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僕のクラスは厨二病 ~厨二病でもまともに青春したい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第十一章 ヲタク?

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250.勉強会再びらしい

 もうあまり知りたくないような気もしたけど一応全部聞いた。

 何かよく判らなかった。

 でもサークルの大半を巻き込んだ凄いイベントになりそうだということだけは判った。

 比和さんたちのサービス? はごく一部で、その他にもコスプレを含む劇やアトラクション、観客参加型の出し物が並ぶ予定だそうだ。

 もちろん現文研だけでそんなことが出来るはずがないから外部の力を借りる。

 具体的には運動部や美術部、演劇部といったサークルの有志で、本来の所属サークル活動に支障がない限り出来るだけ協力してくれるらしい。

「そんな手配をどうやって」

「もちろん『王国』でございます」

 さいですか。

 確かに元2年1組(王国)体育系同級生(メンバー)は今3年生で、各部活では指導的な立場だ。

 部長や主将が「やろう」と言ったらサークルメンバーは逆らえないもんね。

 何てこった。

「体育系だけではなく文化系サークルについても大半に協力を申し出て頂けており」

「もういい。

 判ったから」

 嬉々として説明する宮砂さんを止める。

 嬉しくて堪らないみたいだ。

 そうか。

 矢代興業の新規事業プロジェクトリーダーということは、つまり如月高校文化祭の乗っ取りについても権力者(トップ)だからね。

 組織の力で権力(パワー)を振るえる美味しい立場だ。

「失礼な。

 私は仕事として」

「はいはい」

 高巣さん(王女様)を伺うと頷いてくれたので解散を宣言する。

 全部任せるから良きに計らっておいて下さい。

 まだ話したりなさそうな宮砂さんや面倒くさいことは一刻も早く片付けて仕事にかかりたい神籬さんにもお礼を言って出ていってもらう。

 比和さんは「それではダイチ様」と名残惜しそうに言って去った。

 忙しいんだろうね。

 比和さんとのデートはいつになるやら。

 残ったのは僕の他には信楽さんと高巣さんだけだった。

 信楽さんは僕の秘書なのでいてくれる。

 信楽さん以外の2人は暇、というよりは差し当たって仕事がない。

 生徒会でも矢代興業でも。

 無能だから(泣)。

「お疲れさまでした」

 高巣さんが微笑みながらお茶を入れてくれた。

 どうもこの技能を認められて、というか練習の甲斐あって上手く煎れられるようになったせいで率先して駆使したがるみたいだ。

 王女様なのに。

「わたくしだって役に立てます」

「いやそれって王女様の技能というよりは。

 まあいいけど。

 ありがとう」

「ありがとうございますぅ」

 信楽さんはいついかなる場所でもマイペースだった。

 その気になれば矢代興業のどんな部署でも活躍出来そうだし、生徒会を仕切らせても完璧にやるだろうけど今は僕の秘書だ。

 これは能力的にではなくてむしろ信楽さんの方が隔離されているとみた方がいいかもしれない。

 まだ怖がられているらしいんだよ。

 ていうか実際に護衛兵の人たちを顎で使っているみたいだし。

 信楽さんこそ影の支配者なのかも。

「そんな面倒なことはしないですぅ。

 私ぃは矢代会長の側にいる方がいいですぅ」

 変わった人だよね。

「その気持ちは何となく判ります」

 高巣さん(王女様)がくすくす笑いながら言った。

「ダイチ殿の側にいれば特等席でイベントを見物出来そうですし」

「それって僕を山車にして傍観者に徹するってこと?」

 聞いてみたけどニコニコされただけだった。

 もういいよ。

 話を変えよう。

「そういうことで文化祭は気にしないことにして高巣さん気づいている?」

「何にでしょうか」

「文化祭の前に定期テストがあるよ」

 そうなんだよ。

 色々あって忘れていたけどそろそろ前期の中間テストが迫ってきているのだ。

 如月高校は2学期制なので前期は4月から9月までだ。

 よって中間テストは6月末にある。

 前期の期末テストは9月で夏休みが明けた直後というきついスケジュールなんだけど、それは今は忘れる。

 差し当たっての問題は中間テストだ。

「そうでした。

 ダイチ殿はともかくわたくしは悪い成績をとるわけには参りません」

 高巣さんが少し青ざめていた。

 やっぱ忘れていたらしい。

 でも僕は関係ないって?

「黒岩から聞きましたがダイチ殿は今のままでも一芸入試でどの大学にでも入れるそうですね。

 つまり如月高校の推薦は必要なし。

 でもわたくしはそうは参りません」

「あー、あれ?

 いやだよ面倒くさい。

 一芸入試なんかで入ったら何か義務がついてきそうじゃない」

 よく知らないけど少なくとも注目はされるよね。

 僕は雑魚(モブ)として大学の喧噪の中に溶け込みたいんだよ。

「矢代会長はぁ、どんな形で進学してもぉ、注目は浴びると思いますぅ。

 というよりは進学するしないに関わらず注目の的ですぅ」

 信楽さんが嫌な予言をぶつけてきた。

 そうなのか。

 僕、何もしてないのに!

「それは後のことに致しましょう。

 まずは目前に迫った中間試験です」

 高巣さんが強引に話を戻す。

 何か必要以上に慌ててない?

「高巣さん、勉強してないの?」

 思いついて聞いてみた。

 沈黙。

 まさか。

「……色々ありましてつい勉学がおろそかになっておりました。

 ダイチ殿のお話を聞く限りでは生徒会役員は全員無条件で推薦を頂けるものかと」

「いや、それは学校側から釘をさされているんだけど無条件というわけにはいかないと思う。

 如月高校にも面子ってものがあるからね。

 内申書がイマイチでは推薦出来ないって」

 僕の場合も実はそうだ。

 矢代興業の社長というのは学外の評価であって如月高校には関係ないから。

 だから推薦における僕の評価は生徒会会長としての仕事と成績だけで決まる。

 生徒会長はこの分なら無事勤め上げられそうだから後は成績だ。

 学年30番台は結構厳しいと思うんだよね。

 だから僕は何があっても黙々と勉強している。

矢代大地(ガキ)のそういう所は素直にスゲーと思うよ)

 無聊椰東湖(オッサン)が口を挟んできた。

(それだけやっても推薦を使わないかもしれないんだろう。

 お前は石橋を叩いても渡らないタイプだな)

 そうかもね。

 ただ僕は選択肢は出来るだけ広げおいた方がいいと思っているだけなんだよ。

 まあいいか。

「……ダイチ殿」

 あー、やっぱそうか。

「また勉強会する?」

「是非!」

 しょうがないなあ。

 まあ暇だし。

 そう思っていたら信楽さんが言った。

「私ぃが家庭教師しましょうかぁ?」

 そういえば信楽さん(この人)、天才だったっけ。

 ていうかそういう設定の厨二病患者なんだけど。

 でも実際に異様に勉強が出来るみたいなのは事実だからなあ。

「いいの?

 前に教える方はさっぱりだとか言ってなかった?」

「塾の講師とかは勘弁ですぅけどぉ、マンツーマンでならやれますぅ。

 高巣先輩の成績を学年30番台まで上げればいいのですねぇ?

 目標がはっきりしているのでぇ、やるのは簡単ですぅ」

「信楽さん!

 是非、お願いします!」

 必死な高巣さん(王女様)(笑)。

 高巣さん(王女様)のご命令ならしょうがないなあ。

 じゃあ、みんなで勉強会しますか。

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