閑話6 リイナのお仕事 中編
リイナ視点です。
内容的には三章の辺りの話です
カンクリンスタッドに連合軍の部隊が到着したって連絡があった。
連絡してきたギルド職員の話では見たことの無い大艦隊が到着して、
復興支援の部隊を陸揚げしてるとのことにゃ。
見てみたかったにゃー。
しかも途中で海の魔獣を討伐までしたって話を聞いて凄いと思ったにゃ、
今までは商船部隊が襲われて全滅したとか護衛の部隊に被害がでたとか聞いてたし。
しばらくしたらに首都に部隊が到着するそうだからこちらも受け入れ準備しなくてはならなくて、
ギルドもその準備で忙しいにゃ。
そうしているとあの{出会い}がまっていたにゃ。
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いつものように受付で仕事をしていたら、ギルドに数人のグループが入ってきた。
彼らは私のいるカウンターにまっすぐ来てその中の一人が話しかけてきた。
もちろんその前に挨拶は忘れていないにゃ。
「すまない、冒険者登録して欲しいのだが。」
話しかけてきた人は人族の若い男の人だったにゃ。
(なんかかっこいい人かも・・・)と思ったけどお仕事中だからにゃー。
「承知いたしました、後ろの方々もですか?」
そういうと頷いて後ろにいる人たちの身分証も出してきた。
マサト・タカムラさんかぁ・・・
ふーんルアン王国からきた人たちなのね・・・
連合軍の人たちと一緒に来たのかななんて思ってたら。
「おいおい、いつからギルドは貴族の坊主とそのハーレムを登録するようになったんだ。」
なんて声がした。
見ると常連の冒険者のグループだ、前からガラが悪く素行も良くないので注意対象だった奴らだ。
「ちょっと!ギルド内で揉め事は違反行為ですよ!」
こんな人たちがいるからギルドの評判が悪くなるのよ・・・
叩きのめしてやろうかにゃ、私はカウンターの内側に置いてある得物に手を伸ばしながら声を張り上げる、
「もう、いい加減にしてください!ギルド規約で揉め事を起こした、
ギルド構成員は除名などの重処分になりますよ。」
相手の人たちもかなり不愉快そうでこのままほって置くと乱闘になりそうだ。
「お前ら、そのくらいにしとくんだな、
相手の実力を測るのも冒険者として生き残る秘訣だと教えているだろうが。」
騒ぎを聞きつけたのか本部長が出てきてくれてホッとしたにゃ。
「まあ、実力の程は演習場で見せてもらえば判るからな。」
結局本部長の肝いりで実力審査と言う事になった、
でもこんな事初めてだよね。
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演習用の闘技場に行って本部長が両者に言う。
「さて、ここなら十分審査が出来る、お前らも実際に戦って実力を見たらよかろう。」
でもいきなり戦わすなんてどうなのかにゃ?
相手はランク5の奴らなんだけど、まあ反乱軍がいた時には依頼をこなしていたとかで、
姿を現さなかった奴らだけど・・・
正直このルアンからやってきた人たちの力が判らない。
さっきの男の人以外は全員若い女性だし、戦士タイプには見えないにゃ。
彼が本部長に話す。
「こいつら消し炭にしても、問題にはならないのか?」
「うん?まあ訓練中の事故は良くあるからな、それにしても消し炭か?
火魔法でも使えるのか?」
魔法使い?それなら判るけど訓練場の魔法障壁はクラス1の魔法使いの魔法も防ぐのにゃ。
闘技場に彼が上がる、でも防具も何も無しでいいのかにゃ?
そう思っていたら彼が腕のリングに手を当てた、
するとそれが光ったと思ったら一瞬で防具姿に変わった、
何それ?魔道具か何かと思っていたら始まっていて・・・
彼が構えた手から稲妻が光り・・・
気が付いたら爆音と共に障壁が砕けて向こうの倉庫が吹き飛んでいた。
にゃ?にゃにが起きたの?
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事の成り行きに呆然としてると政府の代表代行をしているヒルマさんがやってきた。
「な・なんてことするんですかああああああ」
非常に怒ってらっしゃる・・・
「やりすぎたとは思っている、反省してるけど、後悔はないな。」
マサトさんは平気な顔だ、一緒の皆も同じ態度である、
ヒルマさんが来てマサトさんたちが勇者一行だと知った。
「まさか、勇者一行だとは思わなかった、申し訳ない。」
本部長は平謝りしている、私はマサトさんの方ばかりみていたにゃ。
「す、すごい、本物の勇者様・・・運命?これはそうなのよね?」
そう、ここで出会ったのは運命、きっとそう間違いないにゃ。
ああ、この人と一緒に冒険の旅なんかに行けたらいいにゃあ。
そんな事を思ってたら本部長とヒルマさんの会話が耳に入った。
「ハーミットの森に行く?ヒルマ殿、彼らだけではどうなのか?
案内人を付けるべきでは?」
「そうですねえ、今回のようなことが続いてもなんですし、お願いできますか?」
「承知しました、高ランクの冒険者を付けましょう。」
高ランク!それって私しかいないにゃ!
「あ!なら私が行きます!これでもレベル1ですよ!」
ものすごい勢いだったせいか二人の顔が引きつっていたけど認めてもらえた。
これでマサトさんと一緒に行けるにゃ、
マサトさんを見ながら思わず頬が緩んでしまうのにゃ。
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