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プロローグ3

10歳にもなるとロギゥも子供たちに見つからないように一人で外で遊ぶのが主体となっていた。

毎日のように森、川などに出掛けては朝から夕暮れまで遊んでいた。

昼食などは森に一人で住んでいた年老いた猟師の男から食べられるものやナイフを使って釣り竿などの道具を作ることなど森での生活に必要なことをほとんど教えてもらった。

猟師も頻繁にやってくるロギゥがかわいかったのだろう、いろんなことを教えた。


その日も猟師のもとに行き、仕事の手伝いで、自分で捕ったウサギを捌いていた。

10歳の少年がウサギを捌くのは今ではなかなか珍しい光景だった。

猟師が子供のころは大抵の子供たちは親や村の大人から教わっていて出来ていたらしい。

今ではせいぜい酪農家の子供ができるかどうかぐらいではないだろうか。


「坊主、それを捌いたら血抜きをして終わったら皮をいつものようにしといてくれ。」


「あ、帰ってきたんだベルゴウムっ!?っと、今日はまた大物を捕まえたね。」


ベルゴウムと呼ばれた猟師は老齢といえど昔は冒険者で戦士をしていたと言っていただけあってかなりガタいのよい体つきである。冒険者をやめた後も猟師になり体を使い続けてきただけあってまだまだ引き締まった体をしている。まれに魔物やオオカミも森に出るのでロギゥも剣術を教わっていた。

おそらく今日の成果であろうメスのシカを片手で背負い、ベルゴウムの獲物であり冒険者時代から使ってきたツヴァイヘンダー(両手剣)をもう片方の手で持っていた。


「ベルゴウム、僕はいつも思うんだけどその大きな剣を持って、なんで森の中で疾走するシカをとらえられるのかな?」


以前持たせてもらった…いや持つというよりは床に置いてあるツヴァイヘンダー(中でもグレートソードというらしい)を持ち上げることができず柄を腰をかがめて握ったような体制になったことは苦い思い出だ。

何度も見ているからあきれ顔で眺めながら言うロギゥだが、始めてみたときはかなり驚いた。


「ぬ?フハハハハ!慣れだ慣れ!」


それをいつものように聞いていたベルゴウムはいつものように豪快に笑い片手でツヴァイヘンダーを掲げて見せる。

「お前も大人になれば持てるさ。」とその大きく厚い手で頭をガシガシとなでられる。


ロギゥ的には持てるようになっても構えた状態で逃げるシカに追いつくようなことはできないだろうなーと思っていた。

しかし、同時に男の子でもあるロギゥにとって大きな剣というのはあこがれがないと言えば嘘になるのも本当のことだった。


「ほれ、手が止まってるぞ。あと、親御さんにシカ肉持っててやるといい、喜ぶぞ。」


ベルゴウムは森で捕れた獣の皮をなめしをして革として承認相手に売っている。

そのため肉は必要な分だけ食べてあとは保存の効く燻製にしてしまうが、ロギゥが来てからというもの良く帰りに肉を持たせている。


「うん、ありがと。でも、毎日のようにシカを捕って良く森からシカがいなくならないね。」


「それは、この森がそれだけ広くまた、豊かである証拠だからだ。まぁ、国土の9割以上を占める森だ。俺が一日一頭とったっていなくなりゃせん。」


通称「森の国」と呼ばれるユグド=ヨルヘスト王国は大陸一の国土をもった国だがそれは一概に国力が強いわけではない。大いなる神シモンの創造したこの星の大地の加護が一番強く表れた場所と考えられ、どんなに木々を切ってもその森を縮められないためであった。

聖地は他にも存在するが、一番広大な聖地であり、大陸の3割をこの森林が覆っている。

この森の中心にはロギゥが住んでる町からも見える聖樹ユグドラシルがある。

聖樹ユグドラシルの頂上からは大いなる神シモンの住む世界への入り口があるという伝説がある。


「おい、ぼけーとしてないで早く終わりにしろ。さもないとおまえの分の肉は抜いとくぞ。」

森そしてユグドラシルの壮大さに圧倒されてぼーっとしていたロギゥはその言葉にさっさと血抜きの準備をし始めた。


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