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第四話:情報戦の幕開け

◆ツンデレ男爵との奇妙な共犯関係


アドリアン様からの匿名メモのおかげで、私の家はまた一つ危機を回避した。あの時の彼の「勘違いするな」というツンデレ発言を思い出すたびに、私はなんとも言えない気分になる。


(あの冷たさ、完全に照れ隠しのプロじゃん。っていうか、家門の危機を抱えてるイケメンとか、乙女ゲーすぎるでしょ。でも、なんか放っておけないんだよね……)


それ以来、宮廷のどこかですれ違うと、アドリアン様は一瞬だけ私に冷たい視線を投げかけるようになった。以前は完全に無視だったのに。その視線は、まるで「俺の秘密をバラすなよ、成り上がり者」と無言で脅しているようだ。


この、誰にも明かせない秘密の共犯関係が、私の宮廷生活に新たな緊張感をもたらしていた。


◆予兆:レオナルド伯爵の誘い


そんな中、レオナルド・カペリ伯爵が、いつもとは違う、真剣な眼差しで私に接触してきた。場所は、宮廷の隅にある、誰も使わない古い資料室。いかにも裏取引といった雰囲気だ。


「アルメリア騎士爵。君の家がこの宮廷の陰謀の『白紙証文テスタメント』として狙われていることは伝えたな」


「はい。伯爵様のおかげで、事なきを得ました」


「だが、君を狙う派閥は、君の『騎士爵』という地位そのものではなく、君の領地にある『何か』を欲している。それが何かわかるか?」


彼の言葉は、私の頭の中で、前世でやり込んだ乙女ゲームの裏設定を警報のように鳴らした。


(まさか!これって、あの『失われた古代魔法の遺跡』のこと!?私が周回プレイしたゲームの超難関ルートの鍵じゃん!やばい、いきなりメインクエスト始まるの!?)


私は表情に出さないよう、優雅なフリをして首を傾げる。


「残念ながら、我が領地にそのような価値あるものがあるとは、存じ上げませんわ」


レオナルド伯爵は、私の取り澄ました態度を面白そうに笑った。


「面白い。では、私の『協力者』にならないか?私は君の騎士爵の地位と領地を守ろう。その代わり、君は私に、君の領地に関する情報を全て提供するのだ」


彼の提案は、あまりにも危険すぎる取引だった。


(えー!これ、裏ルートの超危険フラグじゃん!協力者って名の、ただの駒でしょ!?でも、このまま何もしないで潰されるよりはマシかも……)


◆決断『情報戦』の開始


私は即座に返事をせず、考える時間をもらった。宮廷の裏側は、私の現代の感覚だけでは対処できない、底の見えない闇に包まれ始めている。


(うっわー。王位継承まで絡むような、規模がヤバすぎるメインルートに入り込んじゃったかも……。もうお財布事情とかどうでもよくなってきた!)


私は、この世界で「情報」こそが最大の武器になると悟った。そして、貴族の『格式』ではなく、現代の『常識とノリ』で戦う、『情報戦』の開始を決意する。


私は、侍女のゴシップネットワークをさらに強化。単なる噂だけでなく、貴族の「金の流れ」や「隠された趣味」といった、「イケメンが実はやってるダサいこと」に焦点を当てて収集を始めた。


その過程で、驚くべき情報に辿り着く。


◆騎士爵の功績「金の流れ」の発見


騎士爵の家は宮廷の端に位置する。そのおかげで、私は「貴族が隠している品物の裏取引」の現場に偶然遭遇してしまった。


それは、特定の派閥の貴族たちが、高価な宝飾品や美術品を、非合法なルートで海外に流そうとしている現場だった。彼らの目的は、派閥の資金を確保することと、敵対派閥に汚名を着せることだ。


私はゲーム知識で、この非合法取引が王国の「財政」に関わる重大なスキャンダルに繋がることを知っていた。


(マジか、この取引がバレたら派閥のトップまで道連れじゃん!これは特ダネすぎる!)


私は、この情報をすぐにセリオン様に報告するか、それともレオナルド伯爵への手土産にするか悩んだ。どちらもメリットとリスクがあった。


しかし、私の「正義感」が勝った。


(こんな非合法なことして、国をめちゃくちゃにするなんて、推し活してる場合じゃないじゃん!私がこの情報を握って、優位に立つしかない!)


私は、セリオン様にもレオナルド伯爵にも頼らず、自力でこの情報を利用することに決める。その情報を、あえて宮廷のゴシップとして、侍女のネットワークを通じて極秘に流出させたのだ。


◆深まる謎と二人の攻略対象


翌日、宮廷は大混乱に陥った。非合法取引の情報は瞬く間に広がり、関係者の貴族は慌てて証拠隠滅に走る。私の「ゴシップを利用した情報戦」は、大成功を収めた。


セリオン様は、このスキャンダルを静かに処理しながら、私に優しい笑顔を向けた。


「君の功績だ、ルミア嬢。君の情報収集能力は、私が思っていた以上だ。しかし、あまり危険な真似はしないでほしい」


そして、レオナルド伯爵は満足そうな、しかしどこか警戒するような目で私を見つめた。


「アルメリア騎士爵。君は私の予想を超えた。協力者としての価値が、さらに上がったな」


私は、この事件で騎士爵の地位を少しだけ安定させることができた。しかし、レオナルド伯爵の誘い、そしてアドリアン様との秘密の共犯関係は、さらに複雑に絡み合っていく。


(これで少しは『守られるだけ』のヒロインから脱却できたかな?でも、裏取引のスキャンダルとか……。私の宮廷生活、ハードモードすぎだろ!)


騎士爵ルミアの奮闘記は、ますます激しさを増す宮廷の情報戦へと突入していくのだった。


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