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深夜の銃声
バン、バンッ...
深夜、銃声が静かな住宅街に響いた。
次の日の朝、「職業不詳の檻村総が銃で撃たれて死んだ」というニュースが入ってきた。檻村総は俺の父だった。父は1度仕事に行ったらほとんど帰って来ず、帰ってきたら体はボロボロだった。職業も分からず、母に聞いても軽くあしらわれた。正直、最悪な父だった。死んで清々したくらいだ。ただ、ある界隈では父の死は大騒ぎとなった。
「いやぁ、未だに信じられねえよ...」 「お母さんもよ、なんで死んじゃったのかしら...」葬式の帰り、母は泣き出した。そりゃそうだ、夫が死んだんだ。泣くのは当たり前だ。「おい、泣くなよ...いや、泣くなっつーのもおかしいか」「瞬は悲しくないの?」「いやぁ、悲しいよ」俺はちょっとした嘘をついた。家に帰ってきたら、手紙が置いてあった。
この手紙がこの後の俺の人生を大きく変えることは、まだ誰も知らなかった。