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オークキング討伐隊 壱

今回は他人視点。

<ギルマス視点>


「で?どうだったんだ?」


 今、魔の森に偵察に行ったパーティーが帰ってきたところだ。彼らには最近爆発的に増えたオークについて調べて貰っていたのだ。


「え、ええ。おそらくオークキングがいると思われます」

「そうか」


 オークキングはBランクの危険指定種だ。大量のオークを引き連れて街を襲うこともある。早めにつぶさなければならない。


「ご苦労だった。他に何かあったか?」


 もうないだろうと思いながらも聞いてみる。すると焦ったようにしゃべり始めた。Cランクパーティーのこいつらが焦るなんてよほどのことがあったのか?


「なんだ?話せ」

「そ、それが」

「タイラントベアですよ!ギルマスさん!」

「あ?」

「タイラントベアがいたんです!それもおそらく希少種!」


 まじか?タイラントベアはSランクの魔物だ。森から出てくることがなく、襲われることは少ない。しかしこちらから攻撃を仕掛けたり、子供を狙ったりするとタカが切れたように暴れる。よって暴君タイラントと呼ばれている。色は藍色だったはずだが。


「紅かったんですよ!!」

「絶対希少種か上位種だって!!」


 どうすっかな。さすがにタイラントベアとオークキングは同時に相手はできないぞ。


「今までにも目撃情報はありましたが、襲われたという人はいませんね。威嚇はされるらしいですが」


 冷静に状況を判断する銀髪眼鏡美女のこいつはうちの副ギルマスだ。名前はレノラ。


「なら」

「はい。大丈夫だと思います。こちらから襲いかからない限り」

「そうか」


 なら目標はオークキングのみ。


「よし!Dランク以上の冒険者で収集かけるぞ!出発は明日だ!」

「はい」

「お前らもご苦労だった」

「「「はい」」」


   *  *

 次の日。ギルドの前には結構な数の冒険者が集まっていた。


「ふむ。46人か。結構集まったな。それでは魔の森に出発する!」


 そうして46人の冒険者はオーク退治に出発することになる。そしてこれが聖獣紅蓮が歴史に名を刻む最初の事件だった。




 馬車の行列が道を進んでいく。冒険者たちはみな武器の手入れを行ったりと、最後の点検を行っていた。


「そろそろか…」


 魔の森に近づくにつれ、索敵係りの索敵内にちらほら魔物がかかるようになってきた。


「お前ら!!気ぃひきしめろ!行くぞ!」

『おお!!』


 そうしてオークVS冒険者の戦いが始まった。




「くそっ!結構多いな」

「そうですね」


 今現在多くのオークが討伐隊に襲いかかってきている。森にはだいたい10メートルほどの広さの道が迷路のように広がっており、そこでオークと討伐隊が戦っているのだ。


「オークの位置は分かりますか?」

「すいません。まだ索敵内に大きな反応はありません」

「そうですか」


 索敵専門の冒険者にレノラが聞くがまだ見つからないようだ。


「どうすんだ?ギルマス。5分に一匹は出やがるぞ!」

「四時まで粘ってだめなら引く!森の外で野宿だ!」


 了解!と答えて冒険者たちはまた周囲を警戒する。すると…


「ギルマス!出やがった!!」

「なに!?こんな浅瀬にか!?」

「違う!タイラントベアだ!どうする!?」

「なっ!?」


 オークキングよりも圧倒的上位の存在であるタイラントベアと戦っては平均ランクCの俺たちではやられる。


「Bランク以上は前に出ろ!他は下がれ!」


 Bランク以上は…6人か。


「ここは僕らに任せてください!」


 そう言って前に出たのはジャスティスライトというBランクのパーティーだ。無駄に正義感の強い3人のガキでできたチームだったはずだ。パーティー構成は、光魔術と剣術で戦うリュート。大きな大剣で戦うギル。水魔法と風魔法で戦うアンナの3人だ。


「やめとけ。Sランク相手だ。死ぬぞ」


 ギルマスとして言うが聞く耳を持たない。


「何よびびってんの!?ここでこいつを倒しておかないとどうなるか分かんないわよ!?」


 なんだこいつヒストリックか?


「ほんとだぜおっさん。ここであいつを殺し、オークキングも殺す。そうすれば誰も困らないだろう?」


 いや、あれ希少種。だぶん普通のよりも強い。


「大丈夫です!僕らに任せておいてください!」


 ・・・もういいか。こいつらをおとりにして逃げるか。


「分かったもういい」

「はい!ありがとうございます!」


 元気よく挨拶をして熊に向かっていく。本当にあの3人は問題しか起こさねえな。街でも評判最悪だしな。


「どうするんですか?」

「あ?ああ。Cランク以下の奴らは撤退させて、あらかじめ決めておいた地点で野宿だ。お前は残れよ?Bランクなんだから」

「・・・はい」

「俺らもあいつらが死んだら撤退する」


 レノラがしぶしぶといったようにうなずくのを見て一言付け足す。俺は元Aランク。こいつはB。もう一人のエルフがB。


「さーて。どうなるかな」


 後ろにいた奴らが撤退していくのを感じながらジャスティスライトとタイラントベアの戦闘を眺める。



 ギルマスさんに激励されて僕ら3人はタイラントベアと戦うことになった。怖い。でも誰かがやらなくちゃいけないんだ!


「いくぞっ!!」













こういう正義っぽい奴が嫌いなんですよね。むろんタイラントベアは主人公のことです。

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