らが囮になれよ。」そう言ってミモナトは逃げた。
次の囮が役割を果たして、全滅を免れる可能性がある。
これを誰かに知られたら、誰も仲間にしれくれない。
誰も雇ってくれない。
パーティーメンバー以外に親しい人間もいない、この世界に未練もない。
行った先で追い詰められたら、ソイツに特攻して死んでやろう。
そんな思いで、彼女はM・Hに飛び込んだ。
着いた先は、M・Hが出来たての霧後進世界。
最高の結果、彼女はココで自堕落な生活を送ることにした。
そんな彼女にとって、ジョージの対応は心地よかった。
自分に対して悪意も敵意もなく、あまり干渉する気もない。
極めてドライ。それが良い。丁度良い。
ミモナトは何処かに属して縛られるのが嫌いだが、ココに属すのは悪くないと考えていた。
偏屈で居場所のなかったミモナトは、今この上なく満足していた。
ヤマト【早速ですが、魂混じりの治療をお願いしたいが良いですか?】
ミモナト【いつでもどうぞ。】
俺はアカネとコトネに連絡を入れて、カネトを呼んだ。
ミモナトはカネトの身体を満遍なく触って、霧を全部腹に集中させた。
その後、ミモナトの部屋に連れていかれて、10分ほどして戻ってきた。
ミモナト【成功したよ。】
【何か適当に能力を使ってみな。】
カネト「はい。」
そう言って構えると、カネトは石の剣を出した。
石がカネトの性質、剣はアカネの影響だろう。
いや、男の子だからか。
カネトが石の剣を手放すと一瞬で霧散。
痛みは、ない。
成功だ。
周りの連中は、一斉に感謝と賞賛の言葉をミモナトに浴びせる。
ミモナトは嬉しそうでもあるが、煩わしそうでもある。
ミモナト【疲れた。寝る。】
そう言って、ミモナトは足早に部屋に逃げた。
カネト「怒ったのかな?」
怒ってはいないだろう。
複雑なんだよ。
ミモナト【あー。カネトくん?の我召喚の魂も戻してあげるから、明日から2、3日隣の部屋に泊まりなさい。】
【じゃあ、おやすみ。】
ミモナトは一瞬戻ってきて、それだけ言ってまた部屋に戻った。
コトネ「また暫く家戻れないなら、今日はこれからデートしたら?」
「メグミちゃん、レナちゃん、カズネちゃんがお見舞いに来たんだよ。」
「誰が本命なの?」
カネト「一応、メグミかな。」
「でも説明が面倒いから、今日は誰ともデートしない。」
「ボクは姉ちゃん達と過ごしたい。」
姉は二人とも恋愛未経験なのに弟は遊んでんのか。
中学生のクセに。シスコンのクセに。
アカネ「本当はジョージと過ごしたいんだけど、今日は弟の為に一緒に帰るね。」
ジョージ「あれ?そういえば退院明日じゃないっけ?」
コトネ「あのあとすぐに目覚めて、元気いっぱいでね。」
「なんかゴリ押しで、すぐに退院することになったの。」
ジョージ「そうなのか。まぁ、明日からも治療みたいだし、今日は家族で楽しむと良いよ。」
あの病院のスタッフも大変そうだな。
さて、どうしようか。
今回、穏便に済んじゃったけど、バトルモードのスイッチが入っちゃったんだよね。
ジョージ「ハスハ、支部で手合わせしないか?」
ハスハ「良いっすねー。ヤクザの影響でウチもちょっとそういう気分っす。」
ヤマトがため息をついている。
良いだろ、ちゃんとパトロールはしたし。
さーて、実際にハスハと戦うのは初めてだ。
一緒に戦ったことはあるが、ハスハは不意打ちの一撃を入れただけ。
ハスハの戦闘スタイルを俺は知らない。
それに対してハスハは、俺の戦闘を知り尽くしているだろう。
案外、一番強敵かもしれない。
支部に着くと、カミオとムラモトがいた。
彼ら二人でパトロールをしていて、今終わったところらしい。
彼らも訓練予定だったが、俺らの訓練の見学をすることになった。
では、
ジョージ&ハスハ「よろしくお願いします。」
まずはハスハの先制。
右手から複数の骨を出して突っ込んできた。
一瞬で距離を詰めて、左手から骨刃。
突きを避けたら横薙ぎ。
防御しきれず飛ばされるが、付いてきて追撃。
右手から出した複雑な関節の骨で、前後左右に自在に高速で動けるハスハ。
接近戦でハスハに勝つのは無理だ。
骨の攻撃力が高いし、身体強化のレベルも高い。
でも、ハスハから離れられない。
ハスハの猛攻を受けるので精一杯。
いや、受けきれていない。
着実にダメージが蓄積する。
我召喚を出す余裕もない。
ヤバい。
過去最大のピンチかもしれない。
このまま押し切られたら、絶対なんかガッカリされる。
負けるにしても、そんな結末は絶対嫌だ。




