4話 魔法少女登場!
やっと登場しました。
H市の駅前を手をつないで歩いている、
傍から見ると出来立てのぎこちないカップルに見えるだろう。
さすがに軍服は目立つので今は着替えてもらっている。
白くフリルのついたワンピースで長さはひざ上である。
ヒールの低い歩きやすいパンプスをはいてもらった。
もっともこちらも女性の服には疎いので彼女に選んでもらった、
どうやら護衛艦時代に乗り組んでいた女性士官の私服を参考にしたらしい。
情報では知っていたようだが実際に陸にあがって歩くなんてことしたことがないせいか、
観るものすべてが珍しいらしくキョロキョロしてるのがなんとも可愛い。
「陸にあがってこうして歩くなんて思ったこともなかった。」
まあね、艦が陸にあがってうろうろなんてしないもんな。
ウインドウショッピングを楽しみ、食事などを済ませて散策をする。
人波は絶えることなく、その中をゆっくりと連れ立って歩く。
両側に広い緑地帯のある道路に出たところで、後ろから爆発音が響いてきたのは、
そんな時のことだった。
「ズズンッ!」音とともにビリビリと大気が震える。
思わず振り返った先には火柱が上がっていた。
なにがあった?
はつゆきは火柱に向き合いつつなにか遠くを見るような顔をした。
「魔力をもったアンノウン(未確認物体)2体捕捉・・・」
「ターゲットA、Bと仮称・・・」と言葉を紡いでいく。
火柱の上がったところを中心に回りは阿鼻叫喚の騒ぎである。
その中心には距離をとって向かい合う2人の姿がある。
一人はスーツを着た男性、そしてもう一人は・・・
マホウショウジョダ。
彼女はよくある魔法少女のコスチュームを纏っていた。
いかにも!という感じ、で非常にわかりやすい、
というか俺にはそう表現しかできないのだ。
銀色に輝く甲冑みたいなものを着けてるところを見ると戦士タイプか・・・
彼女が口の端をゆがめつつ相手に言葉を放つ。
「この変態紳士め、幼き彼女に乱暴するとは魔法使いの恥さらしだ!
ここでバーニングプラチナが貴様に天罰を下してやる!」
スーツの男はスーツが半分こげていた、そして彼女に向けて手をかざした。
「貴様なんかに幼女の良さがわかるか!アイスソードブリット!」
叫ぶと手から氷の剣が多数表れ魔法少女に矢のような速度で飛んでいく、
このままでは無数の剣で串刺しになる、と思ったら。
「そのようなものが通用するか!」と少女は叫び何も持ってない右手を振るう、
すると氷の剣は見えない「何かに」ぶつかったように砕け散った。
氷の小さい粒が舞い虹色の光がみえた。
「なっ!」スーツ男は声を上げる。
「そんな攻撃がこの私に効くものか!」
「くそっ!これならどうだ、{ブリザードバルカン!}」
男の手から氷雪が噴き出し、プラチナと呼ばれた少女に向っていく。
「その程度か!」
プラチナが再度手をかざすとそこに銀色の幕のようなものが現れた。
その幕にブリザードは命中するが貫く事は出来なかった。
「なんだと!攻撃が通らないなんて!」
それを冷ややかに見つめるプラチナが叫ぶ。
「これで終わりだ、{プラチナバインドウイップ!}」
プラチナの手から銀色の鞭が伸びスーツ男を打ち据えた、
「バチィ!ッ」そしてそのまま巻きついて拘束する。
あっという間のことだった。
スーツ男は打たれたときに意識を刈り取られたのだろう、拘束されたままドサリと倒れた。
プラチナと名乗った少女は男が意識を失ったかそばまで行って確認し、
そばに近づいてきた少女に向って声をかけた。
「アミィ、こいつをそのまま突き出しといてね、自業自得だから治療はしなくていいわよ」
「了解です」
いつの間にか現れた蒼い髪をした別の魔法少女に男を引き渡す、
あのまま警察に突き出すのだろう。
なんか物騒だな、あまり近づきたくはない。
捕り物もおわったので俺たちも踵をかえして離れようとしたとき、後ろから声がした。
「ちょっと!!」
いやな予感がした。
誤字脱字等ありましたらご指摘お願いします。
はつゆきに関しましては、多少ご都合設定がされてます。
用途廃止になって係留されてる港とかです。
その辺の都合につきましてはどこかで説明させていただきます。
次回投稿は5月2日7時予定です