1/13
プロローグ
生命は死してなお進化を続ける
頂点たる賢者としてでなく一つの生命としてここにこの言葉を残す。
ギル=テラ
木陰で古く重そうな本でよく見ると端が擦り切れるまで読まれている。
そんな本を読んでいたのはまだ12~3位の少年であった。
「ロギゥ=エンペリウス!今は私の実験の手伝いで薬草摘みしているはずですが何をしているのですか。」
その少年の背後から同じ年くらいの少女が名前を叫んだ。
今ここには少年と少女しか見当たらないので、少年の名前だろう。
ロギゥと呼ばれた少年はバツの悪そうな顔をして振り返る。
その眼にはちょっとした恨めしい光も見えるため、あまり良好な関係ではないようだ。