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僕のクラスは厨二病 ~厨二病でもまともに青春したい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第九章 次元旅行者(ディメンショントラベラー)?

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201/381

200.ベテランらしい

次元旅行者(ディメンショントラベラー)

 それはつまり並行世界を渡る者ということでございますね?」

 意外にも黒岩くんが真っ先に反応した。

 ていうか衝撃から立ち直ったみたい。

 自らが厨二病であることを立証してしまいそうな話だからね。

 大抵の人は気づいても躊躇するかもしれない。

 だけど黒岩くん(相談役)は勇気ある人だ。

 厨二病だと思われようが構わない……わけではないと思うけど、責任は取るわけね。

「そうだね。

 しかも信楽さんって同じ時間を繰り返していると思う。

 一定期間を何度も経験しているとか。

 それで合ってる?

 信楽さん」

 ご本人に振ってみる。

 だって他の連中からは反応なさそうだったし。

 無理だよね。

 みんなは前世が王国人だったとか帝国人だったとか未来人や超能力者や宇宙人だったという妄想に取り憑かれているだけの平凡(・・)な厨二病患者だ。

 タイムリープと並行世界を組み合わせたようなラノベ的厨二病の妄想なんか拒否反応が出るだけだろう。

 でも僕は常識人(モブ)だ。

 従ってありとあらゆる厨二病に対して耐性があるんだよ。

(俺がいるけどな)

 無聊椰東湖(オッサン)は黙っててよ!

「そうですねぇ。

 矢代会長は凄いですぅ。

 ほとんど正解ですぅ」

 信楽さんの間延びした声が響く。

 やっぱしか。

 これで僕にも「厨」の焼き印が押されてしまった。

「……よく判らないんだが。

 説明しろダイチ」

 (アキラ)さんの怒りを無理に抑えたような発言。

 信楽さんを見たらニコニコしているだけだ。

 しょうがない。

 僕はため息をついて立ち上がった。

「信楽さん。

 間違ってたら言ってね。

 それから僕の質問に答えて」

「はいですぅ」

 腹の力が抜けるからその口調は止めて(泣)。

「まず信楽さん。

 君が今の状態になったのはいつから?」

「去年の5月13日からですぅ。

 これは今の世界を含めての話ですがぁ」

 やっぱし。

 あの日に何があったんだろう。

 でもこれで信楽さんも僕らの仲間(厨二病)であることが証明されたわけだ。

 嫌な証明だな(泣)。

「それで?」

 刺々しい(アキラ)さんの声に追い立てられて僕は話した。

「信楽さんは多分、別の時間線で王国や帝国のみんなと知り合ったんだろう。

 須藤さん(宇宙人)たちとも。

 でもその時には僕はいなかった。

 そうだよね?」

「はいですぅ」

 楽でいいなあ。

「で、そのまま一定期間が過ぎたある日、時間が巻き戻った。

 それでいい?」

「ちょっと違いますぅ。

 ある朝起きたら5月13日だったんですぅ」

 一斉に小声で話し出すギャラリーの皆さん。

「私語は禁止!」

 神籬さんの鋭い叱責でざわめきはぴたっと止まった。

 恐るべき統制力?

「初期化されたわけか。

 それで?」

 僕が振ると、信楽さんは視線を彷徨わせながら話してくれた。

「最初は巻き戻(タイムリープ)したと思ったですぅ。

 そういうアニメを見ていたのでぇ、『やり直し』出来ると思って嬉しかったのですがぁ」

「出来なかったのか?」

「そうじゃなくて前の世界と少しだけ違っていたですぅ」

 やっぱりか。

 ラノベやSFで出てくる巻き戻し(タイムリープ)って同じ時間線を何回も繰り返す事が多いんだよね。

 もちろんそうしないと(ストーリー)が分散してしまうからなんだけど、時間を戻ったんじゃなくて別の時間線に移動したと考えることも出来るんだよ。

 並行世界って同じようでいて少しずつ違うから「並行」世界と呼ばれる。

 おんなじだったら単に同じ世界だもんね。

「違っていたとはどのようにでございましょうか」

 黒岩くんが発言した。

 好奇心が沸いたんだろうな。

 もともと学者風の人だから。

「私ぃ、つまり信楽友梨香自身も前とちょっとずつ違っていましたぁ。

 例えばマンションに住んでいたはずなのにぃ、起きたら一軒家の自分のお部屋だったこともありましたあ。

 クラスや学校が違っていたこともあってぇ、大変なんですよぅ」

 それは悲惨だろうな。

 ラノベでもよく出てくるけど過去で誰かが何かをした結果、現在の状況が変化してしまったという事か。

 主人公だけが過去の記憶を持っているわけで、いきなり同級生(クラスメイト)の顔ぶれが変わっていたり親友がいなかったりしたらきついだろう。

 それどころか通っている学校や所属するクラスが変わったら混乱するどころじゃないぞ。

「それで大丈夫だったの?」

 思わず心配になって聞いてしまった。

「何回かやるうちにぃ、慣れましたぁ。

 私ぃは普段から不思議ちゃんと思われててぇ、変な事をしたり言ったりしてもスルーされるので助かりましたあ」

 いやそこは助かっちゃ駄目でしょう(笑)。

 てことは信楽さんのこの性格って厨二病のせいじゃなくて元からなのか。

 だから厨二病に罹ったとか?

(もしくはそうだから狂わずに済んだのかもな。

 今の話からすると普通の人間に耐えられるとは思えん状況だぞ)

 それはそうだ。

 突然異世界に放り込まれたら大抵の人は適応できないだろう。

 しかもラノベ的に神様から説明があったりチート貰ったりするわけじゃないからね。

 まあ、そういう言い方すれば僕を含めてこの部屋にいる人は全員、それに耐えてきたわけだけど。

 でも信楽さんの場合は僕たちよりきつかったんじゃないかな。

 だって慣れ親しんだ環境と微妙に異なる状況に放り込まれるんだよ?

 前世を思い出すのとは訳が違う。

 しかもそれを何回も繰り返すって。

(ちょっと待て矢代大地(ガキ)

 今何て言った?

 いや思った?)

 ええと、微妙に違う世界で目覚めると。

(違う。

 お前は『繰り返す』と考えたぞ。

 何でそう思った?)

 いやだって、これが2週目の世界だったら「今の」というような単語が出るはずが。

 あれ?

 てことは信楽さんって本当に何度も「繰り返して」いるわけ?

 僕は唾を飲み込んでから言った。

「信楽さん」

「何ですぅ?」

「今この世界って信楽さん的には何度目なの?」

 すると信楽さん(厨二病患者)はのほほんとして言った。

「多すぎて判らないですぅ。

 でもまだ百回までは行ってないと思いますぅ」

 パネェ。

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