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折れた翼の英雄譚  作者: 猫の人
4章 聖女と守護騎士(王国歴148年)
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魔法使いの弟子たち

 イルムは何人かの弟子を取り、魔法を教えている。

 が、一つ、大きな問題がある事に気が付いた。


「卒業試験は何の魔法にするべきだろうか?」


 どこまで魔法を教えるのか、という問題である。



 イルムはゲーム知識により、ゲームに存在した魔法全てが使用可能な状態になっている。

 だが、その全てを教え切るのには何年もかかるし、公都で使ってはまずい魔法――禁呪と呼ばれる種類の魔法も存在する。


 ≪リインカネーション(死者転生)≫、≪メテオ(隕石群)スウォーム(召喚)≫、≪ネクロマンシー(アンデッド作成)≫、≪アースクエイク(無差別広域破壊)≫など。

 禁呪と呼ばれる魔法は、どれも使える事を知られる“だけ”でも不味い。教えるなどもっての外だ。


 ここはゲーム知識の通用する世界であるが、ゲームそのものではない。

 さすがにそういった魔法を教える気には全くならない。

 理由の如何に関わらず、教えようものならイルムは社会的に死ぬだろう。


 そんな危険な魔法だから禁呪と呼ばれるのだ。

 当たり前だが、教本にはそんな魔法の存在などかけらも書かれていない。



 では、それよりもワンランク下かツーランク下の魔法ならどうだろう?


 この世界の、イルムが教えられる魔法はおおよそ4段階に分けられる。

 命名方法はパターン化されており、火の魔法なら≪ファイア≫≪ハイ・ファイア≫≪エクス・ファイア≫と続き、最後に≪フレア≫となる。

 これが≪アイス≫≪サンダー≫≪ヒール≫にも適用される。


 卒業条件であれば、2段階目か3段階目で十分ではないか。

 2段階目を複数か、3段階目を一つでも覚えられたら条件クリアでいいのではないか。


 ただ、それだと補助魔法(バフ)阻害魔法(デバフ)といった魔法はどうするという話になるし、そもそも≪召喚魔法≫に≪時空魔法≫、≪仙術≫はそういったランク分けができる系統ではない。

 あと、≪アレンジ≫という魔法の効果などに影響を与える魔法スキルはどうするのかという問題もあった。



 一人前の魔法使いというのは、どこからどこまでを指すのだろう?

 「魔法が弱くても~~」というのは、戦場での評価としては間違っていないが。魔法使いの弟子に対する評価基準にはなりえない。


「まぁ、いいか」


 色々と考えていたイルムだが、「なるようになる」とばかりに考える事を放棄した。


 幸い、弟子たちはみな優秀で、努力家であった。

 学校のように期間で区切り、そこで実力を見て判断すればいいだろう。基準はあえて決めず、フィーリングで合格・不合格を決めてしまおう。

 弟子たちは優秀なので、その方が自主的に頑張ってくれるだろう。

 イルムはそのように決めた。





 その話を聞かされた最初の弟子5人全員が「今のうちに学べるだけ学ばねば!」と奮起するようになる。

 結果、イルムの想定以上に実力を伸ばし、のちの弟子の誰もが叶わないような高みに上り詰めた。


 そしてそのうちの一人、ミュロンという青年が大きな事件を起こしてしまうのだが、それはあと2年先の話である。

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