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僕のクラスは厨二病 ~厨二病でもまともに青春したい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第十四章 大学?

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314.無試験合格らしい

 色々言い訳されたけど、結局の所は矢代興業の問題だった。

 というよりは従業員の。

 如月高校や御厨台高校に在籍している王国や帝国の人たちは、そのほとんどが来年高校を卒業する。

 みんな未成年だから進学するにしろ就職するにしろ親の意見を無視出来ない。

 就職は矢代興業でいいとしても、大学に行ったらバラバラになってしまう。

「実は諸般の事情で進学が難しい者共もおりまして」

 黒岩くんが話を濁した。

 アレか。

 護衛兵の中には成績的にどうにもならない人もいるわけね。

 しかもみんながみんなスポーツ推薦を取れるわけじゃない。

 取れたとしても遠地の大学なんかには行かせたくない。

 だとすれば。

「それで自前の大学を持ってしまえと」

「そうでございます。

 最初は荒唐無稽に思えたのでございますが、検討するうちにこれは妙手ではないかと愚考致しまして」

「そうか。

 その大学は矢代興業の子会社みたいなもんだから在学しつつ矢代興業で働けると」

「しかも専門職大学でございますからな。

 仕事を覚えて技能を磨く場でもあります。

 だとすれば矢代興業にとっては一石二丁、いえ三丁も四丁も有り得ます」

 凄い。

 よく考えたというか、運が良いのかもしれないな。

 だって専門職大学の制度って来年からなんだよ。

 1年早かったら実現出来なかったのでは。

「まだ問題は山積みですぅ」

 信楽さんが水を差した。

「例えば?」

「矢代興業がぁ単独で独自の大学を作るのは無理ですぅ。

 何の実績もないのでぇ、国の許可が降りないと思いますぅ。

 かといってぇ専門職大学を立ち上げられるほどの組織はぁ基盤がしっかりしてますぅ。

 矢代興業(我々)がぁ食い込むのは難しいですぅ」

「でもその何とかいう大学は大丈夫なんでしょ?」

「一番実現性がぁ高いと言うだけですぅ。

 実際にはぁ、宝神国際大学の専門職大学化はぁ行き詰まってますぅ」

 信楽さんによれば資金不足に加えて現在在籍している学生をどうするか、という問題があるそうだ。

 そのホージン大学は現時点では普通の4年制大学で当然ながら学生がいる。

 3桁の中頃って大学の学生数にしては少ない気がするけど、それでも何とかしようとしたら多い。

「その人たちは専門職大学に移籍出来ないの?」

「専攻や学科がぁまるで違いますぅ。

 移籍するとしてもぉ最初からになりますぅ。

 来年度からぁ新入生として扱うしかなくなりますぅ。

 でも大学側としてはぁ入学してくれた学生を最後まで面倒を見る責任がありますぅ」

 それはそうだよね。

 某スクールアイドルアニメでも似たような話が出ていたけど、生徒数が減って廃校にしようとしても最低限在籍している生徒が全員卒業してからになる。

 学校がなくなるから辞めてとは言えないから。

 とすればそのホージンとかいう大学は最低でも来年から3年間は今の学部学科を継続させないといけない。

 でもそれって凄い負担になるよ?

 だって本来の学部や学科とは別に教授や講師、あと設備なんかも維持しなきゃならないはずだ。

 いくら矢代興業にお金があってもそんなの無理なんじゃ。

 ふと気づくと黒岩くんや神薙さんが期待を込めた視線を信楽さんに注いでいた。

 やっぱ信楽さん、矢代興業を完全に牛耳ってるよね。

「……つまり、そういう事も全部ひっくるめて何とかなる算段があるってこと?」

「まあ、そういうことですぅ」

 のほほんと応える信楽さん(首領様)

 ならいいか。

 僕としては正直、進学する先は大学でありさえすれば後はどうでも良いと思っている。

 東大とかハーバードとかならともかく、有名だったり就職率が高かったりするだけの大学なら今の僕にはメリットないもんね。

 考えてみたんだよ。

 なぜみんないい大学だったり特定分野に強い大学に行くのかというと、ひとつは就職だ。

 当然だけどいい大学を出るといい会社に入れる確率が高い。

 というより噂では就職願書出す時や説明会の参加でも大学名で足切りがあるらしいしね。

 もう一つは、何かどうしてもやりたい事とか将来進みたい分野があって、その大学に行かなければ難しいと判っている場合だ。

 で、僕はそのどっちにも当てはまらない。

 もう矢代興業に就職? してるから就活する必要がない。

 つまりいい大学を出ても無意味。

 何かやりたい事とか進みたい分野もない。

 だったら矢代興業が関係する大学に行くのが一番いいんじゃない?

「うん。

 来年、その大学が確実に開校するんだったら行ってもいいな」

 僕が言うと黒岩くんや神薙さんがなぜか深く息を吐いた。

「それは重畳」

「さすがはダイチ殿。

 いざという時の決断力は素晴らしい」

 いや、僕だって一応メリットデメリットを計算してますが(笑)。

 すると神薙さんが黙っていた高巣さん(王女様)の方を向いて頭を下げた。

「姫殿下もよろしくお願い致します」

 ぼーっとしていたらしい高巣さんは慌てて手を振った。

「あの、ええと。

 わたくしにはよく判らないのですが」

「姫殿下にも宝神総合大学への進学をお願い致します。

 ちなみに」

「ちなみに?」

「当大学に進学を希望された場合、姫殿下は無試験合格でございます」

 それかよ。

 まあそうだろうね。

 何てったって高巣さんは大学を所有している矢代興業の副社長だ。

 そんな人を落とすはずがない。

「無試験というのは」

「むしろAO入試でございましょうか。

 姫殿下の内申書を元に合否を決めさせて頂きます」

「……ということは、わたくしはもう」

 そこで気づいて言葉を切る高巣さん(王女様)

 うん。

 言っちゃ駄目な台詞ってあるよね。

 でもなるほど。

 つまり僕も無試験合格だ。

 どっかのFラン大より簡単だな。

 だって僕、多分願書を出す必要すら無さそう。

「それではそういうことで」

「お願い致します」

 黒岩くんと神薙さんが締めた。

 進学先が決まってしまった。

 いいよね?

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