27話 使徒リオナ
最後のセリフが微妙ですが打ち切りじゃないです・・・
2/5修正しました
リオナと名乗る使徒は、フードつきのローブを脱ぎ捨てた、
下に来ていたのは神官などが着ているような服だ。
勇者一行の回復職をやっていたんだろうか?
彼女は手にエメラルドグリーンの大きな魔結晶をつけたメイスを手にもち、
こちらに向かってそれを向けた。
「私も召喚を嗜みますが一味違いましてよ。」
そして彼女は召喚を開始する。
「{聖句解放}大天使よ!この地に断罪と浄化を!」
な!なんて召喚しやがるんだ!
彼女のメイスより放たれた光が天空に強大な召喚魔法陣を構成する。
そしてそこから現れた物は・・・
「光に包まれた巨人?」
隣でヨウコが呆けたような声を出す。
「まさかあの特撮変身ヒーロー?」
いや、あの即席麺が出来るまでに敵を倒さなくてはいけない縛りのある奴じゃないと思う。
事実はつゆきは険しい顔つきになっている、俺も奴に対して危機感を感じている。
「しかもどんどん出てきますよ。」
美奈の指摘どおり次々と出てくる{大天使}。
「あれはこの地の魔力は介在してないようですね。」
クリスは視てそう分析する。
「あっははは!こいつは魔物や召喚眷属じゃあないから{光}系の攻撃は効かないよ。」
リオナが哄笑する。
確かに試しに打ち込んだ光槍は大天使の前で溶けるように消えてしまった。
「さあ!汚物は浄化の時間だよ!浴びせろ!{審判}」
彼女がその句を唱えると大天使達の前に白く輝く光が集まる。
「まずい!障壁最大展開!身を隠すんだ!」
俺も、結界結晶を展開してはつゆきを傍に連れてくる、
クリスたちも結界を展開し式神たちやロフスやリリスを中に入れてやっている。
大天使達の光が極大になり此方に打ち出される。
視界が広く輝き何も見えなくなり・・・
直後に衝撃波と共に大爆発が起きた。
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爆風で落ちていた視界が回復する。
平原を静寂が支配していた、展開していた戦車や、機甲騎がきれいさっぱり消えていた。
「危なかった・・・」
幸い皆結界のおかげで身を守ることが出来たようだ。
だが光弾などの光属性の攻撃が通じないとなると・・・
「結構やるじゃない、まだ生き残ってるなんてね。」
大天使たちの向こう側では腰に手を当ててリオナがドヤ顔で立っている。
さらにその後ろでは勇者達が身を寄せ合って震えているのが見えた。
どうやら彼女の正体を初めて知ったらしい。
「リ・リオナ・・・君は・・・」
勇者がかろうじて声を上げた。
「すぐに終らせますからね、ああ、ここでの手柄は貴方の物にしてもいいですよ、
私は{主}の命で貴方の付き人としてここにいるんですからね、
正直、貴方が鬼畜だろうがなんだろうが関係ないですからね。」
勇者も大概な奴だがこいつもそれを知っててついて来ているからかとんでもない奴だ。
「さて、障壁でこらえたようですが今度の攻撃は防げますかね?」
大天使達の前に白く輝く光が集まっていく。
「あれはさっきとは比べ物にならないほど収束された力です。」
クリスが警告してきた。
「障壁最大展開、クリスそちらは頼む!」
「了解、リアンナ!あれを!」
「判りました、{ノイン・シュバンツ・アクセラレート!}」
リアンナは天狐の姿を開放して攻撃に備える。
「食らえ!{ホーリィ・レイ!}」
リオナの命令で大天使達は一斉に腕をクロスさせてそこから光線を発射する。
そしてそれは収束されて俺たちのほうに飛んできた。
さっきの攻撃よりも範囲を狭めた分密度の高い攻撃が炸裂し、
先ほどの数倍の爆発と衝撃波が発生した。
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先ほどよりもすさまじい爆風が起き視界がふさがれる。
「やったか?」
言ってはいけないその言葉を勇者が口にする。
愉悦にゆがんでいたリオナの口が驚愕で開かれる。
「何で無事なのよ!」
爆風が晴れて見えたのは健在な俺たちである、もっと驚け。
「聖属性の攻撃を防ぐなら闇系が定番ですよ。」
クリスがあっさりと種明かしする。
彼女達の前の結界はリアンナがクリスのサポートで張った結界で、
元々はギリルが使っていた闇系結界の強化版だ。
九尾をたなびかせながらリアンナが反撃の呪文を口にする。
「穿て!{刻槍}」
強化された巨大な黒い槍が最前列の大天使を襲う。
天使の張る光の盾を刻槍は軽々と貫いて大天使に突き刺さり、
天使は消えてしまった。
「あ、あたしの大天使が・・・うそ。」
リオナは驚いているようだが驚くのはこれからだろう、
黒い色をしたエネルギーを吸収する力を持つ結界結晶を解除しながら、
俺ははつゆきに命令する。
「天使を蹂躙しろ、はつゆき。」
「了解。」
俺たちの反撃はこれからだ。
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