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ボクのヒーロー私のヒロイン

作者: さじま

タイトルだけを先に思いついて、内容は勢いと言う短編ですが、笑って読んで頂けると嬉しいです。

ある日突然、異世界にたった一人召還されて、勇者とかいう役目を押し付けられた高校生の俺。

テンプレすぎるだろぉ~と嘆く暇もなく、偉そうな王様に有無を言わさず

「この世界を脅かす魔王を倒せ」と命じられて、従者を二人つけられた。


魔法使いの青年と、戦士だという女の子。

どちらも整ったお顔立ち。


この二人、カップルだったらボッチ決定じゃん。

俺、勇者なのに(´・ω・`)とか思ってたけど、そんなことはなかったぜ。


そもそもカップルと余所者の俺の三人組とか気まず過ぎるじゃん。

人付き合いのスキルはそれなりの俺だって、何も知らない世界に一人なのに、いきなりのお邪魔虫ポジションじゃ凹むってば。


んで三人初対面なことに安心して、打ち解けたり異世界の常識とかを教わりつつも、湧いて出る小物な魔物を倒しながら、暫く旅をしていたら、可愛い戦士の女の子が、段々元気を無くして来た……。


ここまで一緒に旅した仲間だし、心配になって相談に乗ると、

「故郷の戦士の里に居るネイさまに会いたいのです」と言う。


お姉さんかぁ、シスコン百合美味しい…ゲフンゴフン。

いやいや、この子ホントに可愛いし、お姉さんもさぞかし美人なんだろうな~。

美人の女戦士系とか、うっひょ~。


「んじゃ、その故郷に行って、一緒に来て貰おうよ」と外面爽やかな笑顔で提案した。

美人は多い方がいい。

いや別にハーレムとか狙ってないよ?

男のロマンだよ?


素直に隠さない下心満載で、戦士の里へと、レッツらゴー♪


…………ねいさまは、姉さまではなく、ネイさまでした、なんのことだか分からない?

ああ俺だって分かりたくもなかったさぁ。

名前です。

立派なカッコいい戦士なお兄さんのお名前がネイさんでした。

しかも戦士ちゃんの許嫁でした~。


男率無駄に高くなったけどもネイさん本気で使える人だし、人前で公私混同しない立派な大人の戦士さんだし、イイ人だし。

俺だって、人様の純愛にちゃちゃ入れるほど腐っちゃいないので、宿屋では当然のごとく同室に宿泊する二人を 生温かい目で、祝福しましたよ。


彼女欲しいです。

勇者だって青春したいです。


そんなこんなの日々の中で、今度は黙々と健気にサポートしてくれていたイケメンな魔法使いくんが、

「自分の師でもあるアニを呼びたい」と言い出した。

出て来る魔物が、そろそろ凶悪に成って来ていて、自分一人での後衛はキツイのだと言う。


そらそうだね、魔族の支配地にどんどん近付いて行ってるんだし。

もういいよ、男が何人になろうとも。

いっそ野郎ばかりを取り揃えて、対峙した魔王がドン引くくらいの、暑っ苦し~いパーティ作り上げちゃおうなかなぁ~もう、とか思って道程を回り道して物々しくも結界だらけの魔術師の塔へと訪れました。


…………………女性でした~~。

お名前がアニさん。

はい、もう予想の範囲内。


だけどもこの方、なんかもー魔女さん、妖艶な魔女さん。

やった~~、うるおい!

ようこそ潤い~とか思っていたことがワタシニモアリマシタ。


案の定、カップルだったよ、こいつら。

ツンデレだかクーデレだか、魔法使いくんにだけ限定で甘える美女という美味しいシチュエーションを見せ付けられました。


勿論ラブラブカップルの邪魔なんて無粋なことはしませんともぉ~(T_T) 


これで、おめでたくカップルが二組誕生だぁ~~888888(ヤケ)。

ちくしょーボッチだよ、勇者のパーティで勇者がボッチってどういうこと? 

センターなのにハブなの?

そうなの? 

オウチニカヘリタイ……。


誰でもいいから付き合いたいっと、なんか気分がヤケになった頃、エルフ神族と名乗る、俺と同じ年くらいの少年?を保護した。

出会った時は満身創痍だったけど、ボッチ勇者な俺が手厚く介抱して(手が空いてたのが俺だけ、とか言わないんだからねっ(涙))、元気に成ったところで身綺麗にして貰ったら、性別不明な程の美形。

流石、こっちの世界で神に一番近いと称えられるエルフ神族。

しかも弓使いなのに魔法と剣も、ぶいぶいイケるという万能選手。


もう、お前が勇者で良くね?なこいつが、何故だか滅方俺を気に入って、こんな命懸け滅私奉公なだけの魔王討伐パーティに入りたいと言い出した。


これから先、魔王城攻略が待っているんだし、強いメンバーが増えるのは大歓迎。

これで勇者なのにボッチ飯が解消出来る~っと、内心情けない歓喜に打ち震えつつも、そんな相手に、全くもって二度あることは三度あるのでは?と、性別疑心暗鬼になっていた俺は聞いた。


「で、あんたは男なの?女なの?」

「どっちがいい?」

中性的な麗しい顔で微笑む、彼?彼女??


……………………性未分化状態なんだそうです。

子作りのため、番う相手に合わせて性別が変化するのだそうな。


「私の変化は、番が決めるんだ」

ふつくしい声でもって耳元近く、言われてしまいました。


何故なら、番と決めた相手を 決して放さないためだとか|ョ゜Д゜ll))怖ァ・・。

エルフ神族、一度決めた相手と永遠に添い遂げる種族なのだそうです。

種族の絶対数が少ないので、番う相手はよその種族から探すんだとか。


て、ちょっ、近い近いよ?

なんで、抱き締められているの、俺……。


ええ?! 番って俺? オレガツガイ??

じゃあ、あんた女の子になるの? 

へ? 抱かれるより抱きたい、私の子供を産んでくれ? 

いや無理、俺、男の子だからね。

俺の世界の男の身体は、孕ませる仕様には出来てるけど、子供産むようには出来ていないんだから、無理っ。


…………エルフ神族の秘術って? ナニ?

閨の秘術? 房中術?? 

いや、知りたくない知りたくありません! 

異種族の番を抱きながら孕める体に変態させるとかそんな変態、じゃねー、大変な話、聞きたくない~~。・゜・(ノД`)・゜・。

解放してくれ~~。

調教がどうとか、魔改造とか、もう止めて、勇者のライフはゼロよお~。



数年後、色々と長い旅路の果て、魔王の討伐を終えた勇者一行は、その後も増え続けた変なカップリングメンバーともども王都であった地に凱旋した。


その時の勇者が、旅立った時と同じ性別だったのかどうかは、そもそも呼び出した王国が壊滅してしまったので記録に残ってはいない。


本人の本意かどうかはアレとして、少なくとも、勇者はもうボッチではなかった。


読んでくださって嬉しいです。ありがとうございます m( __ __ )m

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[一言] 勇者に合掌(´人`)
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