閑話5 リイナのお仕事 前編
リイナ視点です。
三話位続きます。
私はリイナ・リヴィングストン 、ミリシャ公国の生まれにゃ。
職業は冒険者・・・にゃのだが皆には冒険者ギルドの受付嬢という認識なのにゃ。
言葉使いはこちらが素なのにゃ、もちろん仕事の時は余所行きだけどにゃ。
どうして冒険者をしているかって?
それは自分の力で生きていくって事をしめすためにゃ、
そして、今はもういない両親が望んでいた事だからにゃ。
父親は私が生まれてすぐに亡くなったにゃ、
当然私は覚えてなんかいないにゃ、それどころかお互いに顔もあわせていないにゃ、
生まれたときには父親は戦場にいたのだから。
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「アンドリュー!しっかりしろ!目を開けるんだ!」
「・・・チャールズか・・・まだ生きてたんだな、悪運だけは強いな・・・」
「そりゃお前もだ、必ず戻るって誓ったんだからな、俺たちは!」
「はは・・・そうだった、帰ってリイナの顔を拝むんだった・・・」
「だろ!向こうだって母子そろって待ってんだ、絶対に帰るんだ。」
「・・・けどよぉ、もういけねえ、力がはいらねえ・・・頼む、俺の替わりに見てきてくれよ。」
「バカヤロウ!お前が行かなくてどうすんだ、父親のお前がよ!」
「すまねえ、あいつらの事たのむぜ、リイナを一人前の冒険者に・・・・・・」
「おい!アンドリュー!返事しやがれ!おい!」
「・・・ ・・・」
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チャールズおじ様とかわした最後の言葉が物心ついてから教えられた父親からのメッセージになった。
母親も、後を追うかのように私が三歳の時に亡くなったにゃ、
私は、チャールズおじ様に引き取られ、その家で我が子同然に育ててもらった。
おじ様には大変な恩義が出来た、その恩義に答えたいと、冒険者の道に進んだにゃ。
がむしゃらに自分を鍛え上げて任務に邁進して気が付いたらクラス1にまで進んでいた。
おじ様は、「流石、アンドリューの娘!よくやった!」
と褒めていただいたけど、心の渇きは癒せなかったにゃ、
もっとできるはず、もっとやれるはずと思い、神聖森林同盟のギルドに行ったのにゃ。
「クラス1か・・・ここではあまり依頼がないな。」
オルスタヤードの本部長が気の毒そうに言う、
高レベル冒険者が必要とされる依頼が少ないそうだ、
そんな折角ここまで来たのにゃ、
「とりあえず職員でもしてくれんか?」
欠員が出ていたギルド職員にさせられた。
そうしてると、冒険者達からなぜか人気がでてちやほやされるようになったにゃ。
「リイナはいい看板娘だな。」
そう言われて悪い気はしないけれども、なんか目指したものと違うにゃ。
すこし悶々としている時にあれがおこったにゃ。
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「大変だ!魔法師団が反乱を起こした!」
「大統領府が攻撃を・・・大統領の安否が不明です!」
大変な事になったにゃ、ギルドも大変混乱してるにゃ。
「緊急招集だ!ただ今から冒険者ギルドは国軍に味方し援軍に向う!」
本部長命令で直ちに出動態勢が取られる。
私も装備を身に付け出動するにゃ。
部隊を編成し、反乱軍に攻撃を開始する。
流石に最強と言われる魔法師団にゃ、
向こうも倒しているがこちらもどんどん倒されている。
飛んでくるファイヤーボールを避けて術者に肉薄し、当身で倒す。
魔力銃を打ち込んで倒していく。
それでも流石に魔法師団、その猛烈な攻撃に冒険者達は次々と吹き飛ばされていく、
このままでは不味い事になると思っていたら。
「援軍だ!援軍が来たぞ!」
その声に振り返ると、見えたのはミリシャ公国の旗、ミリシャの傭兵団なのにゃ。
見るとおじ様が先頭で戦っている。
「リイナ!無事か!」
両手に魔力拳銃を持って反乱軍を蹴散らしていく。
おじ様・・・凄いですにゃ。
おじ様と傭兵団の奮戦で反乱はあっという間に鎮圧されたにゃ、
反乱を指揮した師団長は逃げたようだけど捕まるのも時間の問題にゃ。
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「無事で何よりだ、だが大変な事になったな、リイナよ一度戻ってきてはどうかね?」
おじ様が心配して言ってくださる、でもにゃ。
「復興にめどがつくまではいたいんです、ごめんなさいおじ様。」
「そうか、よくぞ言ったなリイナ、私は長く国をあけていられないので戻るが、
いつでも帰っておいで。」
おじ様の言葉にうるっときたけど我慢して仕事にはげむにゃ、
そうして混乱も徐々に収まってきた時に連合軍の救援部隊がきたにゃ、
あちらはコリントに魔獣の大群が押し寄せて大変だったと聞いたにゃ、
コリント自治政府に雇われていた傭兵団も戦ってかなりの被害があったと
おじ様も言ってたし、
でも勇者様たちが二十万以上とも言われる魔獣を全部倒したって聞いたにゃ、
中でも獣王国連合のグリーゼ様は一人で十万を超える魔獣を屠ったそうにゃ、
どんな人なんだろう・・・あこがれてしまうにゃ・・・
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