20 三姉弟、その後
アカネ「さっきまでお姉ちゃんの病室にいたんだけど、辛くてジョージとカネトの顔を見に来たの。」
「デスサイズ?はカネトなんだよね。連れてって良いかな?」
デスサイズ【この姿で移動しても良いなら。】
ムラサキ「私と一緒なら大丈夫ですよ。この病院内に限り、ですが。」
なるほど、「MM」の息がかかった病院ということか。
まぁ、霧の能力が周知されていない病院だと、この状況の説明が難しいよな。
俺・アカネ・ムラサキ・デスサイズの4人?でコトネの病室に向かう。
病室に入ると、コトネは目を覚ましていた。
コトネ「おはよう。ごめんねー、失敗しちゃった。」
「最後はカネトに良い所全部持ってかれちゃった。」
コトネは笑ってそう言うが、直後に酷くせき込む。
アカネ「内臓が痛んでるらしいから、無理して喋んないで。」
ジョージ「テレパシーで喋れよ。あと、霧の循環で回復力が増すからやってみると良い。」
コトネ【お気遣いどうも。私は後衛だから身体能力を上げる循環は後回しにしてた。】
【循環が出来てたら、こんなに皆に心配させずに済んだのにね。】
アカネ「そういう問題じゃないよ。」
「もしかしたら、このまま目を覚まさないかもしれないって言われてたんだからね。」
そう言って、アカネはコトネの手を優しく握る。
コトネ【ところで、あの方はどちら様?カネトが最後に呼び出した人?ですよね。】
デスサイズ【私はカネトの能力で生まれた分身の様なものです。】
コトネ【能力を使うと消耗するカネトが、こんな大技使っちゃって大丈夫だったの?】
デスサイズ【私の身体にはカネトの魂が多く含まれていますが、破壊されない限りカネトにダメージはありません。】
【カネトはまだ暫く目を覚ましませんが、それは"過労"です。】
カネトの"過労"について、色々と気になってきたな。
同じことをコトネが感じたら、心労になる。
ジョージ「目を覚ましたからもう安心なんだよな。」
「コトネは気ぃ使いだし、一人にした方が良いんじゃないか?」
アカネは少し迷ったが、素直に従ってくれた。
コトネから俺だけに【後で詳しく聞かせてね。】とテレパシーが来た。
察し良すぎだろ、アイツ。
4人で俺とカネトの病室に戻った後、ムラサキは離脱した。
アカネ「で、どうしたのジョージ。」
ジョージ「カネトの"過労"について。」
「単なる疲労じゃないんだろ?」
「命の危険はないが、只事でもないって感じなのか?」
デスサイズ【カネトの深い眠りは「強い意志によってレベル以上の能力を使ったこと」が原因です。】
【その代償は、「深い眠り」です。それ以外に後遺症などはありません。】
【これはジョージさんがアカネさんの腕を治したときにも起きた現象です。】
【ただし、ジョージさんのときは本来のレベルの2割増し程度だったので、「数時間」でした。】
【今回は本来のレベルの10割増し、倍以上なんです。】
【故にそのうち元気に目が覚めることは確実ですが、どの程度の期間眠り続けるのかは不明なのです。】
アカネ「何年も眠り続ける可能性もあるってこと?」
デスサイズ【いいえ、この眠りは長くても数ヶ月程度ですよ。】
【カネトは子供ですし、循環のレベルが高いので、数日で目を覚ます可能性もあります。】
アカネ「まぁ、後遺症がないなら良いか。」
「激しい戦いだったんだし、ゆっくり眠り姫してたら良いよ。」
そう言って、アカネはカネトの頭をなでる。
アカネ「でもさー、ジョージもお姉ちゃんも謙遜してたけどさ。」
「今回一番ダメだったのわたしだよね。」
ジョージ「そんなことないだろ。」
そう言って回想してみる。
いきなりトゲ男のタックルにやられて離脱。
俺と一緒で敵前についたら全部終わってた。
俺はトゲ男倒したし、その後救助活動したし、アカネに比べれば大活躍だな。
アカネ「じゃあ、何処活躍したか言ってみてよ。」
ジョージ「俺を背負って運んでくれた。」
アカネ「えー、何それー。」
ジョージ「姉と弟がラスボスと戦って負傷して、自分だけ元気で気まずいのは解るよ。」
「でも、それは巡り合わせで、別にアカネに責任がある訳じゃない。」
「そうは言っても気になるよな、お互い次頑張ろーぜ。」
アカネ「ソーデスネー。」
「では、姉と弟の無事も確認できたし、次に向けて鍛錬に行ってきますよー。」
「早く退院して、また一緒に鍛錬しようね。ブラックちゃんも一緒に。」
さて、多分コトネのテレパシーは、アカネが帰ってから説明に来いって意味なんだよな。
少しベッドで休んだら、コトネの部屋に行こう。
そう思って一息つくとすぐにコトネからメールが。
「屋上にきて」
アイツもう歩けるのかよ。




