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15話 我が名はクリステル

 俺たちは呆然としていたと思う・・・たぶん。

目の前に居る神秘的な美女があのクリストフェル?

皆ありえないと思ってるはずだ。


返事が無いので彼女はクスリと笑って言葉を付け足した。


「クリストフェルの姿は私の仮の姿に過ぎません、本当の私がこの姿なのです。」


なるほど、正人=グリーゼの俺ならばその説明で納得できる。

ここに居る皆も他の者たちよりは物分りはいいんじゃないかな?


どうやら皆も平常運転になったようだ、リイナさんを除いて。


「にゃ?にゃにがにゃんだか判らないですにゃ。」


言葉がネコになっている、相当混乱しているようだ。


仕方ないので、補足説明をしてやることにする。

変身についてだが、

彼女の変身は俺のとも、ヨウコの変身とも違うタイプであった。

中間に近い感じだ。

ヨウコの変身は心身に何かあると素に戻ってしまうが、クリステルはそうならない。

固定化という要素があるからだという。

そういう便利な物があるなら是非にヨウコに覚えてもらう事にしよう。

地味にダメージを受けるのを甘受するのはつらいのだ。


教えてもらうようにお願いすると、あっさりと承諾された。


(ちゃんと覚えるんだぞ。)


(むぅー)


ヨウコはなにか不本意そうである、実は狙ってやってたりするんじゃないだろうな?


大幅に脱線したが、リイナさんもやっと理解できたので良しとしよう。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


クリステルがなぜ性別を偽ってまで変身をしていたのかについては、

彼女の魔法師団入りが問題だったようだ。

国から依頼を受けて魔法師団の指揮官を里から出す事になった時、

一番の魔法使いが彼女だったのだが、魔法使いを束ねる師団長が、

女性では不味いとクレームがついたのだった。


やはりこちらの世界でもそんな事があるんだ。


そして、もう一つ判った事は、クリステルが長の娘だったのだ。

それで、引渡しを渋ったわけだ。


という事で、今後の話である。


「この事をヒルマさんは知ってるんですか?」


「いや、知ってるのは身内と、ここに居るものだけだ、イルナも知らないことだよ。」


ではこうしようという事になった。

クリストフェルは魔族との戦いで巻き添えになり死亡。

そういうことにしたのだ。


後はこちらがしゃべらなければいいわけだ、俺たちはいいがリイナさんが問題になった。


「しゃべったら、判るよね・・・」


しらゆきが笑顔で迫る。


「ふぇぇぇぇわ判りましたにゃん、しゃべりません。」


少しかわいそうになった。


傀儡の魔法使いが倒れたので、各国に送られた刺客も元に戻ったはずだ。

仕掛けが発動してなかったのは鉄鋼王国のみなので連絡して状況を知る必要がある。

以前とは違い、通信が出来るので、早速通信してみる。

長やクリステルは始めてみる通信機に驚いている。


「世界樹よりも高いところを回る星を打ち上げたとは・・・」


あとで、MAPを見せたらもっと驚くだろうな・・・


鉄鋼王と通信がつながったが、やはり刺客が王宮内にいたそうだ、

見つけて捕まえていたが急に倒れたのでびっくりしたそうだ。

傀儡の魔法が解けたせいだと教えると安堵したようである。

結構重要人物で失われると困るらしかった。


世界樹の力で世界の歪みを直す件だが、

杭を打ち込む機械は鉄鋼王国で製造しているので、

受け取りに行かねばならないそうだ、

このままそちらに向えばいいか。


そして今、秘密の話があるので人払いをしてもらっている。

長とクリステル、ヨウコと俺とはつゆきだ。


念のためにヨウコの隔絶空間内で話すことにした。


「あなたがたは過去にこの世界に来た事が判っているのですがどうしてこちらに来たのですか?」


直裁に聞くことにした。


「実は神からの依頼で来たのです、その時世界樹の小さな苗を持って。」


「世界樹の苗?」


「ええ、私たちが依頼されたのは、この世界の安定のためです。」


「当時のウエルネストは非常に危険な状態でした、人々は争い、

地中の力の流れもおかしくなり現在のような、

いやもっと酷い状態になっていました。」


「そのために世界樹の力で安定化することが望まれたのです。」


なんとまあ以前も何かあったわけか、まあヨウコのようなことでないと思いたいが。

ヨウコも師匠のしたことに何か思う事はあるようだが、

まあ言ってもしょうがないだろう。


とりあえず早めに処置した方がいいな。

魔族もまだ残っているはずだし、急いだ方がいいだろう。


そういえば、テレーゼたちにも話をしなくてはいけなかった。


はぁ。


話が終ってから、今度は彼女たちを交えてこの世界の成り立ちの話をする。

長やクリステルも説明して欲しかったようだ。


話が終ると誰ともなくため息が出た。


判らなくもない。


「元の世界があって、そこでは人族でしたって言われても実感が湧きません。」


「妾が複製されたもの?良くわからないのう。」


「向こうの世界の里はどうなっているんでしょう?」


リアンナは両の手をぐっと握り締めている、俺にはその気持ちが痛いほど判った。


「これは公にすべきではないと思います、混乱が起こることは必至ですし。」


クリステルは世界への影響を懸念している。

そこは同じ思いだ。


問題は一つずつ解決するしかないようだ。



ここまで読んでいただいて有難うございます。


誤字・脱字などありましたらお知らせください。



感想評価等もよろしくお願いします。


次回投稿予定は8月8日19時予定です。


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