21 キャラが崩壊するコトネ
俺は急いで屋上に向かう。
無理して倒れてないか心配だから。
コトネに限ってそんなことはないとは思うが。
屋上に着いたが、そこには誰もいなかった。
何処かに倒れてるかもしれないので「ニョロ」で探す。
コトネ「わっ!!!」
ジョージ「!!!」
コトネ「リアクション悪いー。」
突然後ろからコトネが現れた。
簡易的な気球をつくって浮いていたようだ。
あれ、コトネ?キャラが違う?
コトネ「あの日もそれ、使ってたよね?」
ジョージ「あの日?」
コトネ「出会った日。前の日?」
・・・ヤバい。バレた。
そりゃあ、そう、だよな。
ジョージ「はい、そうです。すいませんでした。」
「元々、指から盗聴器が伸びるみたいな能力だったんだよ。」
「それで、近隣住民が同じような能力に目覚めてないか、調べてた。」
コトネ「ふぅん。それで私たちの会話を聞いたってことね。」
「で、私の裸も見たの?」
ジョージ「いや、あのときはピント合わすのが難しくて、そういう用途では使ってない。」
実際、あのときリュージの襲撃が無かったら、覗き魔になっていた可能性が高いと思う。
そしたら俺もレイジと同じ悪役だよな。
結局一度もそういう用途では使わなかったし、今後も使うことはないだろう。
でも、紙一重だったんだよな。
コトネ「別に見てても良かったんだけどさ。」
「突然、超能力に目覚めたら、悪用したくなるのは当然だよね。」
「でも、ジョージさんなら密かに覗くだけで、それを画像にして脅迫とかはしないでしょ。」
「そこがジョージさんとレイジの違い。」
「ジョージさんとレイジは全然違うよ。」
ジョージ「心読めるようになったの?」
コトネ「そんなんじゃないよ。今日のジョージさんは凄く解り易い、から。」
「多分、逆の立場だったら、ジョージさんも同じように解かったと思うよ。」
コトネ「私たち、凄く似てるから。」
「頭でっかちで、常に周りを気にして、自分のことは後回し。」
「はいー!今私の身体の心配したでしょ。」
「深い傷はなくて細かいのが沢山って感じだったから、ほぼ治ったと思う。」
「循環のやり方とかコツとかは、大体想像通りだったし。」
そういえば、いつになくコトネも感情丸出しだな。
レイジに色々されて、傷付いてるんだろうな。
俺に八つ当たりして元気になるなら、幾らでもどうぞって感じだな。
いや、八つ当たりでもないか・・・。
コトネ「で、盗聴を悪いと思うなら二つ言うことを聞いてください。」
ジョージ「解った。良いよ。」
コトネ「一つ目。盗聴したことは二人だけの秘密。」
ジョージ「解った。ありがとう。」
共犯者になってくれるってことか。俺、というよりアカネのことを考えて、か。
コトネ「そういうんじゃないからね。」
「じゃあ、二つ目。思いっきりハグして。」
ジョージ「ハグって、あの?」
そういって俺はジェスチャーをする。
コトネ「勘違いしないでよ。恋愛とか色恋とか、そういうんじゃないから。」
「デトックス的なヤツだから。だから、お願いします。」
突然、何を考えているか全然解らなくなった。
女心、か。
俺はよく解らないままコトネにハグした。
ジョージ「痛くない?」
コトネ「大丈夫だから。良いって言うまでそのまま。」
何年ぶりだろう。女の子とのハグ。
アカネとのことがあるからか、性的な気持ちは殆どない。
ただ、静かに癒される感じ。
デトックス?
コトネ「良いよ。ありがとう。」
そう言われて、長かったような一瞬だったようなハグが終わった。
コトネ「何かさ、レイジに触られた感覚がずっと残っててさ。」
「それでずっと気持ち悪かったの。」
「だから、下心のないハグで浄化されたかったの。」
「アカネとのことがあるから、ジョージさん丁度良いなって。」
「予想通り、良い感じにデトックスできました。」
俺は何か言おうとしたが、コトネに防がれた。
何だ?敵か?
コトネ「父さん、母さん。」
コトネのご両親でした。
アカネのご両親にコトネとのハグを見られた?
いや、そういう問題じゃない。
中高生が夕方出かけて昼過ぎまで戻らないから、心配して来たんだよな。
聡明なコトネが上手な言い訳をしてくれるだろうけど、不安は残る。
コトネは両親を連れてコトネの病室に行った。
そういえば、元々屋上に来た目的はカネトの状況説明だった。
この説明は両親にも必要だろう。
ジョージ【カネトは無茶な能力使用で数日目が覚めない。後遺症とかの心配はない。】
俺は急いで要点だけテレパシーをコトネに飛ばした。
そろそろ休みたくなって病室に戻ると、今度はヤマトさんと知らない女性がいる。
忙しいな、俺。




