18話 襲来
今回は少し長くなりました
新たな戦力が加わり、協会は充実した。
傍から見ると俺もリア充度が上がってるらしい。
俺からするとカオス度が上がっただけのような気がするが。
なぜか、寝るときに必ず誰か一人が俺の部屋に居るのだ。
「いいじゃねえか、一度にこられたら死ぬだろう?」
若林さんも大変なことになった、
きりしまが式神になったのは良かったようで会長はほくほくしてた。
だが、まさか副会長があんなことになるとは、
「どういうことでしょうか?」
副会長は帰った俺たちから首尾を聞くと、笑顔で若林さんにこう言って迫った。
顔は笑ってるが怒りのオーラが恐ろしいほど出ている。
俺は意味がわからずそれを見ていた。
(副会長は若林さんのこと・・・)
亜由美がそっと教えてくれた。
なるほど、そういうことなんですか怖いよう・・・
あとで、きりしまを引きずって別の部屋でなにか話していたが、
何話していたんだろう?
あ、出てきた、なにやら晴れやかな顔をしてるなあ。
どんな話をつけたのか怖くてとても聞けない。
若林さんは、遠くを見る目をしている。
現実逃避したいんだろうなあ。
それから、約一ヶ月が過ぎた、
その間のあれやこれやは、また語ることもあるだろう。
月影によると、「正人のハーレム伝説の始まりだねぇ。」
だそうだが、否定できないのがつらい。
そして、臨時職員だった俺たちは正式な職員になった。
学校は?と思うだろうが、実は「飛び卒」させられたのだ。
どうやら会長が手を回したらしい、恐るべきは会長だな。
今、俺たちは、本部の「作戦室」に集合している。
正面のモニターにはこの国の衛星写真が映し出されている。
「この色の濃淡が魔素の濃度を示しています。」
これは、静止衛星から魔素の測定をしているのだ、
これも会長の差し金で半年前くらいに打ち上げさせたらしい。
「データを集めて半年、濃度の上昇が激しい地点がいくつも出てきています。」
「そこがホットスポット化する恐れがあるわけだ。」
「そして、魔獣の強さも上昇してきています、いまのところはベヒモスが最強でしたが。」
木ノ花さんが頷きながら言う。
さらに強力な魔獣ってどんなやつだろうか?
これまでに出てきたやつらは、狼みたいなのや翼竜みたいなやつ、スライムみたいなやつだ。
「もっと巨大で強力なのがいると考えていいだろう、油断は禁物だ。」
会長がやけにまじめだ。
そうしていると、なにか空気というか雰囲気がかわった、
背中をぞくぞくするものが走る。
見回すとみんななにか感じているようだ。
「来るぞ!」
会長の叫ぶような声でそれは始まった。
画面にいきなり警報の文字、
急激にある地点の魔素濃度が急上昇していく。
「軍と警察、政府に連絡!住民避難を急がせろ!」
「緊急出動!全待機職員、任務中のも呼び出せ!」
俺たちも直ちに出発する。
場所は首都の近くのC県、
比較的人口が多くない場所は幸いだったが、
今度の出現魔獣は半端なものではなかった。
「おい、魔獣の数をみたか?」
「どんどん湧いてきてますよ?あんなのありですか?」
オスプレイから見た現場に現れている魔獣はすでに20体を超えている。
それも、ベヒモスとは比べ物にならない巨体のものも数体いる。
「ありゃあ、どう見てもあれだよなあ。」
「ドラゴンですね・・・」
巨体の魔獣はドラゴンにしか見えない、
そいつは、口からブレスのようなものを吐いて周りを焼き尽くしている。
「直ちに攻撃開始だ!」
俺たちは近くに降りて戦闘を開始するのであった。
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「流石にまずいな。」
若林さんが苦々しくつぶやく、
俺たちは魔獣の発生ポイントから3キロ離れたところに陣取っている、
こちらに向かってくる魔獣を迎撃しているのだ。
魔獣は発生ポイントから好きなほうへ移動しており多方面に人員を割かないといけない。
俺たちのいる場所は首都につながる道路があるほうでこちらを突破されると被害が大変なものになる。
こちらを重視せざるを得ないわけだ。
魔法少女と式神たちも分散して散っている魔獣たちを駆逐している。
反対側の指揮ははつゆきにしてもらっている、管理者代行の彼女は俺の代役が勤まるからだ。
こちら側には、きりしまとひゅうががいる、ひゅうがは攻撃力は低いので連絡役に徹してもらい、
前線はきりしま一人に任せている。
飛行形魔獣翼竜をミサイルで叩き落しながらきりしまは127ミリ砲でドラゴンを砲撃している、
ドラゴンはベヒモスよりもはるかに防御が硬く砲撃でダメージは与えているが倒せてはいない。
「ハープーン発射!」
きりしまからハープーンがドラゴンに発射されドラゴンの頭を吹き飛ばす。
だがその後ろからはドラゴンをも上回る巨体が見えてきた。
「ありゃなんだ?」
「団子虫?」
巨大な団子虫のようなものはこちらにまっすぐ突っ込んでくる。
さらに上空には翼竜もどきが数匹こちらに向かっている。
小型の狼の群れやスライム、蛇のような魔獣も多数こちらに向かっている。
「まずい!数で押し切られる!」
若林さんもストーンカッターを狼の群れに飛ばしながら叫ぶ。
木ノ花さんは多数のクリスタルの針を飛ばして蛇の群れを仕留めていく。
アミィは氷で巨大な槍を作り飛ばしている、熊のような魔獣に突き刺さり魔獣は消滅した。
こちらも光弾をとばして小型の魔獣の群れの周りに配置し全方位から突っ込ませる、
オールレンジからの攻撃で群れをつぶしていくが、その後からもどんどん群れが現れる。
(出現が止まらない!まだまだ出てきているよ。)
偵察ヘリを飛ばしているひゅうがからパスが飛んでくる。
他の戦線でもおされ気味なようだ、
(ボクたちのほうに主力が来てるんでよそは大丈夫だけどこちらが・・・)
ひゅうがもVSL(垂直発射システム)からミサイルを発射して迎撃に入っている。
最初に現れた巨大団子虫(甲虫)はよほど装甲が硬いのかミサイルや砲撃にずいぶんと耐えているようだ、
かなりこちらに迫ってきている、
「こうなれば、{光槍×5000}」
新しく作っておいたショートカットのトリガーを引く、
光弾を槍状にして5000重ねた一点突破型の魔法だ。
まっすぐ甲虫に向かった槍は、それを突き抜けて、後ろの群れも吹き飛ばす。
「やったか!」
(まだだよ、次が来るよ。)
見ると、その後ろからはさらに巨大な甲虫が10体も迫ってるではないか、
「うそ・・・」
魔力を消耗したアミィがひざを突く、魔力を分けてやる暇もなかったのだ。
きりしまも魔力の消耗が来ていてつらそうだ、
若林さんが魔力の補給をしてやっている。
「大きいのはこちらでやります、小型のやつらを頼みます!」
声をかけて、光槍を出して発射していく、光弾より消費が多いので連発は効かない。
それに、多重に魔法を行使するのを繰り返しすぎて、酷い頭痛が襲い、
俺はひざをついてしまう、アミィとひゅうがが駆け寄る。
「すまない、魔法を使うのが限界のようだ、魔力はあるんだけど。」
キスでアミィたちに魔力を補充してやっているが、魔獣はまだまだ来るようだ。
甲虫はアミィの魔法では貫けないだろう、
ひゅうがはCIWSとミサイルで上空の翼竜を迎撃するのがいっぱいいっぱいだ。
「ぼくが甲虫を倒す!」
ひゅうがが言った、だがどうやって?
「魔力を分けてもらったから、新しく使えるようになった魔法があるんだ!」
{兵装・転換 日向!}
そう唱えるとひゅうがの飛行甲板から浮かび上がるように出てきたのは巨大な砲を載せた砲塔だった。
「目標至近、テェー!」
出現した砲塔は2連装2基でそれが甲虫に向けて火を吹く、
至近距離から放たれたそれは、最初の甲虫を消滅させ、後続の甲虫も突き抜けていく、
その後次々と砲が放たれるたびに甲虫は駆逐されていきすべて倒したようだ。
「すごい・・・」
「ひゅうが あれは、まさか?」
「うん、転生前の戦艦日向の主砲を再現したんだ、兵装の上位の魔法だね。」
なるほど、しかし空母の上に戦艦の砲塔載ってるのなんてなんかシュールだ。
アミィが「戦闘空母」とか言ってるよ、ああ、そういうアニメがあったか、リメイクだけどね。
「航空戦艦って呼んで欲しいな。」ひゅうがは不満そうだ。
「まって、ホットスポットにさらに魔獣出現!・・・さらに多いよ!」
うそだろ・・・
魔法少女たちは魔力が枯渇して戦えない、式神たちも俺のパスからの供給でぎりぎりだ。
(正人、こちらももう限界よ!)
はつゆきももう一度こられたら押し返すのは無理だと言ってきていた。
この場にいるアミィやひゅうがには補給は可能だが数が多いと追いつかないかもしれない。
そこへ、
「待たせてすまない。」
会長がやってきた、顔色が悪い。
会長はみんなの前に出ると、両手を前にかざして言葉をつむぐ。
「-△○▼×=-○▼▲○」
聞いたことのない言葉だ。
詠唱が終ると両手から紅い輝く球体が現れふわりと浮かんでホットスポットの上に飛んでいく。
真上に着くと球体は輝きを増しそのまま下に落ちた、
その直後紅い光の柱が立った、柱はそのまま上空まで伸びていく、
地上では魔獣たちがぼろぼろと崩れていっている。
「圧倒的じゃないか・・・」
光が収まると魔獣たちもホットスポットも消えていた。
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会長の周りにみんな集合している。
散って戦っていた皆もだ。
怪我は回復魔法で治療されていて、死んだものはいない。
会長は暗い顔をしている、何とか収束させたのになぜだろう。
木ノ花さんもそんな会長に戸惑っているみたいだ。
「あの、会長・・・」
「ばれてしまった・・・」
唐突に声が聞こえた!
『ふむ!やっとみつけたぞ この大ばか者が!』
その声の主は会長をねめつけている。
俺たちはその姿を見て絶句するのであった。
声の主はだれでしょう?
誤字・脱字などありましたらお知らせください。
次回投稿は5月22日18時予定です




