表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
161/221

18話 真実

主人公視点ではありません

 「私もですよ、はつゆきさん、貴方が幾ら隠そうとしても私には視えますから。」


クリスも鋭い視線を向けながら言う。


「貴方の力は神の領域まであります、オリジナルは{創神の修行}をしていないので、

そこまでの力持っている訳が無いのです。」


「・・・あなたたちはごまかせないわね。」


はつゆきは、苦笑しながら言った。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「私は、確かに正人のこともこの世界のことも知っている。」


「なら、どうして否定したの!」


しらゆきは語気鋭く追及する。


「確かに、知ってはいるけどそれはあくまでも記憶メモリーでしかないの。」


「どういうことですか?」


クリスが問うと、はつゆきはさびしそうに言った。


「あくまでそれは{前世}での記憶でしかないの、あの時の私は死んで、

今の私は転生した私なの。」


「そんな!」


「覚えている、マサトの事、出会ったときの事、傍にいたときの事、

愛し合ったこと、そのすべて覚えている、でもそれは前世の記憶、

今の私の物じゃない!」


はつゆきは搾り出すように言った。


「今の私は彼に向き合うことが出来ない、彼に愛される資格なんて無い!」


うつむく顔、頬に流れる二筋の涙。


「それに、今の私は{オリジナル}でもあるの、死んで行き着いた先は、

オリジナルの私の中だった、そこで一緒になったの。」


クリスがはつゆきを視ながら、「確かに、貴方には二つの魂が融合しています。」

と発言する。


「だから、言えなかったのね、彼にその事を。」


しらゆきが言う、先ほどまでの鋭い口調ではなく、穏やかで、優しささえ感じられる。


「ええ、その事を知れば彼は余計に悲しむはず。」


「そんな事は無い!」


突然聞こえた声に、顔を上げる。


そこには彼の姿があった。


「たとえ生まれ変わっても、姿が変わっても、はつゆきははつゆきだ。」


「正人・・・」


「俺は、帰ってきてくれたことがうれしい。」


正人は彼女に向って歩いていく、視線は彼女からはずす事は無い。


彼女の前に立った。


「また、一緒に行こう。」


「正人!」


はつゆきが正人の胸に飛び込んで行く、正人はそれをそっと抱きしめた、

もう離さない、その決意を示すかのように力強く。


「愛してる、もう離さない。」


「私も、離れたりしない。」


しらゆきとクリスは顔を見合わせて微笑んだ。


正人は、ポーチからリングと彼女のポーチを出して手渡す。


リングを装着してポーチをつけて彼女は微笑んだ。


「もしかして、手紙見た?」


「ああ、でももういいんだ、こうして君がここにいる、それだけでいい。」


その言葉を受けて彼女は頬を染め、うなずいた。


後ろで歓声が聞こえた、見ると皆がこちらを向いて笑っている。


その中からすずなみが前に出て言った。


「お姉さま、おかえりなさい!」


「ただいま。」


暖かい光がみんなを照らしていた。



誤字・脱字などありましたらご指摘お願いします。


励みになりますので、感想、評価お願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ