プロローグ
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うまくできているかわかりませんが、お嬢様と執事の恋物語、どうぞお楽しみください。
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私の運命は、あの日を境に変わっていった。
県でレベルの高い公立高校に通って、友達とくだらない話をしながら過ごしてた。両親と仲は結構良いほうで、学校の話とか、友達の話とか、そういう会話をしながら食卓を囲んでた。私はいつも、笑っていたと思う。これが、私の『日常』だった。
母は優しくて明るくて、太陽のような人だった。いつもいつも笑ってて、ずっと見守ってくれてた。陰ながら、ずっと私を支えてくれてた。
父は心が広くて、大抵のことは笑って全部流してた。たくましくて、いっつも朝から晩まで、へとへとになるまで頑張ってた。
私の大切な家族。そんな彼らには、もう会えない。一人取り残された私は、母方の祖母の家に引き取られることになった。
祖母は世界的にも有名な星名グループの総帥で、とても厳しい人だ。いつも冷たい目をしている。心も氷のように冷たく何も感じていないのかと何回も思った。
彼女は父と母の結婚を反対していたらしい。父のことを娘をたぶらかした男だって言ってた。そんな男とできた子なんて孫とは認めないと、そう引き取られたときにきっぱりと言われてしまった。
そんなふうに思っていながら私を引き取ったのはただ単に、星名グループの後継者がいないから。生憎母には兄弟はいない。
今まで普通の女子高生をやっていた私には、お金持ちの世界のことなんてわかるわけがない。そんな世界に自分が入ることになるなんて考えもしなかったのだから当然だ。
その世界のことを学ぶため、全寮制のお嬢様学校、星徳学園に転入させられた。
当時は神を、自分自身の運命を酷く呪った。でも、大好きな人に会えたことには感謝する。大切な友人と再会できたことも、唯一の家族と和解できたことも。ありがとう、神様。