24話 召喚勇者VS転生魔人 中篇
主人公視点ではありません
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掲げた聖剣から光が溢れる、そしてそこから広がった光が勇者の後方の地面に降り、
そこに巨大な魔法陣を形作った。
「これは・・・」
正人はこの魔法陣に見覚えがあった、{創神の修行}で学んだものだ。
「{眷属召喚}か!」
眷属召喚は自分に忠実に従う眷属を作り出す魔法である、
はつゆきたち式神たちと違い自我は持たないがゴーレムのように命令に対して、
忠実に動かす事が出来る。
呼び水となる魔法陣を作った後はその地の魔素を使って生まれるので、
保有魔力以上の戦力を得る事が出来るのだ。
「しかも、このトーア平原の下には解消されつつあるとはいえ魔素溜まりがある。」
ヨウコは魔法陣を睨みながら声を押し出す。
魔法陣が輝きを増し、中から次々と光を放ちながら出てくる物たち。
「なるほど・・・そいつらを召喚したでござるか。」
ロフスはその正体に気が付いたようだ。
「ならば此方もそれに応えるまででござる。」
大きく後ろに跳躍して間合いを開けた彼は大剣を振りかざし召喚する。
彼の眼前に魔法陣が現れ此方も輝きながら召喚していく。
そして勇者と魔人の戦いは次の段階に入ったのだった。
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激しくとどろく砲声が平原を支配する。
轟っという音と共に砕け散る物たち。
戦場と化したこの平原はいまや圧倒的な火力が吹き荒れる荒野と化している。
吹き飛ぶのは戦車の砲塔か履帯なのか・・・
「ティーガーⅡとは古典的な。」ロフスがつぶやく。
彼の眼前に展開している敵戦車はケーニッヒス・ティーガーとも呼ばれる、
大戦時のドイツ軍の重戦車である。
無論勇者が召喚したものだ。
「まあ、あいつは{ドイツの科学力は世界一ー}男であったな。」
とつぶやく彼の召喚した物は前回と同じ10式戦車である。
余談ではあるがヨウコの作った正人たちの世界では名称が10年式中戦車だが同じものである。
「骨董品の癖になかなかやるのじゃ。」
リリスの言うとおり、現在の戦況では此方が若干有利と言ったところである、
意外と撃たれ強い感じである。
「私も召喚したほうがよいかの?」
「今はまだ大丈夫でござる、マサト殿もはつゆき殿たちもおられるからでござる。」
正人も後方のはつゆきたちも防壁を展開しているが攻撃はしていない。
現在のところその必要がないと判断しているようだが、
別の思案もあり様子見しているのだ。
「後ろの従者が気になるの?」
はつゆきが正人に問いかける。
「ああ、あの一番後ろの奴がな。」
従者達の最後尾に頭からすっぽりフード付きのローブを纏っている者が気になるようだ。
そうしていると勇者の後方で更なる魔法陣の発動が見えた。
従者達も召喚が使える様だ。
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「今度は戦艦に空母か。」
「戦艦はアイオワ級戦艦、空母はニミッツ級空母ね。」
はつゆきが艦種を特定する。
「さらに後方に何か出てきてるね。」
亜由美が双眼鏡で見ながら言う。
「ライブラリに無い、恐らくは想像兵器、ヨウコの分野ね。」
はつゆきに言われてヨウコが双眼鏡で確認する。
「あれは、映画{銀河大戦}に出てくる{ウォーカー}ね。」
さすがだと正人とはつゆきは思ったが口にはしなかった。
「なんか多国籍軍化しましたね。」
美奈は少々呆れた感じである。
リリスは敵の加勢を見て自分も参戦する事にしたようだ。
「召喚するのじゃ。」
彼女の召喚魔法陣から現れたのは今までとは違う物であった。
四本足のケンタウロス型の機体が持っていた長槍で戦車を貫き、
回転する剣を持つ蒼い機体がウォーカーを切り裂く、
赤い機体は鞭のように変化する剣を振るって戦艦を真っ二つにした。
「うわーまさか機甲騎をだすとは。」ヨウコが呻いている。
リリスってマイナー系が好きなのねとかつぶやいていて危ない兆候だと正人を警戒させた。
「ふふふふふふティーガーにアイオワにニミッツ、さらにはウォーカー、食い応えのある獲物ね。」
物騒なほど不穏なオーラを出しているのは言うまでも無くゆうだちである。
「好きにして。」 むらさめの突き放したような言葉が皆の考えを代弁している。
「アイオワ級か、相手にとって不足は無し。」
兵装を展開しながら大和が凄みのある微笑みで言う傍らで、
「心を持たぬ物たちが幾ら居ようと私達の敵ではありませんよ。」
武蔵が吼える。
そしてその言葉通りに主砲で木っ端微塵にしていく。
ゆうだちの対艦誘導弾が戦車や戦艦などをなぎ倒して行く。
他の皆も攻撃を開始して、平原の戦いはさらに激しさを増すのであった。
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