彼女の初夢
クリスマスに続いてのスペシャルです。
そのうち移動させます。
「初夢ってどんなのがいい夢なの?」
ボクは御主人様に聞いてみる。
「一般的には富士山と鷹と茄子が出てくる夢が縁起がいいって言うみたいだけどね。」
「そうなんだ!楽しみだね。」
早く新年が来ればいいのに、そう思っていた時期がボクにもあったんだ・・・その時までは。
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「こちらひゅうが、戦隊予定位置に転移完了。」
「了解、艦列そのまま、現戦速で前進せよ。」
総旗艦あたごからの連絡に了解の返事をする。
ついに全艦隊での決戦に向けて進行していく。
(通報艦しまかぜより入電、{我決戦設定空間に進入せり。})
(敵部隊捕捉、無線封止解除、索敵システム起動)
(しまかぜより入電、敵前衛部隊の追跡を振り切った、{我に追いつく敵艦なし。})
さすがしまかぜ、足の速さは伊達ではないね。
(全艦ミサイル戦、砲撃戦用意!、全兵器自由使用)
(第二水雷戦隊先行します。)
(了解!天佑神助のあらんことを!)
駆逐艦や軽巡洋艦に生まれたら一度は配属されたいと言われる第二水雷戦隊が行く。
(敵艦確認、戦艦クラス五十五、重巡洋艦百二十八、駆逐艦多数!)
圧倒的な数の敵艦隊だがボクたちは引く事は無い、必ず打ち破り勝利をこの手に掴むんだ。
(全艦対艦誘導弾発射用意、照準敵前衛!)
(敵艦発砲!)
(誘導弾発射!砲撃用意!)
次々に発射されるミサイルたち、その向う先には発砲を開始した敵艦が見える。
砲撃だ、ボクは主砲を敵に向け照準を合わせる。
「照準良し!撃ち方始め!」
合図に従い引き金を引くが主砲が火を吹く事は無かった。
(?どうして)
疑問に思っていると主砲からもうもうと煙と炎が噴き出してきた。
(また、やってもうたー!)
前世からたびたび起こしていた事故、主砲の爆発事故だ。
ぐらりと体が傾く、え!今度は沈んじゃうの?
前の事故の時みたいに幸運には恵まれなかったようだ。
ボクは叫ぶ、「ご主人様~たすけて~!」
そして体が反転し、意識も反転して・・・
・・・ ・・・ ・・・
・・・ ・・・
・・・
ドサッ!
床に落ちた・・・
「え?」
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「それがひゅうがの{初夢}だったのね~」
隣に座ったいせがお雑煮をはふはふと食べながら言う。
今世では妹なのだが態度は前世の時と同じ姉である。
「相変わらずおっちょこちょいなんだから~」
反論できない、ボクはもちをのどに詰まらせないように気をつけながら食べている。
ここで詰まらせたら何を言われるか背筋が涼しくなる。
「らしいといえばらしい。」
「そうですねえー下手にきれいな夢でないところが。」
はつゆきもしらゆきも酷い・・・
「まあ、気にするなよ、気を付けろと言う意味かもしれないしさ。」
ご主人様の優しい言葉にうるっとしてしまった。
よーし、自分の番が来た時には色々サービスしちゃうぞと誓うのであった。
何をサービスするのか全然わからないのですか・・・
(遠い目)
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