執事との契約!?
私は門を通り、自分の部屋へと向かった。
休日のせいか、部屋に向かう途中、一人も生徒を見なかった。
みんな寮にいるのだろう。
ここだよね?
自分の部屋を確認して、中に入った。
広っ!
部屋の中に入ると、リビングのような大きくて広い部屋があった。その部屋の中央には長いソファが二つ、向かい合わせに置いてあり、その間には長いテーブルが置いてあった。
このソファ、すごく柔らかそう。
その他にも、大きな部屋の右側にはキッチン、キッチンの近くと左端のところには小部屋が一つずつ。そして、大きな部屋の奥にはお風呂や洗面所などがあった。
すごい豪華だ。一つ一つの家具も高そう。
理事長のところに行かないといけないんだった。
私は荷物を置いて、学園の地図を見ながら理事長室に向かった。
地図見て動かないと迷子になりそう。
コンコン
理事長室の扉をたたいた。
「はい、どうぞ」
中から少し高い声がしたので、扉を開く。
「失礼します」
そう言って一礼し、中に入った。
そこには、腰の少し上まである黒い長いストレートな髪と黒い瞳を持つ女性がいた。
理事長だよね。すっごい美人。
「本日転入してきました。星名華恋と申します」
彼女に自分の名を名乗った。
星名家の名に恥じぬようにしなければならない。家を出るときに、祖母に何度もそう言われた。
「はじめまして。星徳学園の理事長をしている、朝宮加奈です。星名さん、これを」
理事長は、私に小さな箱を渡した。
「私からの贈り物です」
なんだろう?
「ありがとうございます」
私がそう言うと、理事長はにこっと笑った。
「では、今日は早めに寮に戻り、ゆっくり休みなさい」
「はい。失礼します」
私は一礼して、そこを出た。
あの人、どこかで見たことがあるような……。
私は自分の部屋に戻り、理事長からもらった小さな箱を開けた。そこには、小さな石が入った指輪があった。
この石、ルビーかな? 宝石言葉は確か……努力……だったかな? 学生は努力しろってことか。
コンコン
ノックをする音が聞こえた。
誰?
扉を開けると、そこには黒い柔らかそうな短い髪と茶色い瞳を持つ、上下黒い服に青いネクタイをした少年が立っていた。
男の子なのに肌が綺麗で顔が整っていて、まさに美少年というのにふさわしいくらいかっこよかった。
「あの、どちら様でしょうか?」
「申し遅れました。水瀬海斗と申します。星名華恋様ですね」
礼儀正しく話すこの少年は、一体何者なんだろう? 服装からして執事としか思えないけど。
「はい、そうですけど」
私がそう言うと、彼はいきなり片膝をついた。
えっ! 何!?
「水瀬海斗、あなたの執事でございます。華恋お嬢様」
この人は一体何を言っているの? 私の執事? この人が?
「失礼いたします」
私が考えている間に、彼は一礼して、私の部屋へと入っていってしまった。
「ちょっと!」
彼は私の部屋へ入ると、理事長からもらった指輪を自分の指にはめ、色違いの石の入った指輪をはずした。
あの石、サファイア? 確か宝石言葉は……思考とか集中……だっけ。ってそうじゃなくて、今は指輪を返してもらわないと!
「何してるんですか! 返してください」
「お嬢様は、こちらの指輪をおはめください」
彼はサファイアの入った指輪を渡してきた。
「どうしてこっちなんですか?」
「契約の証です」
契約? そんなものがあるの? ってか、契約って一体何!?




