25話 召喚勇者VS転生魔人 後編
主人公視点ではありません
平原では更なる激しい戦闘が続いている、
大和と武蔵の砲撃はアイオワ級戦艦を次々と破壊していく。
リリスの機甲騎たちも戦車やウォーカーを倒していく。
ゆうだちは後方の空母たちにミサイルを撃ち込んでいる、機体を発進直前で破壊され燃え上がる空母。
それでももともとの数が多く未だに魔法陣から出てくるために数はあまり減っていない。
上空では空母の艦載機といずも達の機体が空中戦をしている、
数の方は向こうが多いがやはり意思を持つ持たないで動きが違い敵を圧倒している。
正人は後方の怪しい風体の従者を観察していたが相変わらず動きが無いのに正直痺れを切らしていた。
「奴は動かないのか・・・」
「局面が変われば動くかもしれない。」
はつゆきが提案する。
「そうだな、それで行こう。」
正人は頷き自らのリミッターを解除した。
全身が蒼の魔力で覆われる。
そしてはつゆきも。
「兵装展開フルバーストモードチェンジ!」
はつゆきの|船体(兵装)のすべてのVSLのハッチが開き、
ステルスシールドに格納されていた速射砲が姿を現す。
「多重目標捕捉自動追尾確認、射撃データ転送 、速射砲、VSL、フルパワー」
「魔力充填率臨界点到達、砲撃始め!」
その言葉と同時に正人の周りの無数の光弾と光槍が発射され、
同時にはつゆきの兵装からも砲撃とミサイルが発射された。
そしてその圧倒的な攻撃が勇者達の眷属に降り注ぐ、
光弾が戦車を叩き潰し、光槍が戦艦を串刺しにしていく、
砲撃が空母の中央に大穴を空けて直後に木っ端微塵に砕き、
ミサイルがウォーカーをばらばらにした。
直後、勇者側の眷属は一つ残らず消滅した。
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呆然とする勇者達、目の前で起こったことが信じられないようだ。
召喚魔法陣も破壊されて新たな眷属も出てこない。
「へっ、へへっ幾ら破壊してもな、こちとら幾らでも呼び出せるんだよ!」
そう言って再度魔法陣を構築するが、今度は光るだけで何も出てこない。
「どっどうなってやがる?」
「無駄ですよ。」
クリスがリアンナを従えて勇者に向って言う。
「地下の魔素は封印しました、魔法陣で汲み上げることはできませんよ。」
「な!そんな馬鹿な!そんなことが出来るなんて!」
勇者は後ずさり従者達の所に戻った、他の従者達も青ざめて涙ぐんでいるものさえ居る。
その中でフードを被った従者に勇者は駆け寄り、その両肩を両手で掴んだ。
「なあ、リオナ!どうすりゃいいんだよ。」
すると正体不明のリオナと呼ばれた従者は勇者の両手をうっとうしいとばかりに振り払い、
そのフードの下から声を掛けた。
「うるさいなあ、もうお手上げなのかい?予定より酷く早いんだけどな。」
「え?」
呆然とする勇者、それを押しのけて前に進むリオナと呼ばれた者は正人に声の届く距離まで
やって来た。
「さすがと言ったところかな。」
「なるほど、お前が真の{使徒}というわけか。」
フードを被ったままなので表情までは見えないがわずかに見えている口元がゆがむのが見えた。
「なるほどな、{主}の言われる訳だ、だがそれでこそ倒し甲斐があるというものだ。」
「真の{使徒}ってどういうことだ?リオナ!」
「たかだか勇者召喚でスキルを得たからといって所詮それだけの事、
貴方はほどよく私のカモフラージュになりましたよ。」
「そんな・・・」
「さて無駄話は止めて{主}からの命を実行しましょうか?
{主}はあなたたちの殲滅がご所望です、覚悟していただきましょうか?」
「さて、覚悟するのはどっちかな?」
戦いは第二ラウンドに突入したようである。
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