5話 まさかの敵認定
主人公弱すぎ?
いや過ぎる予感がしたので聞こえないふりをしてすたすたとその場を去ろうとした。
(呼んでますよ?)
(かかわりたくない、知らないふりだ。)
だが、さらに歩を進めようとすると、目の前の道路に銀色に輝く短剣のようなものが突き立った。
「止まってこちらを向きなさいといってるのよ!」
仕方なしに180度向き直った、
向いた先にはやはりプラチナとかいう魔法少女がこちらをにらんでいる。
面倒そうな雰囲気にため息が出そうになったが隣ではつゆきがギュゥと手を握ってきたので、
(大丈夫・・・)とささやいた。
「あんたにちょっと用があるんでこちらに来てもらおうか?」
「えっと、だれかと勘違いされてませんか?全然面識もないし、行きずりなんですけど。」
と無関係をアピールしてみるが。
「いんや、お前が魔法使いであることは私には丸わかりだからな、
隣にいるのも・・・なんだろうな人ではないみたいだが?
まあいい、調べればわかるんだからな、無駄な抵抗はするんじゃないぞ、
さっきのやつみたいになりたくなかったらな。」
「いきなり、呼び止めて連行ですか、警察でもないようだし、
こちらはなんら悪いこともしたわけでもないんでお断りしますね。」
「そんなことはどうでもいい、ここにお前がいること自体が悪なんだからな、じゃあ敵性勢力認定だな!」
おいおい、まさか。
{バーニングカラム!}
轟ッ といきなり目の前に火柱が上がる、さっきのスーツの男みたく半分クロ焦げになるとこだった。
その前にシールドを張っていなかったらぞっとする。
俺たち2人の前には光るガラス板のようなシールドが浮いていてそれが5枚重なっている。
実は10枚出してたんだが5枚は火柱に焼き消されたのである。
火柱が上がる前に展開できてよかった。
シールドをみてプラチナはへぇっと口元をゆがめていった。
「無詠唱か、やるじゃないか」
正確にはただの無詠唱じゃなくて「ショートカット」なんだけどね。
事前に使う魔法と数などをまとめて記憶させておき、
詠唱せずに心の中でトリガーを引けば発動する仕組みだ。
誤解しているみたいだがここはスルーだ。
このシールド自体は初級にあたる魔法で1枚に見えるが実は10枚重ねがけして1枚に見えるようになってる、
だからこの場合はシールド(初級)×10×10のショートカットなのだ、
これだけの同時展開を行っても魔法力の残量は余裕なのだが、悲しいかな所詮は初級、
簡単に突破されてしまうのだ。
「おもしろい!こいつはどうだい!{ショートランス!}」
プラチナの右手に短い銀色の槍が現れた、
投擲してくるつもりか・・・
さらに「シールド×10×10」を発動させて前面に展開する。
(正人!私が、)
はつゆきが小声で呼びかけてくる。
「だめだ、反撃したら余計にややこしくなる、攻撃をしのいで隙を見て逃げるんだ」
「なにごちゃごちゃいってるんだい!これを防げるものならやってみな!」
そういってプラチナはランスを投擲した。
バリバリバリバリッ!
ランスはシールド15枚をつぎつぎに食い破り、俺に突き刺さった。
「ぐっううう」
たまらず膝をつく、焼け付くような痛みが襲ってくる。
「正人!」
はつゆきの声が遠くに聞こえた、そして目の前が暗くなっていった。
読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字等ご指摘お願いします
次回は5月2日19時の予定です ※変更しました