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折れた翼の英雄譚  作者: 猫の人
6章 守るべき人(王国歴153年)
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暇なイルムたち

 魔法を教えることはできない。盗賊退治にも行けない。

 イルムは働けなくなったが、公爵側の事情だから働けないので、拘束される分は給料をもらえる。

 働かなくてもいい、そう言われて嬉しいのは最初の数日だけだ。次第に暇になり、時間を持て余す。



「暇だな」

「「暇ですね」」


 ルーナとネリーの二人も、炊き出しをする余裕が減ってきたので自粛するようになって暇である。

 資金が豊富なうちはバラ撒きも苦にならないが、余裕が減ってくるとそうも言ってられない。自分達の生活レベルを下げてまで炊き出しをする気はないのだ。


 最近は食料の値段が上昇傾向にあったので、気軽に炊き出しとは言えない。



 この国、娯楽というのは思ったほど無く、余暇を楽しむのは難しい。

 最初はボードゲームを自作して遊んでいたが、数日続けばさすがに飽きる。カードゲームは作成が難しいので手を出せない。

 同じ顔ぶれだけで遊ぶのだから、多少やることを変えても意味がなかった。


 そうなると武器戦闘の訓練をするのだけど、妊娠中のルーナだけが暇になる。

 妊娠初期ならともかく、お腹が大きくなってから派手に動くのはよくない。

 運動を全くしないのもダメだが、激しい運動をしては流産になってしまうのだ。



「どこかに出掛けられれば良いんだけどな。遠出は禁止されてるし、本気でやることがない。

 かと言って、働こうにも、なぁ」

「内職を探す?」

「復興の手伝いもダメだったよね?」

「「何ができるの?」」


 イルムが愚痴をこぼせば、嫁二人がすぐに突っ込む。

 何度も同じような事を言っているので、二人の対応は厳しい。言外にいい加減にしろと、そう言っているのだ。


 普段なら、魔法を使っていいなら、いくつか内職が出来る。

 例えばガラス作成などで、イルムは前からグラスを作っていた。他にも板ガラス、色ガラスなど。ガラス製品は高く売れるので、イルムたちの良い資金源になっていた。

 もちろん魔法が必須なので、今はできない。


 他にもヒールポーションなどを作れるが、これは材料が無いし、これも魔法が使えなければ作れない。

 八方塞がりである。



 ただの料理でも材料が買えず、家に余ってなければ無駄にするわけにもいかない。

 大陸の国に比べれば少ないとはいえ、冬の村などでは餓死者が珍しくない時代なので、食料を無駄にするのは憚られる。


 木工など、その他の物品作成はすでに考え付く限り終わらせてしまった。大量に作れば生産系のギルドに睨まれるので、イルムにはやる気がない。


「散歩でもするか」

「「賛成!」」


 暇人三人はやることがない。

 公的な身分はただの傭兵なので、公爵からは、魔法以外だと戦力としてしかカウントされていない。


 弟子連中は騎士なので書類仕事も普通にある。

 三人に来客はない。


 暇な三人は、「庭の雑草でも引いておこうか。昨日もやったからほとんど残っていないけど」等と考えるのだった。

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