23話 食堂開店と増員
見つけて下さってありがとうございます。
予定通り本日分を投稿します。
第23話になります。食堂開店です。開店前にガブとタスクがちょっとだけイチャイチャ。食堂は繁盛するのでしょうか。
あれから俺たちは翌朝には無事にパールベックに戻ることができた。特に大きな混乱もなく自警団も食堂開店準備も順調に進めることができた。
そしていよいよ食堂開店当日だ。
俺は朝飯の時、ガブにひとつお願いをした。
「ガブ、朝飯は少し控えておいてくれるか?」
今朝は焼き魚中心の朝食だ。
味醂干しの魚を炙り漬物、卵焼き、味噌汁の取り合わせで組んだ。お米をゲットしたおかげで安心してみんなで米をたらふく食えている。
「えーっ?!どうして?一日の始まりのご飯はたくさん食べておかないと」
いつもたくさん食べてるだろーとは言わない俺はとても大人である。ガブに2杯めのご飯を渡しながら俺は真剣な顔で伝える。
「今日は食堂開店だろ?ガブ…団長代理として客に出す飯を試食してほしいんだ。昼早めに食べてもらう感じになるからさ。もちろんデカ盛りにするぞ?」
ぴきーんとガブの目の色が変わる。
皆が注目する中、急に真面目な顔になってこう宣った。
「ごほん、今日は大事なお仕事の日!ちょっと朝は控えてお昼に備えておこうかな」
はぁ、とシスとデューメがため息をついた。
「さすがというか何というか」
「お嬢…」
ガブはニッコニコである。相変わらず食べることには迷いがないな、それでこそだ。
「じゃあ頼んだぞ。10時半に食堂に来てくれ」
「りょ!」
◆◆◆◆◆
俺はガブの試食に出す飯の支度を始めた。
メインは豚肉のいいとこをスライスしたやつ、速い話がロース肉だ。
しっかりと熱したフライパンに脂身を投入、とろりと透明な脂が見えてきたら肉を投入だ。じゅわーっと良い色に焼けてくるロースを一旦大皿にどんどん移し、次々に焼いていく。あいつはよく食べるからな、3キロは焼いてやる。まさにガブ対策だ。全て焼き終わったら炒めた細切り玉ねぎと和えて再び焼く。
味付けは…
あの日に作ったものと同じ味に。
みりん、すりおろし生姜、醤油、ほんの少し砂糖…
やがてガブが時刻通りに食堂にやってきた。
「やほい、タスクさーん!時間だから参上だよっ!あーっすっごい良い匂い…なんだか懐かしいね」
「待ってたぞ、ちょうど出来立てだ。懐かしいか…もうそんなに前になるのか」
俺は湯気上がるツヤツヤてりってりの肉の山をガブに見せる。
ガブはめちゃ嬉しそうに頷く。ヨダレヨダレ。
ガブ大喜びの食堂第一号メニューは…
豚の生姜焼き定食!
このメニューは今の世界にやってきて初めてガブに作った料理だ。これを食堂の一番目に出そうとガブから提案された時は本当に驚いた。
「むひょーっ!豚生姜焼き!久しぶりだねタスクさん、本当に懐かしいなあ」
「あの時みたいに山盛り焼いたんだぞ」
「今すぐ食べちゃってもいいの?いいの?」
もう臨戦体制のガブ。フォークを片手に丼持ちでかぶりつき寸前だ。
「どうぞ、お客様に出して良いかご判断をお願いします、団長代理」
「よかろーっ!いただきますっ!」
ガブはざくりと一気に何枚ものロース肉をフォークに刺して口に運ぶ。芳しい甘辛生姜ダレの香りに包まれて女王はもしゃもしゃと咀嚼…ごくんと飲み込む。ぺかーっと光り輝いて俺に満面の笑顔を見せてくれるものだから俺も嬉しくなった。
「おっけー!これならお客さんも喜んでくれるよっ。はぐ、もぐっ!」
「お褒めに預かり恐悦至極。ガブ、これを第一号に選んでくるとはな」
豚生姜焼きは俺にも思い出の品だ。ガブはそんなに美味かったのか。
「やっぱりね、私にはこれがいっとーだから。これがとっても美味しいんだよってみんなにも知ってほしくって」
「あれはお前の為に作ったもんなんだけどな」
豚生姜焼きは初めてガブと会った時死にかけてた彼女を助けたくて作った飯だ。その思い出のせいか、とっておきっていうか、俺には特別な飯になってた。だからもしまた作るならこいつのために作りたかったんだよな。
「え?」
「いやなんでも無い。それより肉のお代わりあるからガンガン食え、いけるんだろ?」
ガブが望むんならみんなに食わせたっていい。
ガブが笑ってればそれでいい、今も俺がここにいる目的は変わらない。こいつを護ること、こいつとこれからも一緒に暮らせればそれでいい。最初の街でずっと平和に。
その第一歩が今日の食堂開店なんだ。
「もっちろん!やっぱりこのお肉料理美味しいよ、ずーっと食べてられそー!」
「ふふっ」
思わず笑みが溢れた。
初めて食べさせた時もガブは似たようなことを言ってた気がするな。
「あむっ、どしたの?笑って」
「いや、俺さ、ガブには食堂のお客さん第一号になってもらおうと思ってたんだよな。だけどよくよく考えたら一番最初に俺の飯を食べてくれたのはガブだったなって」
ガブは頬いっぱいに肉を詰めた顔でキョトンと小首を傾げる。もぐもぐごっくんと飲み込んだ途端に、にしししと悪そうな笑い顔になる。
「おやおやタスクさん、可愛らしいことを考えていたのデスネェ」
「うっさい」
思わず顔が赤くなる。
自分でも結構恥ずいこと言ったと気づいて横を向く。まずい、めっちゃ顔が熱くなってきた。これ耳赤くなってないか。
「そんなタスクさんには…」
「へっ?」
吐息がかかる気配、振り向く刹那、ガブの顔がすぐそこにあった。頬に暖かく柔らかな感触がして。頬にキスされたとわかった。
「ふふーん。テレテレのタスクさん可愛い」
「ううっ、生姜焼きの匂いがした口でやられても色気も何もないじゃないか」
自分で耳を触るとジワリと熱い。
やばい、これ絶対耳赤くなってるだろ。
きっとガブに悟られてる。
「まーたまた、照れちゃって。ガブリエラのちゅーありがたく受けておきなさいっ、旦那様?」
ガブに抱きつかれて焦る俺。
顔近い近い、まじで生姜焼きの匂いすごいし。
真正面からガブを抱っこして俺は椅子に座り込んだ。こいつ結構軽い…。
「ごほん。奥さん奥さん、最終判定お願いしますよ」
にやーっと笑うガブは俺の頭をぎゅっと抱き寄せて耳元で囁いた。こいつやりたい放題してるな、くそっ。
「にししし、合格でーすっ」
「よしっ、その返事を待ってた!」
「あっ、もうちょっとだけ」
俺はガブを押しどけて立ちあがろうとしたがしがみつかれて動けない。
「おいおい、時間押してるだろ」
「まだ後30分はあるよ。タスクさん、いよいよだね、食堂始まるね…」
俺はガブの頭に触れた。ポニーテールに手を埋めゆっくりサラサラの髪を指で梳く。しかし色気はない、豚生姜焼きの匂いがすごい。
「ああ、最初はどうしようか迷う事もあったけど、ようやくだな。ガブが応援してくれたおかげだな」
「私は何もしてないよ、ずーっと食べてばっかだった気がするけど?」
確かに食べてばっかりだった気がしなくも無いが、たとえば教会から横槍入って大食い大会なんかシスを相手にすげー活躍してた。あの時はマジで焦ったがガブの協力のおかげで何とか乗り切れた。
「お前はそうかもしれないけど俺はそうは思ってないさ」
「食べて褒められる、いい人生だあ」
ごしごしと首筋に頬擦りしてくるガブ。甘えてるのか、しがみつかれて暖かい…ハグって気持ちいいもんなんだな。あ、いかんいかん。
「ガブ、さあ始めるぞ。食堂、俺とやってくれるんだろ」
「もっちろん!主に食べる方で!」
俺は撫でていた手を軽く握り拳に変えてぐりぐりとガブの頭をこねくり回した。
「よろしく、お願いする、ぞっと」
「あたた、こちらこそっ」
コンコン。
その時ドアノックが鳴った。ふた呼吸ほどしてドアが開く。
「そろそろいちゃつきタイムは終わったか?準備が押してる、お前たちも入ってくれ」
シスが顔を覗かせてにやにや笑いながら言う。
ガブがばっと俺から飛び退いて姿勢を正すとシスに向き直った。
「い、いたゃついてなんかなひよっ!」
「噛んでる噛んでる」
「うー」
確かにそろそろいい時間だ。
外の様子はどうなってるんだろう?
気のせいか人の声がたくさん…聞こえてる?!
「気づいたか?もう食堂の前は人だかりだぞ?ご近所さんから教会関係者、公営警察隊の連中まで押し寄せてる。さあ頑張ってもらおうか!」
「ひえーっ!」
「まじかよ…」
あまりの人待ちの多さに開店を早めることになった。俺は腹を括った。なし崩し的な開店に拍手もクソもない。開店と同時にわっと食堂がいっぱいになる。最初と言うことでガブが代表して挨拶した。
「お集まり頂きありがとうございますっ!自警団食堂、開店しますーっ!」
各関係者から花束が渡された為、慌てて大きめの花瓶を用意した。かなりどっさりの季節の花々だ。カウンターに飾らせて貰ったよ。
俺は予定していた通り豚生姜焼きを次々に仕上げてさらに盛り付ける。二十皿分を一気に作るのにさほど苦労はなかった。何故かって?大食いのガブやシス用の飯を大量に作るのに慣れたせいかもしれないな。
「はいよ、豚生姜焼き20人前出来上がり、ご飯と味噌汁も行くのでよろしく!」
「はーい!」
「了解した!」
エプロン姿のシスとガブが手早く料理をお客さんへと運んでくれる。卒なくやってくれてるようだ。デューメは飯を茶碗に盛り付けてカウンターへと並べていく。俺も追っかけて味噌汁を掬っては並べていき…。
「お客さんには飯と味噌汁はおかわり自由、カウンターの鍋と釜から自由にどうぞって徹底してくれ」
まあこのセルフのお代わりシステムはわからん人もいるだろうから聞かれたら俺たちで補助すればいい。
早速飯を始めるご近所さんたち、賑やかな声が聞こえてくる。
「やっぱうめえ!こりゃ豚肉か?甘辛くて飯が進む!」
「美味しいねえ、またレシピ教えて貰わなきゃ」
「お昼はいつも一緒に食べてるんだぜ!」
あの声はサンソンさん家かな、わざわざ一家総出で来てくれたのか。
「すみませーん、小鉢とスプーンってありますかー」
そうか、子供用って忘れてた!
デューメにお願いして届けてもらう。
「はっはっは、お腹いっぱい食べていくんだぞお」
「うん!」
そしてこっちに目をやるとキーたち警察隊か。
どうやらキーは後輩たちを引き連れての来店のようだ。
「キー先輩!ごちになりやす!」
「今日は私の奢りだ。たんと食え、私はここのメニューがカレーの日は休みを取るからな、みんなよろしく頼むぞ!」
何やら後輩たちを相手に妙な取引をやってるな、キーのやつ。カレーか…毎週金曜にやるって話をしてあるからそれだろうな。
「お代わりおっけーってまじすか!ラッキー!」
「あまり無茶はするなよ。まあガブたちほどは食えはせんだろうが」
最初に客たちに教えた通りにちゃんとカウンターの釜から飯をよそってる。よかった、上手く行ってそうだな。おお、あの隊員大盛りやってる。ガブがなんかじーっとみてるな、まだ甘いなって顔してやがる。
隊員たちが二杯、三杯と飯を重ねるうち、だんだん私もやりたいな…って感じで見始めてちょっと焦った。先に食ったばかりだろ、ガブのやつ。
教会関係者たちは静かにだが美味そうに食べていた。大挙して押し寄せることはなかったのでちゃんと控えてくれているのだろう。
「おお、神の供物、ありがたき幸せ」
ぽつぽつ控えめにおかわりをしてるのが何だか微笑ましかった。飯を前に祈りを捧げる様子はちょっと驚いた。そんなに有り難がらなくても。
他にも冒険者と思しき人や通りすがりの人も加わり豚生姜焼き定食は閉店予定の14時の一時間前までに50人前が全て売り切れた。
ちなみに値段は一食500ゴールドで設定してある。日本円でまんま500円の設定だ。これは食材がとても安いおかげなんだよな。先日の洪水での一件もさほどの影響がなかったから助かってる。出来るだけ誰でも気軽に食べられる価格がいいよなって決めた額だ。
そして最後の客を見送り、予定よりも大幅に早い時刻、13時半には閉店となった。
◆◆◆◆◆
午後の反省会、絶賛開催中。
議長俺、進行役シス、書記デューメ。
立てかけた黒板に板書しつつ皆カウンターに座って飯を食べている。そしてそこにガブが加わる。
みんなで賄いの豚と卵の他人丼を食しながらの反省会だ。味噌汁と漬物付き。シスとガブだけタライみたいにでかい丼なのは言うまでも無い。
シスが食事の手を止めてみんなに意見を仰ぐ。
「では気になった点があればあげてください」
「はーい」
まずガブが箸を持ったままの手を挙げた。
「ガブリエラどうぞ」
「子供用の食器の準備をしておけばよかったかなーと」
「確かにな…メモメモ…」
確かに子供連れが多かった。
よく考えればご近所さんは子持ち多いもんな。
完全に見落としていた。
意見としてデューメが板書していく。
「はい!」
「デューメどうぞ」
書記自ら手を挙げた。デューメはキッチン側でだいぶ活躍してくれた。彼は何を見つけたのだろうか?
「一度に入れるお客さんの数が気になったな。ここの食堂は広いからついつい入れてしまいがちだが、いっぺんに20人も入られると御しきれんのではないかの?」
確かにその通りだな、今日は来てくれたお客さんを待たせないように全員すぐに入って貰ったんだが、一度に給仕となるとかなりきつい。シスとガブがフル回転して、更にデューメがヘルプに行く感じだった。
「こんなに沢山お客さんが来るとはな…」
「ガブとタスクくんは世間での知名度を甘く見てるからな、私はこれくらい来て当然だと思っていたぞ、もぐもぐ」
シスから厳しい意見が出る。しかしモリモリ卵とじの肉と飯をかき込むのは忘れない。胡麻ドレッシングのレタスサラダを間に挟み、シャキシャキ合わせながら食べていく。
「ごっくん、続けていいか?はい」
「ほい、シス」
「売り切れで断らせて貰った食べ損ねのお客さんが気になったな。50人前では足りないとわかった」
それが一番頭が痛い。俺はこぢんまりとした食堂を想像していたんだがな。何故街の人々が押し寄せる大食堂になっちまったんだ。
「何しろ二人の知名度に加えて無限レベルアップによる薬膳効果があるだろう。見たか?食べ終わって帰っていく人たちの満ち足りた艶々満面の笑顔を」
「見た目元気なさそうな人を連れてきた客もいたな。かなり元気になったのか、わしが片付けの時にありがとうと礼を言われ驚いたわい」
そうだった、俺の飯の効果があったんだった。もうみんな普通に食べてるから気にもしなかったが、これからは客も食べてくんだもんなあ。この街、いつかレベルカンストした人間が溢れかえりそうで怖い。もしそうなったら最初の街とはとても呼べないな。
「肝心の味について何かなかったのか?不味いとか味付けがどうとか、後値段とか」
「聞いとらんの」
「安くて美味いとは聞いてるぞ」
「特に何にも。美味しかったよとか、次はいつ作るかとか結構聞かれたけどね」
味については及第点を貰ったと思っていいのだろうか。飯を作る側からすればこんなにありがたい評価はないのだが。値段も手頃と思われたかな?
では今回判明した問題は…。
「準備した飯の少なさと客の多さだな」
「やっぱそこか…でもなあ、なんちゃって食堂だから限界がある。まず飯はどんなに頑張っても100食だろうな。俺の手が足りなくなる」
カレーやシチュー、一気に沢山作れるメニューなら少し量が増えてもなんとかなるだろう。個別に作るタイプの料理はやり方を考えないと俺の首が回らなくなりそうだ。
「もぐもぐ、しばらくは開店直後でお客さんが多いけど落ち着いていくってことはないのかなぁ?」
「考えてもみろ。食べたら身体健康、レベルアップ確実の飯であれば並んででも待ってでも食べたいと思わないか?下手をすればわざわざ街の外から食べに来るぞ」
俺以外の3人がうんうんと頷く。
俺が思ってる以上に人が来るというのか。
デューメが皆に茶を淹れる。
すずーっとガブが茶を啜りながら呑気にいう。
「私たちとんでもないご飯を毎日食べてるんだねえ…」
「神すらレベルアップさせる飯など前代未聞だからな。おかげで長寿の上に日々健康だ」
「わしもまた一つ新必殺技の会得ができそうな勢いだぞい」
くるりと3人は俺を向いて一言。
「人増やそ!」
「人手が欲しいな」
「せめてもう一人!」
やっぱりそうくるのか…しかし団員の補充はやったばかりだしな。あっちはあっちで自警団本来の仕事をやって貰ってるわけだし。俺的には今よりも規模縮小で動いて欲しいのだが。
折しもそんな時、自警団受付にとある人物がやってきた。
◆◆◆◆◆
「こんちわーっ、ここ自警団だろ、タスクいるー?」
自警団のカウンターに立つ女冒険者、姿は赤ビキニからマント姿で地味になっては居るが燃えるような赤い髪と目の下の三角タトゥー、間違いなくスクルドだ。
「いるぞ!よくきたスクルド!」
俺は予想外の救いの女神登場に歓喜した。いやあまさにこのタイミングによくきてくれた!食堂にもう一人欲しかったんだよ。
「おう!タスクう!約束通りきたぞ!」
「さすがスクルド、歓迎するぞ」
「へへ、シス先輩よろしく頼むぜ」
シスに快く歓待されて気を良くするスクルド。今こいつを逃すわけにはいかない。うまく引き込まねばならない!
「タスクさん、この人は?」
「ああ、ガブは初対面だったな。こいつはスクルド、三女神の一人だ。先日俺のボディガードに来てくれる約束をしててさ、来てくれたんだ」
「め、女神とな?!」
デューメが目を丸くして腰を浮かせる。毎日始祖神のシスを見てるじゃないか、今更女神の一人や二人驚かなくても。見てみろ、ガブなんかすっかり受け入れてるぞ。
「わーっ、私スクルド様の信徒なんですよ!よくお越しくださいましたーっ」
「そかそか、お前信徒だったか。堅苦しい言い回しはしなくってもいいよ、あたいのことはスクって呼んでくれ」
「はーい。じゃあスク、よろしくね!タスクさん、増強要員が来てくれたね!」
喜ぶガブに俺はサムズアップして答える。スクルドは何が何だかわかっていないようだが。今はそれでいい。
「なんだ?よくわからんがあたいが来たからには百人力だぜ!」
「ああ…仮にも三大女神の一柱をウェイトレスにしようなどなんて罰当たりな…」
デューメが頭を抱えて何か言ってたが聞こえない聞こえなーい。かくして食堂の要員補充がなされたのは喜ばしいことである。作る側ももう一人欲しいが…三女神、もう一人来てくんないかな?
俺はかなり個人的な希望と願いを込めて神に祈るのだった。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
ようやく食堂開店しました。スクルドがタイミングよく加入で店員にされちゃいますね。しばらくのんびりとした食堂展開をやっていこうかなと。やっぱり食べるお話は書いてて楽しいです。
次回は12/8の20時更新の見通しです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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