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厨二病?
現代日本の高校生にある日突然前世の記憶が蘇ったら、というお話です。
チートはありません。
記憶だけです。
目が覚めた。
(やれやれ、今日も一日仕事か。
遅刻しないように二度寝は避けないと)
今日は確か1時間目の数学で小テストがあると先生が言ってたっけ。
(昨日の会議で企画が突っ返されたから練り直して……)
え?
僕は飛び起きた。
(ベッドから飛び降りて辺りを見回した。
いやいや、俺の家は畳敷きしかないはずだ。
ここはどこなんだ?)
ここは僕、矢代大地の部屋だよね?
うん、間違ってない。
僕は矢代大地、県立如月高校2年1組出席番号32番の男子生徒、16歳だ。
(でも俺は無聊椰東湖、37歳だぞ?
ハマルト機業企画部第ニ課主任だ)
僕/俺は腰の力が抜けて座り込んだ。
黄金週間が終わってそろそろ初夏の風が吹き始めたかなと思える暖かい日。
窓の外は日本晴れだった。