37 宇宙人シニカ
レイナの複雑な臓器の損傷は、強化回復でも召喚回復でも万全にはならず、いつ目覚めるか解らない状態らしい。
シニカ「メイク中に攻撃されてこんなんになっちゃったんだねー。」
「ムラサキちゃんは、彼女に召喚回復できるんだよね?」
ムラサキ「はい。それで何とかこの状態まで回復させました。」
シニカはレイナの身体を色々と調べ、ムラサキに指示しながら回復を施す。
シニカ「これで多分、近日中に目覚めるよ。」
「彼女は何を作ろうとしてたのかな?」
ムラサキ「恐らく解呪のアイテムかレイジを倒すアイテムかと。」
メイクは一度発動すると、完成まで自動で全ての霧がメイクのために使われるため、一時無能力者になる。
レイナは意図せずメイクを発動させてしまったので、才能がないと思われてしまったのだろう。
メイカーはどんな道具でも作れるが、強力な道具を作ろうとすると、数年、数十年と無能力者になってしまう。
残りの寿命以上に製作時間がかかる道具を作ろうとすれば、残りの人生は無能力者になった上に作品は完成しない。
だから、メイカーは自分のレベルと作りたい作品のレベルをしっかり考えてメイクしないといけない。
もし、彼女が何も知らずに強力過ぎる作品を作ろうとしていた場合、全くメイカーとして活躍できない単なる無能力者になってしまう。
因みに、ハスハが盗んだ宝石はメイクで作られたものだ。
メイクで作られたものはミスト・アイテムと呼ばれ、市場で極めて高い値段で取引される。
この宝石は、最も簡単なミスト・アイテムと言われているが
、市場価格で100万円はするようだ。
大体のミスト・アイテムは億単位の値がつく。
ジョージ「そのミスト・アイテムって具体的にどんなものがあるの?」
シニカ「あたしが持ってるこれは、ヨモ・ロウーラの指輪。」
「装備した人の耐久力を何倍にもする指輪。」
「これとゲートを出す速度を加速する薬を大国の宝物庫から盗んで、厳重警備されてるM・Hに飛び込んだの。」
「指輪が無かったら10回は死んでたなー。」
シニカ「他には、指から出すのと同じ精度で能力が出せる板とか、絶対に壊れない剣とか。」
「あと、何かの能力がコピーしてあって、ノーコストでそれを連発できる杖とか。」
「ホント、色々あるよー。」
ヨモ・ロウーラというのは、防具作りの有名なメイカーの名前のようだ。
武器作りのグルード、全宇宙共通硬貨「リート」を作ったリート等、有名メイカーは何人もいるらしい。
看護師がまだいるのかと聞いてきた。
そう言えば、もう夜か。
俺たちは事情があれば、何時までも病院にいて良い立場だ。
でも、レイナが今すぐ目覚める訳ではないし、迷惑になる前に帰ろう。
ムラサキ「そう言えば、シニカさんは今まで何処に住んでいたんですか?」
シニカ「住んでないよー。大学とか公園とか適当な場所で寝てる。」
ムラサキ「うち来ます?」
シニカ「行かない。人がいるとこで寝れないの。」
「いつ殺されるか解んない生活が長かったから。」
ジョージ「そっか。そんなシニカに丁度良い部屋がないかマイさんに相談してみるよ。」
「だから、気が向いたらまた来てくれよ。」
ムラモト「明日も来てくれるんじゃないのか?」
シニカ「ジョージくん察し良いねー。」
「ずっと一人で生きてきたから、今日は凄く楽しかったけど、疲れたんだよね。」
「だから今は一人になりたい気分。」
「多分また会いに来ると思うから、そのときは歓迎してね。」
ムラサキ「当たり前です。」
ムラモト「恩人だからな。」
ジョージ「まだまだ連れていきたいところが沢山あるからね。」
シニカ「ありがとね。」
「じゃあ、支部に送ってお別れで良いよね?」
そう言ってシニカと別れ、他の隊員とも別れ、家に帰る。
今度来たときは、アカネと会わせたいな。
多分、同世代くらいだろうし、楽しめるだろう。
一緒に遊ぶ方法って何かないかな。
スポーツは身体能力が桁違いだし、トランプ等は軌跡読みで不正し放題だ。
アクションゲームなら良いかもしれない。
ハスハの家にゲーム機があった気がする。
俺はどういう立場でこんなことを考えているんだろう。
下心?同情?
そういうものもあるだろうけど、何だか嬉しかったんだ。
悪意や敵意が無く、人懐っこい宇宙人が。
まぁ、次いつ来るかも解らないし、あんまり考えても仕方がないか。
明日は午後にブラック訓練。
午前中はオフだ。
マイやシニカには遠く及ばないが、俺でも簡単な軌跡読みは出来るらしい。
午前中は街を散歩しながら軌跡読みをやってみよう。




