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僕のクラスは厨二病 ~厨二病でもまともに青春したい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第二章 帝国人?

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38.デートらしい

 親父の所に情報が伝わってきたようなんだけど、例の清掃会社にテレビ局が取材を申し込んできたそうだ。

 比和さん達王国のメイド部隊がバイトしているところだね。

「『青春は労働だ』というようなテーマのドキュメント番組らしい。

 若くても地道に頑張っている人を取り上げて密着取材するということで」

「それで取材を許可したの?」

 僕はあの何とかコーポレーションの社長さんを思い出しながら言った。

 真面目で誠実そうな人だったけど、そんな怪しい番組の話を受けるかなあ。

「会社としては宣伝になるからな。

 一応調べてみて、特に問題なかったからOKしたと聞いている。

 取材対象が大地のガールフレンドたちだったから相当用心してチェックしたらしいぞ」

「比和さんは僕のガールフレンドじゃないってば」

 今度デートするけど。

 それにしても「ガールフレンドたち」って何だよ。

 僕のガールフレンドが複数いるみたいじゃないか。

本人(比和さん)たちは知っているの?」

「その点は大丈夫だ。

 きちんと本人および学校からも許可を取ったそうだ。

 あの娘たち、大地の学校のクラブか何かなんだって?

 取材対象になったのはそれも理由のひとつらしいぞ」

(なるほど。

 働く若者ならいくらでもいるが、さすがに高校のサークルが丸ごとバイトしている例は少ないだろうからな)

 無聊椰東湖(オッサン)は正しい。

 今や比和さんたちのグループは如月高校だけじゃなくなっているからね。

(それに何と言ってもあの娘は美人だし)

 それが一番の理由なんじゃないかな。

 アイドルにもなれそうな美少女が清掃のバイトやってるって、それは美味しいコンテンツかも。

「もう取材は終わって編集段階とか言っていたぞ。

 問題もなかったみたいだから近いうちに放映されるんじゃないか。

 あの娘は美人だから話題になるかもな」

「ふうん」

 僕にはあんまり関係なさそう。

「何だ、気にならないのか」

「別に。

 言っとくけど僕と比和さんは本当に関係ないからね」

 今度デートするけど。

 数日後、SNSで回ってきた連絡で開催日時と場所が指定された。

 良かった。

 僕、デートなんかしたことないし、どこに行ったらいいのか全然判らなかったからね。

 それにあの後、比和さんはともかく高巣さん(王女様)が参加なさるのなら護衛も必要でございます、とか黒岩くんが言い出して、結局クラスの3分の1近くが参加する行事になってしまった。

 もうデートじゃないよ。

 ラノベでもそんな状況、あんまりないんじゃないかな。

 そもそもラノベで厨二病患者が大量に出てくる話ってほとんど見ないけど。

 その集団デートだか王国王女の状況視察だかの日、僕は一応さっぱりした服装で出かけた。

 最近のラノベだと高校生男子でも眉毛揃えたり髪を工夫したりしているみたいだけど、僕はそんなことはしない。

 同級生(クラスメイト)たちもほとんどやってないんじゃないかなあ。

 ギャルだった頃の比和さんすら、髪型とかはごく普通だったもんね。

 ああいうのってやっぱラノベだけの現象なんだろうか。

 それとも如月高校が特別にダサいとか。

 まあどうでもいいけど。

(ホントに枯れてるな矢代大地(ガキ)

 モテたいとか思わんのか)

 今からモテてどうするんだよ。

 結婚するわけじゃないし。

 ああ、こんな風に考える事自体が無聊椰東湖(オッサン)の影響かもしれない。

(人のせいにするな)

 はいはい、自分(おっさん)のせいだよね。

 集合場所に指定された駅前には既に数人が集まっていた。

 高巣さんや比和さんがいる。

 全員女の子?

 男はどうした?

「あ、ダイチさん!」

 比和さんが僕を見つけたのか手を振って呼んでくれた。

 ラノベかよ!

 高巣さんがお辞儀する。

 当たり前だけどみんな私服だ。

 僕にはよく判らないけどカラフルなワンピースとかそういう服ばかりで華やかだ。

(ホントに枯れてやがるなこのガキ)

 ほっとけ。

「女子だけ?

 黒岩くんたちは?」

「行く予定の場所を視察しています。

 事前に危険を排除するとのことで」

 神籬さんが怜悧に言った。

 デート順路の確認か。

 むしろ軍事行動みたいだな。

 いや違うか。

 天皇陛下とかが行幸するとしたら間違いなくSPが事前に経路を調査するもんね。

 それと同じかもしれない。

 もうデートじゃないよ。

護衛(ガード)はいないの?」

「いますよ。

 ほら」

 神籬さんがさりげなく指さす方を見ると、確かにいた。

 少し離れた場所に(マッチョ)琴根(イケメン)がこっちを見ないようにしながら立っている。

 護衛が離れて良いのか。

「畏れ多いので離れて護衛するそうです。

 何かあればすぐに駆けつけると」

 そうなの。

 まあ別に良いけど。

 しかし困ったな。

 比和さんや高巣さん、神籬さんに宮砂さんといった美少女の中に男は僕ひとりか。

 ラノベではよくあるシーンだけど、現実では気まずいだけだ。

 僕はラノベで言えば確実にモブ、良くて友人キャラなんだけどなあ。

 主人公が遅れてくる時の友人は居たたまれないぞ。

 モブは集団でこそモブだから、一人でいたら目立つだけだし。

 ていうか主人公って誰だよ。

 幸い美少女が集団で広場にいるというのに声を掛けてくる不良役はいなかった。

 ラノベだと定番だけど、ああいうのって実際にはめったにいないよね。

 そもそも美少女が駅前とかで誰かを待っている風だったら当然相手がいるわけで、突然声をかけてきたチャラ男なんかについていくはずがない。

 原宿なんかではキャバクラのスカウトが待ち構えていると聞いたことがあるけど、比和さんたちは美人は美人でも傾向が違うからな。

 女の子たちの中に男一人だけなのはきついのでちょっと離れようとしたんだけど宮砂さんが話しかけてきて逃げられなかった。

 (マッチョ)琴根(イケメン)が逃げたのもこのせいか。

 しょうがなくて適当に受け答えしながら待っていたら、ようやく声をかけてくる人がいた。

「よう。

 久しぶりだなダイチ」

「しばらくぶりです」

 何で谷くんと八里くん、いやアキラとショーゴがいるの?

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