1 プロローグ
初投稿ですお手柔らかにお願いします。
『Free Infiniti Exceed』。通称『FIE』最近注目を集めているフルダイブ型のVRMMOの剣と魔法のファンタジー物だ。システムとしては職業、能力の両方にレベル制を採用しているらしい。
だけどこれだけだと良くあるVRMMOと変わらない。当然注目される理由がある。それは全ての種族になれることや進化やレベルになどに限界が無いことだと私は思う。ちなみに全て種族になれると言っているが、当然エルフやドワーフなどのファンタジーの定番種族だけでは無く、モンスターのゴブリンやスライム、はたまたドラゴンなんかにもなることができるらしい。
私はβテストの抽選には落ちたが、初回の購入予約には成功して準備も終わっている。そしてもうすぐ待ちに待った『Free Infiniti Exceed』のサービスが開始する。
私はベットに寝てヘルメット型のデバイスを装着して横になった。そして電源を入れると『Free Infiniti Exceed』の文字が映し出され私はそれを選択し一瞬の浮遊感の後視界が暗転した。
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視界が戻ると私はぶがぶかのやぼったい服を着て宇宙っぽい場所に浮いていた。
「綺麗」
左右や上に広がる星々と下に広がる地球のように青い海と大陸、だが大陸の形が全く違うことからここが『Free Infiniti Exceed』の舞台なんだな〜と思った。
「すいません」
「?」
呼ばれた方に振り向くと少し光っているプラチナロングの髪と白磁のようなシミひとつない真っ白い肌に三対の翼を持った天使ぽい凄い美女がいた。正直ちょっと見惚れてしまうぐらいには美しかった。まじまじと見ていたせいか女性は少し苦笑気味だ。
「あ、すいません、私は峰津院 九十九と言います」
「これはご丁寧に、私はケルビムと言う女神です、プレイヤー風に言えば総合管理AIです」
最近の技術は凄いらしくほとんどのゲームでAIに擬似人格が積んであるらしい。ケルビムさんにもおそらく積んであるのだろう。まともに会話ができ感情などもあるのだからふざけないでちゃんとした会話をする必要があるだろう。もっとも私はコミュ障予備軍だから結構辛かったりする。
「早速ですが、九十九様にはキャラクタークリエイトを行なって貰います」
ふむ、ここはキャラクリ用の場所だったのか。
「まず九十九様には、キャラクターネイムと種族と職業と10個の能力を習得して頂きます。デフォルトでは種族が人族、職業が見習い戦士となって居ます。ここから九十九様のアバターの変更が可能です。特に時間制限は有りませんし質問には答えますのでじっくりお考えください」
「……わかりました」
これは事前情報を見てすでに種族と職業は決めてある。種族は劣化魔機械、職業が
見習い錬成士だ。問題は、能力だ。能力は種族、職業のレベルが上がるごとと能力のレベルが5上がるごとに1SP、後はボスやイベントのクリア報酬などでもSPは貰えるらしい。SPは能力の進化や習得に使える。習得はスキルポイントなしでも可能らしい。そのためここで習得可能な能力が全てではないため能力選びに失敗しても積むことは無い。もっとも最初で躓きたく無いのでしっかり考えるけどね。ちなみに劣化魔機械にはデフォルトで能力が三個ついているらしく選ぶ能力は7個だ。付いている三つの能力は『具現化』『状態異常無効』『衝撃脆弱』の三個だ。
「……じゃあ、種族は『劣化魔機械』、職業は『見習い錬成士』、能力は『錬成』、『錬金』、『思考加速』、『魔法陣』、『解析』、『鑑定』、『生物学』でお願いします」
「わかりました。種族が『劣化魔機械』、職業が『見習い錬成士』、選択能力『錬成』、『錬金』、『思考加速』、『魔法陣』、『解析』、『鑑定』、『生物学』、『具現化』、『状態異常無効』、『衝撃脆弱』ですね。『○○脆弱』は○○のタイプの攻撃を受けると耐性がついてレベルが下がります。ちなみに『魔力操作』が無いと魔法が使えないのですがよろしいでしょうか」
「……大丈夫です」
「では能力も決まったのでステータスに反映してください」
「……わかりました」
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名前 マキナ
種族 劣化魔機械 Lv 0
職業 見習い錬成士 Lv0
能力
錬成 Lv0
錬金 Lv0
思考加速 Lv0
魔法陣 Lv0
解析 Lv0
鑑定 Lv0
具現化 Lv0
状態異常無効 Lv-
衝撃脆弱 Lv5
生物学 Lv0
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あっそういえば攻撃スキルとって無いな。ま〜錬成も有るしある程度スキルに関係のある行動をとれば獲得出来るらしいから何とかなるかな。ちなみ名前のマキナは機械という意味がある。
取り敢えずキャラの見た目の調整だ。ちなみデフォルトはリアルの体格と大して変わらない。見た目としては一昔前のロボットのような丸みのある関節に顔のないツルツルボディーだ。まあ有り体に一言で言えばマネキンみたいな見た目だ。色は白と黒、ところどころに回路のような青と赤の線が見えている。ちなみに背は低いが胸はちゃんとありつるぺたではない。小さい体格の割にかなり大きい方だ。
まぁ取り敢えずキャラメイクは背を普通より少し高いぐらいにして、胸は背を高くしてもまだ大き過ぎて見た目に違和感があるからちょうど良いくらいの大きさまで小さくして完成。
「以上でキャラクターメイキングを終了します。お疲れ様でした」
「……お疲れ様です。あの、チュートリアルみたいなのはないのでしょうか」
「ありません」
「え?」
「チュートリアルは冒険者ギルドもしくは同族やその上位種などから受けられます。ただし冒険者ギルドにとって魔物は討伐対象なので普通に襲われますし、町に入っても襲われます。ちなみに劣化魔機械にチュートリアルをしてくれる同族または上位種は初期スポーン地点には存在しません」
え?人外プレイが出来るのが売りなのに人外が街に入れずチュートリアルも受けられない場合があるって不遇すぎる気がするんだけど……
「ですがご安心くださいスポーン地点は魔物有利な所に出ますので助言が有るとすればスポーンしたエリア全部見て回った方がいいですよ」
「まっ!」
このまま送られる感じか?
「では、行ってらっしゃいませ」
「ちょっーーー!」
視界が暗転した。