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僕のクラスは厨二病 ~厨二病でもまともに青春したい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第三章 未来人?

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72.高卒で就職しなくてもいいらしい

 とりあえず部屋に戻って考えてみた。

 黒岩くんたちが欲しがっている拠点(アジト)って子供の秘密基地みたいなものじゃないだろう。

 自分たちの活動拠点ということになる。

 王国人と帝国人、それに未来人を合わせれば最低でも50人くらいにはなりそうだ。

 それだけの集団の本拠だと。

(そうだな。

 今はまだみんな高校生だが、高校卒業と同時に解散するということはなかろう。

 つまり将来に渡って組織化された活動が続く事になる。

 高級中学のサークル活動とは違うぞ)

 前から気になっていたけど無聊椰東湖(オッサン)の言う「高級中学」って瑞穂皇国の学校だよね。

 6年制で。

 つまり中高一貫校か。

(そうだな。

 あまりいい思い出がないんで忘れるようにしていたんだが)

 無聊椰東湖(オッサン)は僕なんだから、僕も忘れているわけか。

 ていうか思い出した。

 何のことはない、瑞穂皇国の学校制度がそうなっているだけだったりして。

 まあいいか。

 話を戻すと、拠点(アジト)を構えるということはその組織の基地を作ることになる。

 物理的な部屋というよりはむしろ「本拠」を構えるわけだ。

 だから法人組織にしてしまえと。

 親父と母さん、発想がぶっ飛んでいるなあ。

 息子が「部屋が欲しい」と言ってきただけで普通そこまで考えないよ?

矢代大地(ガキ)は忘れているようだが、既に矢代大地(ガキ)の手配で人が動いているんだぞ。

 同級生(クラスメイト)を束ねて現実に営業している会社に労働力として送り込んでいる。

 しかもそれが上手くいっていてテレビにも出た。

 さらにその同類が何十人も控えているんだ。

 生半可な覚悟では対処出来ないはずだ。

 それを見越して動いた矢代大地(ガキ)の親は凄いと思う)

 無聊椰東湖(サラリーマン)はそう考えるわけね。

 なるほど。

 甘くないというのはそういうことか。

 僕は単なる高校生(ガキ)だから遊びの延長みたいに考えていたけど、もうそんな状態じゃなくなっているんだろうなあ。

 それにしても親父達も酷い。

 僕の学資保険を全部解約して会社に注ぎ込めと?

 僕、高卒で働かなきゃならないのか。

 高校出た後4年くらいはモラトリアムっていられると思っていたのに!

(いや、矢代大地(ガキ)の記憶からしてみると、日本では大学2年の後半から既に就職のために動かなきゃならないんじゃないのか?)

 いやーっ!

 忘れようとしていたのに!

 僕は遊べないのか。

 就職して毎日満員電車で通勤して。

(それは一番楽で簡単な部分だ。

 意地悪な先輩や冷たい上司や理不尽な営業ノルマやブラックな職場環境が矢代大地(ガキ)を)

 止めて!(泣)

 暗い口調で僕の未来を教えてくる無聊椰東湖(オッサン)

 僕はベッドに倒れ込んでのたうち回った。

 現実(リアル)を知ってしまうと厨二病どころじゃないよね。

 ていうか厨二病になって引きこもる人の気持ちが判る。

 嫌だよう。

(まあ、矢代大地(ガキ)が発狂しても拙いのでこのくらいにしておいてやるが、解決策はあるぞ)

 無聊椰東湖(オッサン)が悪魔の囁きを寄越した。

 そんなのあるの?

 就職しないでいい?

(ある。

 つまり矢代大地(ガキ)としてはどっかの会社に入って虐められるのが嫌なわけだな?)

 そうだけど。

(だったら簡単だ。

 起業してしまえばいい。

 それなら矢代大地(ガキ)が社長だ)

 それ、正気?

 どこの世界に就職したくないからって起業する馬鹿がいるんだよ!

 出来たとしたって上手くいくはずがない。

 万一上手く行ってもブラック企業一直線だろう!

矢代大地(ガキ)の言うブラック企業とは違うだろうが、まあ普通ならそうだな。

 だが忘れてないか?

 矢代大地(ガキ)には同級生(クラスメイト)たちがついているんだぞ?)

 それがどういう……そうか!

 もう組織はあるんだ。

 それどころか一部では既に利益を上げているって?

(会社を作るというか起業するのに一番大変なのは仲間を集めることだ。

 (こころざし)を同じくする同志とかな。

 裏切られたり詐欺されたり、あるいは無能なのが集まってきてしまうリスクもある。

 だが矢代大地(ガキ)にはもう、絶対裏切らない配下が何十人もいるじゃないか。

 しかも無能な奴は一人もいない)

 同級生(クラスメイト)たちは僕の配下じゃないけど。

 でもそうか。

 高巣さん(王女様)が社長になったら忠誠心溢れる社員が大量についてくると。

 王国人も帝国人も休戦協定交渉団に選ばれるくらいだから優秀だろうし。

 僕は会社の資本金出して経営陣の一角にひっそりと席を確保すれば将来安泰かも。

(まあ、その分働かされるだろうが、少なくとも就活で苦労することはないと思うぞ)

 無聊椰東湖(オッサン)が揶揄するようなことを言うけど無視。

 なるほどなあ。

 これは一考の余地はあるかも。

 学歴は高卒でも起業メンバーの一人で株主なら会社を首になることもないだろう。

 せいぜい無能で窓際に追いやられる程度か。

 最悪の場合は会社辞めて株主として配当だけで暮らしたりして。

 ああ、だから親父は僕の学資保険を崩してでも最初の資本金を出させようと。

 いいかも。

 高卒でも会社役員って出来るよね?

会社員(サラリーマン)に学歴が必要なのはまず会社に「採用」されなければならないからだ。

 それが「常識」だ。

 最初から社長なら中卒だろうが高校中退だろうが誰も文句は言わんぞ。

 自分がトップなんだからな)

 そういうことね。

 ならばいいか。

 僕が居間(リビング)に戻ってみると両親はまだだべっていた。

 簡単なつまみが出ていて母さんの前にもグラスがある。

 飲んでいたらしい。

「どうしたダイチ」

「何か質問が?」

 息子に一世一代の決心を強いた割には軽いね。

 僕がソファーに座って決心がついたことを話すと両親は驚いたように聞いてきた。

「もう決めたの?」

「決断が早いな。

 しばらく悩むと思っていたんだが」

「色々考えたけど就活しないでいいんなら高卒で働いてもいいかなと」

 顔を見合わせる両親。

「何の話だ?」

「ダイチ、大学行かないつもりなの?」

「え?

 だって僕の学資保険を資本金にするって」

 あっけにとられたように静止した両親は次の瞬間ゲラゲラと笑い出した。

 何が可笑しいの?

「いやすまん。

 マジで取られていたとは」

「あれは冗談よダイチ。

 そのくらいの覚悟でやりなさいということ」

 何だってーっ!

 僕の覚悟は笑い話なのかよ!

 ふて腐れていると親父が言った。

「そう怒るな。

 お前は自分の働きで得た金を既に持っていると言いたかっただけだ」

「あんたの親を馬鹿にしないで。

 息子の学資保険を解約なんかしなくても、そのくらいの蓄えはあるのよ」

 そうなのか。

 まあ共働きで、しかも二人とも結構偉いみたいだからね。

 ブラック企業みたいだし。

 それ相応の収入はあるんだろうな。

 実感ないけど。

「金は貸してやる。

 お前の学資保険が担保ということだ。

 まあ形式上な」

「そうしないと贈与税とかかかってくるからね。

 親子の間でもそういうことははっきりしておくのよ」

 大人の世界って怖い(泣)。

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